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ガーターベルト2年A組(2023年9月26日の日記)

・連日秋めいているなあ。

・市内にでかでか専門ホームセンターが出来て、画材なんかもあるかな~と行ってみたら思った以上に絵具の品ぞろえが薄すぎて、見落としているのかとうろうろうろうろしてしまった。他の市にある同じ店は絵具や筆、紙の種類がかなり豊富だったので期待したんだけど、やはり店舗によってムラがあるのだろうか。

・シリコンで型を取る材料が売っていて気になった。フィギュアをこれで型取りして別の材料で固めたら増えるってことか。色んなものの型を取ってみたい。


呪術廻戦コラボたこやき

・買ってみた。カスクートのたこ焼きって何?と思ったけどおいしい。

・1,000円すんのか~とびびってたらおまけのカードやスリーブが付いてきた。これ込みの値段か。カードはわかるけどスリーブってどうするのが正解なんだ?

・そういえば呪術廻戦は今大変なことになっているらしい。何とは言わないけど、もう全員が何が起きたかわかってしまう防ぎようの無いネタバレが席巻していた。呪術廻戦もネタバレにもそこまでこだわりは無いから「あらま~」という感じだが、世には今まさにバチギレしている人がいるのかもしれない。まだ見かけていないだけで、この町のどこかにいる可能性がある……怒りの獣が……。


・頭が痛~い。今日は比較的早い時間に食事とシャワーを済ませられたのでたまっていた作業をしようと思っていたら、机に座った瞬間頭に締め付けられるような痛みが走った。「頭痛ーる」を見ると、ちょうど22時頃から「注意」のアイコンに変わっていた。正確だなあ!!!!おい!!!!!

・夜に頭痛が発生した時は薬を飲むのを躊躇う。言ってしまったらこのあと寝るだけだからな。しかしこのままでは今日も作業が進まない。とりあえずしんどいので横になったらそのまま寝てしまった。


・人通りのない林に全裸でガーターベルトを付けた集団が現れて逃走中、という白昼夢みたいなニュースを見た。彼らはどこから現れてどこへ消えたのか。

・1人ならそういう変態が現れてもおかしくないし、過去に実在しそうではあるが、20人。20人だ。桁が違う。ちょっと少子化の進んだ地域の1クラス分だぞ。全裸ガーターベルト2年A組。

・人通りのない林の中だから、ひっそりと趣味を共有するサークルだったのだろうか。普段は家の中で各々全裸ガーターベルトになっていたが、ある日20人はお互いを認知する。掲示板だろうか。

「【ゆる募】全裸ガーターベルト」

・そうして集まった20人。何回目の集いなのかは不明だが、もしかしたら何回かは屋内、例えばメンバーの家や、貸し部屋などで全裸でガーターベルトを付けていたのかもしれない。ある日メンバーの一人が言った。

・「外に出てみないか?」

・プロフェッショナルだったらここだけ黒背景に白字の明朝体でポーン、という音が鳴る。

・もちろん反対する人もいただろう。1人で無いとはいえ、見つかれば全員逮捕される。ただ、集団の心理とは時に恐ろしく「いいね」「やろう」と声が上がった。逮捕されるかもという恐れより、己の欲求を発散したいという思いが集団の上に形成され、あっという間に決行の日は来た。

・人気のない林に、ひとり、またひとりと消えていく。林の奥では、ガサ……ガサリ……、と控えめな布擦れの音が、次いでカチャ……という金属音が響く。

・最初は全員全裸でガーターベルトをする予定だったが、どこからともなく「俺……全裸で行こうかな」と言い出したやつがいた。一瞬静まり返った林には、鳥の鳴き声に混じって、ゴクリと息を呑む音が妙に大きく聞こえた気がした。

・結果的に10人が全裸にガーターベルト、10人が全裸になった。

・男たちは顔を見合わせると、一斉に散り散りになって林の奥へ駆けていく。ある者は木に登り、ある者は地面に寝ころび、全身に太陽の光と風を浴びた。全裸なのでスマホもカメラも持っていない。何の記録も残さない。この一瞬の開放感があればいい。全裸ガーターベルトの男たちは雄たけびを上げた。

※事実を元にしたフィクションです。


・昼間ニュースを見た時は人気の無い林だったのに、今見たら海岸になっていた。海岸かあ。比較的裸になりやすい場所ではある。集団がいるな~と思っていたら全裸で「え!?全裸じゃない?」と驚きそう。警察が来た時にはすでにいなくなっていたらしい。白昼夢か?

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