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高橋浩一・小山龍介|コロナ時代の営業活動 顧客との共創関係と「心の住所」

先日、『無敗営業』の著者として知られるビジネスコンサルタントの高橋浩一さんをお迎えして「コロナ時代の営業活動」をテーマに対談しました。コロナ以後は、これまでのような営業スタイルは通用しなくなり、より科学的、より論理的なアプローチが求められるようになってくると思っていました。

ところが高橋さんとの対談の中でわかってきたのが、そうした論理的アプローチというよりも、一緒にソリューションを作り上げていく共創的なアプローチこそが、これから重要になるということでした。

営業する側、される側という二項対立が解消されて、ともに新しい取り組みをしていく同志として、同じ立場から問題に取り組む。そうしたアフターコロナの営業像が見えてきました。(小山龍介)

コロナによる営業活動への影響

小山龍介(以下:小山) 高橋さんのお仕事的にはコロナの影響ってどうですか?

高橋浩一(以下:高橋) ビジネスとしてはストレートに受ける業種です。ただ研修をオンライン化するとか、あるいはもう少しコンサルティング的にっていう形で、お客様周りの対応を進めています。むしろ弊社のお客様側、営業組織持っている方はみんなすごい大変です。カオスですね。

小山 訪問しようと思っても来ないでくださいって言われますよね。

高橋 営業組織は、マネジメントのやり方も伝統的なやり方、顔を合わせて上司と部下と引き連れて行動したりとか、訪問してなんぼ、みたいなところが、けっこう根強く残っているところって多いんです。

小山 いまコロナの状況について、いろんな人がいろんなことを言っています。ワクチンができるのかできないのかとか、薬ができれば大丈夫だとか。実はこの状況は長く続くんじゃないか、とも言われています。ハーバード大学の予測で、2022年まで収束しないという話もあって。

われわれとしては、この状況が続くという前提のなかで、営業活動自体をシフトしていかないといけない、それをどうやってシフトさせればいいのか、ぜひ伺いたいなと思います。ここまでの2ヶ月前くらい、高橋さんには何か発見がありましたか。

高橋 そうですね、すごくギャップが広がっているなと思っています。いくつかの軸があるんですけど、まず法人営業やBtoBの世界でいうと、大手企業と中小企業とベンチャー企業とで、3つが全く違う世界という感じです。

大手企業さんでは、この体制のなかでどうするかとか、在宅にするかしないか、お客さんから今日ようやく他の人と接しない環境で自分の仕事する部屋が整いました、みたいなメールを頂いたり。大企業は動きがずっと止まってますよね。

対極はベンチャー企業で、とくにこういうご時世でいちばんやりやすいのは、インターネット系のベンチャー企業だと思います。仕事のやり方もあまり変わらないし、逆に世の中が止まっている、他が止まってるからむしろすごい回転している印象です。

小山 中小企業はどうですか。

高橋 中小企業は意外とあんまり今までと変えていない。訪問もしているし、地方の会社さんでもまだあんまり変わらないかなという印象です。

小山 弊社もしばらくはアポイントが取れていたんですけど、この4月に入って軒並みキャンセル、もしくはオンラインでZOOMでの営業が始まりました。

オンラインの特徴をおさえつつ営業活動に活かす

小山 対面での営業とZOOMでの営業はずいぶん違いますね。相手の顔が見えてればまだいいですが、やりにくいのが、先方がビデオを切っているケース。相手の年齢も不詳だし、どういうリアクションしているのかもわからない。そんななかでどういうことに気をつけたらいいんでしょうか。

高橋 オンラインだからといって特別視する必要はなくて、大事なポイントは変わらず、加えて、オンラインならではの部分もあると思います。ただ、まだ、オンラインに向いている状況、向いていない状況がちゃんと整理されているケースが少なくて、なんとなくオンラインでと言われてるから、オンラインでやらなくちゃ、みたいなのが現状ですよね。

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