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イマージェント・スパークルピューパ

鬼才、ゲイリー・ラフォンテーヌの
代表作の一つ、
イマージェント・スパークルピューパを
ご紹介します。

このフライはカディス、つまり
トビケラのピューパ、
いわゆるさなぎが
羽化するときの状態を
模したパターンです。

ボディ本体となる、
アンダーボディを
ベールのように包み込む
アントロンのような
化学繊維のオーバーボディで

ピューパの体の周りを包む
ガスの層を模した
優れたカディスイマージャーの
パターンです。

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カディスのピューパを
取り囲むガスの層は
現在では割とよく知られたことですが、

このフライが考案された
1974年前後では、
このようなことは
まだあまり知られておらず、

おそらくこのフライは
そのガス層をフライで
表現しようとした
最初のものだったのではないか
と思います。

彼はこのフライの開発のために、
アクアラングを身に着けて、
川に潜り、
水中からの観察を
つづけたそうです。

そんな彼の執念、
行動力、発想力がうかがえる、

実に画期的で、
効果的なフライです。

レシピ

基本的なレシピをご紹介します。

フック

スタンダード ドライフライフック #6~#20

オーバーボディ

スパークルヤーン

アンダーボディ

スパークルヤーンとファーを半々。
細かく刻みブレンドする。

ウィング

ディアヘア

ヘッド

ダビング材もしくはマラブー

考案者のことば

カラーは以下のバリエーションが推奨されています。

ブラウン&イエロー

イエローのアンダーボディと
ブラウンのオーバーボディ、
スペックルドディアヘアの
ウィングとブラウンのヘッドの
組み合わせ。

ブラウン&ブライトグリン

ブライトグリンのアンダーボディと、
ブラウンのオーバーボディ、
スペックルドディアのウィングと
ブラウンのヘッド。

ジンジャー

ジンジャーのアンダーボディと
オーバーボディ、
ライトタンのディア、
もしくはエルクのウィングと
ジンジャーのヘッド。

ダークグレー

ダークグレーのアンダーボディと
オーバーボディ、
グレースペックルドディアの
ウィングとグレーのヘッド。

これらが最も重要なカラーで、

ジャイアントオレンジセッジが
現れたら


サイズ#8のブラウン&オレンジ
(オレンジのアンダーボディと
オーバーボディ、
ブラウンスペックルドディアの
ウィングと
ブラウンのヘッド)


が効果絶大とのことですが、
これは日本のヒゲナガに
そのまま応用できると思います。

タイイング手順

タイイングの手順をご説明します。

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バイスにフックを固定します。

フックはスタンダードのドライフライフック。

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スレッドを巻き留めたら、
フックのベントまで
巻いていきます。

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シャンクの上側に
オーバーボディとなる、
スパークルヤーンを
巻き留めます。

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同様にシャンクの下側にも
これを取り付けます。

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スレッドにダビング材を
撚りつけ、
アンダーボディを形成します。

この長さは、
シャンク全体の
2/3程度にしておきます。

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オーバーボディの
スパークルヤーンは
ダビングコームなどで
ブラッシングし、
ファイバーをばらけさせて
おきます。

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オーバーボディを前に折り返し、
アンダーボディの先端部分で
巻き留めます。

シャンクの上側のヤーンは
シャンク上部半分を、
下側のヤーンは
シャンク下側半分を
それぞれ覆うように
取り付けます。

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ボドキンなどで
巻き留めたオーバーボディを
引き出し、
アンダーボディを
オーバーボディがふっくらと
包み込むような形になるように
調整します。

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こんな感じになります。

画像10

シャンクの上側の
オーバーボディを少量
アンダーボディの先端で
巻き留めた部分でカットし、
後ろになでつけ、
シャックとします。

画像11

こんな感じです。

画像12

オーバーボディの
余りはカットします。

画像13

ウィングとなる
ディアヘアをこのように
取り付けます。

画像14

スレッドに少量の
ダビング材をよりつけ
ヘッドを形成します。

画像15

ウィップフィニッシュをして完成。

このフライについて

このフライについて、
考案者のゲイリーは、

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