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ロングスカートの夏

昨日は土用干ししている間に小岩に向かった。
あるエスニック食材が欲しかったのだが意外と売っていなかった。


その前の日に頂いたアッコが手作りしてくれたスカートを履いて。
ライブが終わったら、はい、って手渡してくれた。とても嬉しかった。

巻紐とマチがあって履きやすい。
スリット的に足が見えるのはどうかなと思って安全ピンで留めた。ヒザ下くらいならいいでしょ。

前に自分で巻いただけのカンガとは違って、フレアした布は風ではためく。
それがたまらなく心地よい。
今更知ったの?私達オンナの特権だったのよ、と言われた。

僕は女性の服が着たかったのではない。
服装倒錯もLGBTや性に関する何かでもなく、ただ夏場にロングスカートを履いてみたかった。涼しそうだったから。
「暑くないですか?」と男性に訊かれたが、履いてみると良いですよ、凄く涼しい。
足の間を風が通る。これは短パンともまた違う。


風で長い布がはためいているのを眺めるのが好きで、それが自分の足元で起こる。
風を伴う気持ちよさとともに。
とても楽しい。

前もそうだったが歩き方が変わる。
女性らしく、ではなくスカートの動きに沿って。体幹や重心も変化する。
自分の体の動きの違いを、本を読むように読解して歩くのは、また面白い。

歩いた後方に巻き起こる風を後姿が象る。たまに振り向くと、それが楽しくて、ついつい後ろを見てしまった。

アフリカの布、カンガはそれだけで芸術的に美しいのに生活感があるのが好きだ。
ベルギーにいた時には周りにアフリカの人達がたくさんいて、毎日のように目にしていた。

この夏はロングスカート。
密やかな楽しみ。

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