チューブの何がいけないのか（2022年2月17日の日記）

[第11話]タコピーの原罪 - タイザン5 | 少年ジャンプ＋

・わたしも例に漏れずタコピーの原罪を読んでいる。今話は急展開だな。

・前話で東くんがこの負の連鎖から抜け出せたことが唯一の救いだと思っていたけど、ふと、実際どうなんだろうと思う。兄にすべてを打ち明けて警察に行ったんだろうけど、その過程は書かれていない。実家の病院が臨時休業になったこと、警察に行ったが、誰かに巻き込まれていたという見解を持たれていることを近所の人の会話で読者は察することが出来るが、すべて外観でしかない。東くんの話を聞いたお兄ちゃんがどういう反応をしたのか、お母さんがどういう反応をしたのか、東くんの家庭がどうなったのか、わからないのだ。外観だけ見ると「兄に慰められた東くんがすべてを打ち明け、受け入れられて警察に出頭し、罪から解放される。家族とのわだかまりも解消された」と捉えることが出来るが…。

・10話1～2ページの兄が東くんの想像だとは明示されていないのだ。正直に打ち明ける→1～2ページの反応→出頭でもおかしくはない。兄はその前の口ぶりから弟が何をしてしまったのか察している節もあるが。

・あとから東くんがボロボロで出てきたらつらい。でも今のところ地獄しかないこの漫画で、東くんだけが急に救われて離脱したことに違和感があるんだよな。救われてて欲しいは欲しいんだけど。

・しずかちゃんもやっていることは邪悪そのものなんだけど、彼女もまたいじめ・ネグレクト・虐待の被害者で、ひたすら加害が入力され歪んでいった結果、溜め込んだ歪みが出力されてしまったという感じなんだよな。罪は罪だが、彼女にそうさせたのは本当に彼女自身か？その罪は彼女だけの罪か？という問いは存在すると思う。すべてが明るみになった時、背後の加害者たちの罪も同時に明るみに出てほしいと思うが。しかし、明るみに出たところで彼女の犯したことは変わらず、歪んだままに犯した罪の償いをし、その歪みが解消されることも無いまま罪の残滓を一生背負っていくのか。そうなったのは彼女だけのせいではないのに。しずかちゃんが救われる道はあるんだろうか。

2/20 追記
・よくよく考えたら、しずかちゃんは直接まりなちゃんに何かしたわけではないのか。タコピーが殺してしまった後に隠しちゃったから死体遺棄の罪はあるけど、殺人の罪には問われないはずだ。しかし、タコピーという存在を抜きにすると状況証拠はばっちりしずかちゃんが犯人だと言っているんだよな。「ハッピー星から来た宇宙人が殺したんです」なんて言っても精神鑑定が入るだけだ。結局のところタコピーがまりなちゃんを殺してしまう原因を作ったのはしずかちゃんになるから、タコピーに罪を問えない以上はしずかちゃんが背負うことになるのだろうか。

・基本的にしずかちゃんもまりなちゃんも東くんも、大人や周囲による加害により歪んでしまった子どもなんだよな。入力された加害がどう出力されるのかのサンプルが三つあるという感じだ。読んでつらくなりすぎない人におすすめです。

・おい！！！！！1000字近くタコピーの話してるじゃん！！！！！！昨日は1000字以上おかあさんのいっしょの話してるし！！！！！

・髪を切ってから寿司を食べた。この寿司屋の出すねぎとろの「チューブ感」が潔すぎる。チューブから出していることに何ら偽りが無い。もうちょっとごまかせよとは思うが「なぜチューブから出してはいけないのか？」という問いに正確に答えられる自信は無い。おそらく「天然じゃなさ」なんだろうけど、みんな冷凍だから一緒だよな。うまいから何でもいい。