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YBB-103 盲腸管改造完成

また一つ希望が叶った。
ヤマハの古い小型tuba、YBB-103をメイン機621同様に主管延長して盲腸管をつけました。

迂回したような主管
103

ピストンは3本と少なく軽量、それゆえ僕が馬力入れて吹くと爆音爆速になるものだったのですが、小学生でも楽に吹ける機体故、重みや深みに欠ける。
621は音程補正用に盲腸管つけたけど、訳のわからないどす黒い倍音が出るようになって、その意味のわからない音色に取り憑かれて、こちらもやってもらった。

早速吹くと明らかに抵抗感も音色も違うものに。もともと抵抗なさすぎて物足りなかったので逆に吹きやすくなり(621は未だに吹きづらくそれが良い)、何かしらダークな音が追加された。支柱も入れず、音の飛びと程よいドスの効いた楽器に生まれ変わった。これらは全てヤマハのアトリエの技術者による特注改造。

左がノーマル 右が改造盲腸管

かなり無茶苦茶と言って良い改造を「ヤマハのものならなんでもやります」と言ってもらえる人に出会えたのは非常に幸運だった。

この楽器は美品もディスコンの古いものだが、うまく調整して最新の低反発圧縮フェルトなどに交換してもらってこれがまたすごく調子が良い。店舗では教えてもらえてなかったこのパーツ。

左が初期型 右が後期型

そして昨年後半に我が家にやってきたまた別の103をピストン整備と美品交換をやってもらった。

こちらは初期型で型番は同じでもパーツも造りもよく観るとかなり違う。(少し専門的だが)音の太さやキャラクターを決める内部構造(内径)のボアが、デュアル・ボアだということをこのとき知った。

tubaでデュアルなんて聞いたことがない。トロンボーンにはたまにあるけど。確かに主管をひっくり返して入れようとすると、2つの太さが違うので入らない(だいたいのものは入る)。

この楽器は米のホルトン社のOEMでヤマハが製作していたそうで、設計もホルトンというかなり変わってる。安くて丈夫で壊れにくくてタフ。自分にはピッタリ。
コンポステラで関島さんが吹いていたので勝手に「コンポステラ・モデル」と呼んでいる。
これからまた新しく環境を変えるアイデアが生まれる。一番大事なメインはこれではない621で、これは常に手元にありたい。が、関西関東二拠点の音楽生活をしている身として、移動の困難さと、遠くないうちに来そうな大災害のときに備えておきたいという願いがいつもある。

どうしよもない状況になったら、メインでも楽器を捨てないといけなくなるだろう。どちらかが駄目になったらどちらかに暮らしを移す気でいる。tubaは、運べない可能性が高い。

なので何かあったときのために、頼れる楽器を東西に分散させておきたいと思っていた。

関西と関東どちらもが一気に駄目になる時は仕方がない。

盲腸付き621が持っている音色は唯一無二で、技術的に低下しても息が続かなくなっても音がうまく出なくなっても、気に入って使っている。

そしていつか自分も身体の自由が低下するときが来るだろう。

ピストン一本で、と思われるが、これがないだけで本当に軽い。

老体や障害体で運びやすいのは103だ。
なので理想としては盲腸103を関西に置いて、621は関東、必要とあらばこれで旅をして、初期型103は今までのように爆音爆速が必要な現場に持っていく。
このためにいろいろやっておかないと。

自分はtubaのこととか疎くて興味もなくて、どちらかといえばシンセとかエフェクターとか電気ものがすきなのだけど、あれこれ製品を買い足して音を作っていくことなく、手持ちの楽器を少しずつ手を入れて自分の理想の生音を得ていくことに、喜びを感じる。お金もそんなにかからないのがいい。

気分的には、自分の体を改造しているような気持ちになります。

こういうのをやるのは初めてなのですが、試しにやってみます。
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