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小山龍介のイノベーション・トーク

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イノベーション人材が育つ‹場›についての講演や対談をお届けします。
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2019年8月の記事一覧

オントロジーとしてのビジネスモデル・キャンバスと競争優位の5つの階層ー近藤 哲朗・小山龍介対談『ビジネスモデル・ビジュアライゼーション』(2)

近藤哲朗氏の講演に続いて、ビジネスモデル学会プリンシパルの小山龍介から、ビジネスモデル・キャンバスについての紹介へと移った。(文・小山龍介、撮影・片岡峰子) 小山龍介:近藤さんの話を受けて、ここからはビジネスモデル・キャンバスの説明をしていきたいなと思います。これが、9つのブロックで構成されるビジネスモデル・キャンバスです(下図)。近藤さんの説明を借りるなら、右側には「誰に対して何を」というマーケティングの話が入ります。左側には、「誰がどのように」というエンジニアリングが記

ビジネスモデルを動態的システムとして捉えるにはー『ビジネスモデルダイナミズム』

AmazonやNetflixのビジネスモデルを見ていくと、将来的にこうなると予想もしていない、ある種のダイナミズムが起こっています。まるで「赤ちゃんが大きくなって成人して、仕事に就く」かのような生命的な動きをしている。このことを「ダイナミズム」と呼んでみよう、とそう思ったのがきっかけです。 AmazonやNetflixは最初からこうなることがわかっていたのか? たとえばAmazon。最初は世界最大の書店と言われて、また自分たちもそう呼んで、最初は本だけを売っていました。なぜ

ビジネスモデルに革新をもたらす「逆説の構造」とビジネスモデル図解ー近藤 哲朗・小山龍介対談『ビジネスモデル・ビジュアライゼーション』(1)

ビジネスモデルの議論はえてして、空中戦になりやすい。それは、経営上のさまざまな要素が複雑に絡み合っているからである。複雑な構造体を議論するための共通言語として、「ビジネスモデル・キャンバス」が開発され、多くの企業で採用されている。また、ビジネスモデルを図解する動きとして板橋悟によるピクト図解や近藤哲朗によるビジネスモデル図解の手法が登場した。 ビジネスモデル・キャンバスが構造の可視化であるのに対し、こうした図解は取引関係やカネ・モノ・情報の流れなどの、プレイヤー間の広義のコ

「写真でまちを楽しくする!」写真家MOTOKOさん講演|神戸大学丹波篠山Lab&FS ラボ・オープントークvol.13より

2019年9月8日に行われる「ローカルフォト丹波篠山」に先立ち、8月9日、ローカルフォトを主宰する写真家のMOTOKOさんをお呼びしてのトークイベントが行われた。ローカルフォトによってどのように地域が変わり、そこに住む人たちが変わっていくのか。写真のマジック、撮影によって起きるミラクルについて、熱く語っていただいた。(文・田口郁子、構成・小山龍介)   ーーーまず初めに、MOTOKOさんに、地域にカメラを向け始めたきっかけと、ローカルフォトという活動についてお話しいただいた。