山から落ちる日(2023年11月18日の日記)
・山だ。
・この時期の山への道行きは紅葉していて見ごたえがある。ああ、でも春も桜が至るところに咲いていて良いし、夏は木のぎらぎらした緑が良い。そもそも山自体が生命力の塊だから冬以外は大体ぎらついてるのか。生命力が煽り運転してくる。
・途中で風花とも雪ともつかない白いものが大量に降って来た。フロントガラスに乗ったものをよく見たら、氷に近い雪だった。
・目的地について「もう雪なの」と言ったら「初雪だよ」と返ってきた。初雪の日に来ちまったぜ……。
・積もりはしなかったけどしばらく降っていたし、日が沈む前に帰ろうと思っていたら結局17時すぎになって外は真っ暗になっていた。天気予報は外気温を0度と知らせている。
・寒すぎる!!!!!!何というか芯から冷える。体の中心の中心まで刺しこむような冷たい空気に、本気の冬が殴りかかってきていると感じた。「ウィーウィッシュアメリクリスマス!」と叫びながらサンタクロースが殴りかかってくるネットの画像を思い出す。そんな感じだ。奥歯が自然とガチガチ鳴り、膝から太ももまでがちょっとおかしいくらいに震える。制限の効かない震えに足の筋肉が攣りそうだった。上半身はそこそこに枚数を着こんでいるものの、下は薄いナイロン製のズボン一枚だったから防御力が低かったのも原因だろう。
・もう日が落ちてしまったので関係ないかもしれないが、これ以上気温が下がって道が凍結する前に帰ろうと車に乗り込む。エンジンをかけたら、昼間に雪が降っていた時につけていたウインカーがそのまま動き出した。バリバリバリという音がする。フロントガラスの水分が凍結していたらしい。
・若干の危機感を感じつつも暗い山道を走り出す。ノーマルタイヤなので目に見えて凍結しているようなら、無理して帰らない方がいい。進行方向と道路の様子を見ながらゆっくり走り、自分が一瞬あとには車ごとくるくると回って斜面から滑落するかもと想像した。土日なのもあって走る車も多かったから道はある程度乾いていて無事に帰れたものの、次に来るときまでにはスタッドレスを履かないと今度こそ山から落ちるだろうなと思った。
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