2022年2月21日のTOKYO854の放送内容です|Blooming Days -日々是好日-|倉嶋桃子
みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。
次回の放送日は2/21。
この日の出来事を見てみると、901年、貴族であり優れた学者であった菅原道真が、異例のスピードで出世をしていたことをよく思っていなかった人たちによって、京(現在の京都府)から大宰府(現在の福岡県)へと左遷され日とのこと。
菅原道真といえば、子どもの頃から「梅」が好きで、すでに5歳の時には、
「梅の花 紅の花にも 似たるかな 阿呼がほほにも つけたくぞある」
(梅の花の色は、紅の色に似ている。阿呼(菅原道真の幼少期の名前)の頬にもつけてみたい)
といった、梅の花の歌を詠んだそうです。
また、京を去る前に自宅の梅の木に対しては、
「東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ」
(東風が吹いたら(春が来たら)芳しい花を咲かせておくれ、梅の木よ。大宰府に行ってしまった主人(私:菅原道真)がもう都にはいないからといって、春の到来を忘れてはならないよ。)
このような歌を詠み、別れを悲しんだというエピソードなど、梅をこよなく愛したことでもよく知られています。
梅は別名、好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、木の花(このはな)、初名草(はつなぐさ)、香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、匂草(においぐさ)などがあり、名前からも連想されるように、春を感じさせる良い香りのする花が印象的です。
この梅の花の香りですが、匂いの成分がはっきりせず、長い間、再現が難しいとされていましたが、日用品大手メーカー「花王」が、2010年に自然のままの梅の香りを採取して解析し、調査の結果、開花直後の朝が最も香りや強く、新鮮な香りを放ち、白梅と紅梅とでは香り成分の違いがあることがわかりました。
特に紅梅より香りを強く感じる白梅の主成分には、「酢酸ベンジル」という化合物が含まれており、この香りには、精神を高揚させ、多幸感をもたらす効能が期待できると言われています。
地域によっては梅の花が咲いたとのニュースがぼちぼち出始めました。
まだ気温が低い時期に、いち早く春の訪れを知らせてくれる梅の花の気品ある花の姿と香りに、あの菅原道真も癒されていたのかしら…と想像しながら梅の花を眺めると、古き時代に思いを馳せつつ、より深く季節を楽しめるような気がします。
さて、今日のBlooming Days-日々是好日-は、防寒対策としても欠かせない、秋冬の定番ファッション・アイテム、「ニット・セーター」をテーマにお送りしました。
本日の放送内容
番組内のトークの合間に挿入された楽曲は、Spotifyのプレミアムプランのユーザーであればフル再生、無料プランのユーザーは30秒まで聴く事が可能です。また、スマートフォンもしくはデスクトップアプリからのみ再生が可能です。ブラウザでお聴きになりたい方はプレリストをおためしください。
本日のプレイリスト
皆様からのメッセージをお待ちしております
番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。
番組で取り上げた内容のご感想など、ぜひお聞かせください。
番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない場合がございますが、なにとぞご容赦ください。
今週も皆様にとって素敵な1週間になりますように。
参考資料
天満宮に梅があるのはなぜ?太宰府天満宮の飛梅伝説とは? – 日本文化研究ブログ – Japan Culture Lab
https://jpnculture.net/tenmangu-ume/
うめの開花日 生物季節観測 | お天気.com
http://m.otenki.com/kisetu_seibutu_main.htm?life=%82%A4%82%DF&pagetitle=%82%A4%82%DF%82%CC%8AJ%89%D4%93%FA
可憐な香りでヒーリング効果も!「古来より愛される梅の花ヒストリー」 – P.P.Clubブログ
https://ppc.yaku-job.com/blog/detail_63/
花王独自の香り解析技術で、梅の花の香りを分析 | 花王 | JPubb
https://www.jpubb.com/press/133687/
酢酸ベンジル – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%A2%E9%85%B8%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%AB
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