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小山龍介のイノベーション・トーク

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イノベーション人材が育つ‹場›についての講演や対談をお届けします。
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#哲学

小山龍介講演|アートがひらくビジネスモデル

今日最後の講演になりました。一日の講演の整理になれば、と思っています。[注1]タイトルは「アートがひらくビジネスモデル」。オリンピアのテーマは「アートがひらくイノベーション」。一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会として、「ビジネスモデルをどこに位置づけるのか」をお話ししたいと思います。 建築物から労働の喜びを見出したジョン・ラスキンまずは、ひとりの人物からスタートしたいと思います。2000年ごろから注目されている、もともとは美術評論家で、いまは経済学者として、また、

ビジネスモデルにまつわる循環とダイナミズム―ビジネスモデルオリンピア2018講演

哲学の歴史を少し紐解いていくと、「実存主義」というのがあって、「実存は本質に先立つ」という言葉から現代の哲学がスタートします。「犬はこうである」という、そのものがもっている本質がありますよね。猫の本質とか男性、女性、それぞれ本質というのがある(と一般的に考えられている)。 しかし実存主義では、現実の存在(実存)というものがまず先にあって、本質に関わらず自分の生き方次第で人生は変えられるよ、というんです。この実存主義は、特に1960年代、70年代、学生たちを政治運動へと駆り立