バッボンブシュウン(2022年11月23日の日記)
・ついに電子レンジが壊れたようだ。前々から電子レンジの挙動のおかしさは書いていたんだけど、数日前から使用してない時でも蓋をしめると異音がするようになっていた。
・まあ普通に使えているし、蓋を閉めなければいい話かなと思っていたが、昨日スープを温めた後にすぐ取り出さず数分そのままにしておいた。するとレンジ内から「バッ……ボン!」という音がした。続いて「ブシュウン」という音。
・「バッ……ボン」と「ブシュウン」である。およそ加熱が終わった汁物が発する音ではない。蓋を開けると、水蒸気でびしょびしょになったレンジ内にマグマのようにぼこぼこと音を立てるスープがあった。入れた時よりもだいぶ嵩が減っている。スープに入れていた卵は何か火山岩みたいな見た目になっていた。
・おそらくダイヤルを回していなくても、蓋を閉めれば無限に物を温め続けるようになってしまっていたようだった。危険すぎる。わたしが異音をうるさいと思うタイプでよかった。特に気にせず蓋を閉め続けていたら、いずれターンテーブルをぶっ飛ばして火災になっていたかもしれない。
・かろうじて汁気の残っていたスープは、煮詰まってめちゃくちゃしょっぱくなっていた。しかし自分への戒めのために食べた。ちょっとプラスチック臭かったのはタッパーが溶けていたのだろうか。
・朝の出来事だったので、これまで通り蓋を開けて外出したが、外出先でコンセントを抜いてくるべきだったと思った。今は蓋を閉めれば発動する無限マイクロ波ボックスだが、何かの拍子でいつでもどこでも無限マイクロ波ボックスになる可能性もある。電気の供給を止めておかないと危険だ。一日中、管理会社から火災の連絡が来ないかとひやひやしていたが、家に帰ったら蓋を開けられた電子レンジが静かに待っていた。わたしは冷蔵庫のストックごはんを温めたあと、コンセントを抜いた。
・このタイプのストロー初めて見たな。最初から曲げられている。ただ、曲げられた先の部分がだいぶ長いので、パックジュースの全長とのバランスが取れていなくて不恰好だった。同じジュースを飲む知人の横からのバランスの悪さを、これは逆に芸術的だなと思った。何でもない風景の中にひとつ投げ込まれた違和感。それがストローの長さだ。
・でっかい荷物を運ぶ日に限って雨だ。荷物を背負って傘をさしたが、全然後ろを守れていないと言われた。何なら自分は濡れてもいいと思って傘を思い切り後ろに傾けていたのに、それでも全然入っていなかったらしい。人間も荷物も守れず、虚無の存在となった傘だ。
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