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コマンドB「おろす」(2024年9月29日の日記)

・湿布が背中の皮膚をスースーさせている。今日はよく眠れそうだと思ったけど、案外眠くないな。

・今日も死ぬほど物を運んで引っ越しを手伝ってきた。終わった。空になった部屋を見て、引っ越しって終わるんだと思った。

・空になった部屋と、運んだ荷物でぱんぱんになった新居を見る。わたしは運ぶだけで終わりだけど、明日からはこの山を崩す作業が始まるのだ。そっちの方が嫌だな。片付けには締め切りが決められていないけど、そのぶんいつまででも片付けていられてしまうし、これをあっちにやってこれをこっちに……みたいなことを考え続けないといけないのもしんどい。運ぶだけなら脳死で運べるからな。しかし重い物を床に下ろす時の体の悲鳴がものすごい。腿くらいの位置から下の重力を2分の1にする能力を得たい。そうしたらその位置で手を離せばゆっくり下に降りていくはずだ。

・色んなものを運ぶ中で「これ要る?」みたいなものがいくつもあった。引っ越し本人も「こんなもん取っといても仕方ない」と色んなものに言っていた。引っ越し前に整理しておけば良い、と思うのは簡単だけど、物事はそううまくは運ばない。今後、荷ほどきの作業中に「何を捨てるか」の審議も挟まることになるのか。変にアドレナリンが出て「あれもこれもみ~んないらない!」となることがあり、ぽんぽん物を捨ててしまうことがわたしもあるんだけど、たまに本当に捨てない方が良かったものまで捨ててしまうことがある。

・人から「こんなもん取っといても仕方ない」と言われた物たちを一同に集めて展覧会をしたい。どんな年齢のどんな職業の人が「こんなもん取っといても仕方ない」と思ったのか、それがどんな物なのか、案外面白いんじゃないのかな。きっとその中にはエルメスのバッグとか、ダイヤモンドの指輪とかもあって、普通の人は「これは要るだろ」と思うのに対し、ダイヤモンドを要らないと言った人が、古びた書きかけのノートの束を見て「これは要るだろ」と言ったりする。展覧会の帰りに、自分だったら何を「要る」と思ったのか、自分も「要らない」と思ったのかのアンケートも取りたい。「こんなもん取っといても仕方ない展」、出資をお待ちしております。

これは

・要らないとも言い切れないけどちょっとでかくない?

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