明鏡天命-十干の女神の誕生-

太古の昔、世界が形を成す前、
創造神は五つの根源的な力を生み出しました。

それぞれが一柱の女神として具現化し、
世界の基盤となる五行を司ることとなりました。

木の女神アルボレア、火の女神イグニス、土の女神テラ、金の女神アウルム、水の女神アクア。

この五柱の女神たちは、
世界の根幹を形作り、その循環によって自然の秩序を生み出しました。

しかし、世界はまだ完全ではありませんでした。
創造神は、より繊細で多様な調和が必要だと感じたのです。

そこで創造神は、
五行の女神たちのそれぞれから
二つの側面を抽出し、

十人の姉妹として
新たな女神たちを生み出しました。

これが十干の女神たちの誕生です。

木の女神からは、
樹木と花が生まれました。

火の女神からは、
太陽と月が生まれました。

土の女神からは、
山脈と田畑が生まれました。

金の女神からは、
鉄と宝石が生まれました。

水の女神からは、
海と雨が生まれました。

こうして、世界は五行の根源的な力と、
十干のより繊細な力によって形作られるようになりました。

五行の女神たちは大きな円を描いて踊り、
世界の基本的な秩序と循環を生み出します。

その踊りに合わせるように、
十干の女神たちはより小さな円を描いて踊ります。

時に二人一組となって踊り、
時に独自の動きを見せます。

木の女神から生まれた樹木と草花は、新たな生命の誕生と成長を司ります。

火の女神から生まれた太陽と月は、情熱と内省のバランスを保ちます。

土の女神から生まれたテラフィルマとフェルティリアは、安定と豊穣をもたらします。

金の女神から生まれた鉄と宝石は、秩序と多様性の調和を図ります。

水の女神から生まれた海と雨は、知恵の深さと変化の流れを象徴します。

五行の女神たちの大きな動きと、
十干の女神たちの繊細な動きが織りなす複雑な舞は、世界の調和と神秘そのものを体現しています。

季節の移り変わり、昼夜の循環、
生命の誕生と成長、自然界の様々な現象、
そして人間の運命さえも、

この壮大なワルツによって
紡ぎだされるのです。

時に、ある要素が強くなりすぎると、
世界のバランスが崩れかけることがあります。

しかし、他の女神たちがそれを察知し、
自らの動きを調整することで、
再び調和が取り戻されます。

これは終わりのない、
永遠の輪舞なのです。

人々は、この神秘的なワルツの
一部始終を見ることはできません。


しかし、自然の中に、また自分自身の中に、
この調和の反映を見出すことができます。

賢者たちは、
星々の動きや自然の変化、
そして人々の運命の中に、
女神たちのワルツの痕跡を読み取ります。

明鏡天命は、この壮大なワルツを理解し、
個々の人生にどのように影響しているかを読み解きます。

それは単なる占いではなく、
世界の神秘と調和を理解し、
自らの人生をより良いものにしていくための
叡智なのです。

人々は、自分の生まれた日に応じて、
特定の女神たちの影響をより強く受けています。

しかし、全ての要素のバランスを取ることで、
最も調和のとれた人生を送ることができます。

この神話は、世界の複雑さと美しさ、　
そして全てのものが繋がっているという真理を伝えるために書いています。

私たち一人一人が、
この壮大なワルツの一部であり、
同時にその観客でもあるのです。

明鏡天命-五行の女神と十干の女神の誕生-