プロゲーマーに個人的に期待している事
さっくり言えば、プロゲーマーはメインタイトルでないゲームに手を出して配信する際に、カジュアルなプレイをしても否定しないが、その後にゲーマーであることを示してくれ、それは最低限、プレイしたゲームに対するリスペクトを示すことでもある。リスペクトってなんだ。スーパープレイか、レコードタイムか。ゲームを楽しみ遊び倒すことだろ。ってことを書いてる。
それと、ここでいうプロゲーマーとは、主に格ゲーのプロを指す。俺がプロの配信と言えば格ゲーばかり見ているからだ。また格ゲーの定義はしない。ゲームのジャンルはグラデーションを描いて明確な線引きは困難だと考えているからだ。
今年はコロナ禍によるプロツアーの延期など、プロゲーマーには苦しく、また試行錯誤の時期だったと思う。そのため常と異なる環境下での配信であったことを理解しているし、プロであってもコロナによって受けた不安やストレスは大多数の人達と変わらない。メインタイトルに対するモチベーションの維持も、個人差はあれ難しいものであることも理解できる。ツアータイトルをプレイすることは、人によってはそのままコロナの不安と直面することでもあるだろうし、オンライン大会や国内の大会もあるからといって、去年までのメンタリティで居られるとは限らない。そのような状況下で、どのチャンネルを視聴するか迷うほどに配信し続けてくれたことはありがたく、日々を生きる支えにしていたパンピーもいるはずだ。2D勢と3D勢の交流、新シーズンの調整点、新キャラの解説動画、最新の格ゲーを通じた出身ゲームの違う猛者たちの対抗戦(プロに限らないが)、すべてを把握しているわけではないけれど、格ゲーに限らず、レトロゲーム、Project Winer、Jump King、どれもプロゲーマーのいなかった時代にはない豊かさで、日常に欠かせない文化になりつつあると思う。
しかしプロが専門外のゲームを配信する時、そのゲームとプレイヤーに対するリスペクトが欠けていることがある。メインタイトルほどやり込まないのは百も承知だが、例え至らずとも、ゲーマーとしての姿勢を見せてほしい。
もちろん、単にゲームであるという雑なくくりで、いくらジャンルがグラデーションを描くとは言え、まるで畑違いのゲームをプレイすれば、普段の様なやり込みを見せることは難しいのはその通りだ。ゲーセン育ちのゲーマーなら、家庭用ゲームの経験が無いケースもある。であれば、ジャンルに共通する操作や画面情報のお約束など、全てを0から始めるのは難しいこともわかる。そうでなくてもゲーム配信をしていれば、プレイ内容ではなく、プレイヤー個人がクローズアップされる配信があるのも当然のことだ。
だがゲームのプロであるならば、取り扱うゲームへのリスペクトは示して欲しい。その第一歩は、まるで罰ゲームの様にプレイしてるゲームにも、ガチ勢や愛好家がいると知ることから始まる。もちろんゲームの遊び方も、配信の楽しみ方も自由だ。しかし発狂芸や顔芸に終始し、その先へ向かう姿勢を見せられなければ、そこにリスペクトは無い。
確かに、高難度ゲーム初見プレイによる悶絶は面白い。だが初見プレイの面白さは顔芸だけではなかったはずだ。初めてのゲームに対する試行錯誤、難所に対する攻略を、思考を言語化して実行する。そのトライ&エラー、実現するための操作テク、ゲーム制作者とプレイヤーの対話もまたゲームの面白さであって、それはゲーマーだからこそ魅せることができるのではないか。
繰り返しになるが、プロゲーマーがカジュアルに楽しむことを全く否定しないし、俺も楽しんで見ている。ただ、配信するゲームに選んだのなら、ゲーマーのプライドにかけて、ゲームを正面から遊んでほしい。