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ついつい引き込まれちゃったよ。

ある休日の昼下がり。

コーヒーでも飲みながら先日購入した小説を読もうといつものカフェに入った。
好きなカフェの好きな席で好きな本を読む時間はやはり至福の時だ。
たまに眠たくなったら、本を置いて昼寝だってしちゃう。
そんな時間、空間がたまらなく大好きだ。

そんなある時。
僕の隣の席に二人組のおねえ様達が席に付かれた。
別に特段おかしなことではなくありふれた日常の景色である。
僕の楽しい読書の時間は継続される。
しばらくすると物語の世界に入り込んで集中している僕を現実の世界に引き戻してくれた。 

おねえ様達のトークによって。
大阪のおねえ様達だ。

しばらくは本の世界と現実の世界を行ったり来たりしていたのだが、なんだか気になって読書に集中が出来ない。
なぜなら、お二人のトークは一瞬たりとも途切れることがなく炸裂されているからだ。

圧倒的なパワー!

一体何を話しているのだろう。
本に栞を挟んでテーブルに置きちょっと意識をそちらに向けてみる。
つい1分前に話していた話題がもう変わっている。
目まぐるしい。
息継ぎをするタイミングがよくわからない。
話題が変わる瞬間、つなぎ目もわからない。
凄いきめ細やかなグラデーションだ。
美しい。 

人と話すことがそんなに得意でない、人見知りの僕からすると本当に不思議で仕方がない。

僕なんかは人と話しをする時は頭の中で何をどう話そうかと考えてから話すのだが、このおねえ様達は恐らく息を吸うのと同じくらい無意識で話しているのだろう。
この方達の脳と発生のメカニズムはどうなっているのだろう。
その技、スキルがあればとても人生楽しそうなので、本気で質問をしたいと思っているが、変な奴と思われるので絶対に出来ないのだが。
気がつくと僕は意識だけで無く、身体ごとおねえ様の方を向いている。
完全におかしな奴だ。 

そうこうしているうちに満足したのか、おねえ様達は席を立ち去っていった。

このお二人も当然ながら日々の生活では、それぞれ色々な出来事が起きているはずだ。
楽しいこともあれば嫌なこともあるだろう。
だけどこの瞬間だけは、二人ともとても有意義で楽しい時間を過ごされていたと思う。 

キラキラと輝ける時間。

そんな時間が僕にもあるのだろうか。

と、考えさせられた休日の昼下がり。

さ。
物語の世界に戻ろう。

肱垣ロア

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