今週の趣味

漫画

徳弘正也 フェア(個人開催)
巧みなストーリー構成能力に秀逸なキャラクター、えぐるような心理描写と超ハイスペックな漫画家。
絵に癖は有るけど画力も高い、特に戦闘シーンが見やすくて迫力がある。
元アシスタントの尾田先生も師匠を見習ってホラ。
作品で取り上げる題材についても綿密に調査してるようで、そういった点でガバが全くないのもプロだと思う。
その代わりに全ての作品にクッソ汚いお下劣ギャグが入る呪いにかかっている、誓約と制約かよ。
GW中に1作品読み直し、もう1作新しく読破したので完走した感想

狂四郎2030

十年ぶりに読了
ディストピアと化した近未来の日本を舞台に
主人公がネットで恋人になったヒロインに会う為に旅する話。

少年誌から青年誌に移って最初の作品だけ有って、エログロ度では一番尖ってる一作
ただこの人のエログロって一般的なそういう需要を満たす物ではないというか、オブラートに包んだ書き方すると”抜けない”ので注意。
世界観が秀逸で、K(金)!B(暴力)!S(セックス)!な上にもう一つのS(差別)まで横行するド級のディストピアなんだけど
成立ちから運営方法までしっかり描いてるのでまぁ嫌な意味で説得力の有る世界なんですね。
そんなどうしようも無い悪意の坩堝のような世界だけに、主人公とヒロインのひたむきさや
登場人物達の中でも希少な良心を持った人々が心に刺さる。
ほぼ全編面白いんだけど、個人的には八木編、白鳥編(有名なカレーの下りもあるぞ!)
アルカディア編、六角親子編辺りがおススメ。
人に薦め辛い名作とはよく聞くが、実際エログロとお下劣ギャグを受け入れられるなら是非読んで欲しい。
ラストだけ打ち切りみたいな駆け足だけど。
※作者もあとがきで補足している位には
長々とやる位ならサクッと読める長さで終わってくれる方が後腐れなくて良いかもしれない…
謎自体は間違いなく全部回収してるんだけどね、
再起を誓って幽閉されてく異能兄弟とか絶対今後のフラグと思うじゃん!

『昭和不老不死伝説 バンパイア』
『近未来不老不死伝説 バンパイア』

もっこり侍(連載中の最新作)と迷ったが、完結してて全10巻と手ごろなので購入。
前半(昭和不老不死伝説)
セクシーボインなバンパイアの主人公マリアが色んな奴から狙われるので、超能力少年と組んで戦う話

この作品におけるバンパイアの定義は特殊で、
強靭な肉体を持ち、単一生殖による転生を行う事で実質永遠を生きる事が出来る存在。

当然こんな凄い肉体放っておける訳ないよね!って事で長い歴史の中で国家なり宗教なりに追い回されるので、
自身が転生すると生まれる人間の超能力者と組んで相手を皆殺しにして来たという血生臭い経歴を待つ。
とはいえ時代と共に発達した科学と、マリア自身が長い生の中で背負った業により段々と追い詰められて行く展開は中々絶望感あり。

後半(近未来不老不死伝説)
前半でクーデターを起こした宗教団体によりディストピアと化した日本を舞台に、転生した新マリアが様々な陰謀に巻き込まれてく話
連載当時より先の年代を描いてるという事で、ロボットやライトセーバーが出て来るし大分SFな内容。

主人公が転生した事で女子高生のような容姿と自我になっており(もちろん今までの記憶はある)、
導入は爽やかに読める、導入は…

エログロバイオレンスアクションに近未来ディストピアという事で、要素だけ見ると狂四郎に近い。
ただ複数のエピソードに分かれた冒険譚となっていたあちらと違い、
主人公、超能力少年、"裏の主人公"の三人を中心にまとまったストーリー展開になっているので印象は全く異なる。
その上めちゃんこ強い主人公が事態を解決し、ハッピーエンドなり爽やかな読後感を残すシーンが狂四郎では複数有ったのだが、
こちらもめちゃんこ強いマリアと仲間達が居るのにそんなシーンはほぼ無いので読んでて暗くなっちゃう。
先生得意の要所で人の見せる善性や、ド下ネタで多少救われるんだけどね。
とはいえシリアスで一貫したストーリー自体の完成度は高い。
皆も読もう、あーちゃん!あーちゃん!

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