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Bloom Notebook

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魔女が開く扉 安田早苗論 アライ=ヒロユキ (美術・文化社会批評) 2022.5.3-15 黄色い魔女が咲く @ギャラリーパリオ

 「魔女」という、アニメや映画以外では耳慣れない概念を作品テーマに取り組んでいるのが、アーティストの安田早苗だ。なぜ魔女か問う前に、まずはこれまでの作品を概括してみよう。彼女の作品を縦貫するモチーフはふたつある。自然とコミュニケーションだ。  まず安田の代表的な表現は「芽が出るプロジェクト」だ。これは作家サイトから引用しよう。  幾つかの論点が読み取れる。「メールアート」の一種。風という偶然性が伴う。媒介物は植物。「返信」は受け取った人の「植物画」という解釈、あるいは自然

安田早苗の絵画 三上豊 美術書編集者 2021.3.13-28 悪夢に咲く @ロクの家

 2021年3月13日、千葉県は銚子に安田早苗さんの展示を見に行った。数カ月前にお声がかかり、展示会場では、ミニマルアートとか新表現主義などについて、私感を述べさせられた。会場は木造2階建ての旅館を改造し、アトリエであり、展示場であり、アーティストレジデンスとしての機能をもつ「6の家」と名付けられた空間で、宮内博史さんが1年以上をかけて改築した建物である。特に宣伝をしているわけではなく、知る人が少しづつ増えるなり、来訪した人が気にしてもらえればいいような、のんびりした、軽みを

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