チャンスかフランクか、2016の煩悩

2020年なんか思ってたのと違うな〜とはや5ヶ月ですが、今年は開催予定のオリンピックが延期になったり、世界でも未曾有のウィルスが僕たちを恐怖に陥れています!(ステイホームは大好き)。未来を悲観しか今は多分できないので、過去を振り返ってみようと4年前の僕が成人した年にリリースされたヒップホップアルバムをシェアします。

Blonde / Frank Ocean  

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この年の夏、猛暑がピークだった8月に「Blonde」はリリースされました。毎日聴いていても飽きないピッチアップされた声、アルバム自体に二重構造の意味を持しているからこそ味の出るエフェクトや逆回転のサウンド、断片的な夏のサウンドを僕たちは忘れられない。そう思わせてくれる名盤です。そんな中でも一番大好きなのは"Nights"という曲。

このアルバムはファンの中でも二重構造で作られていると言われている。理由としてまず、フランクが自身のTumblr でこのアルバムは2つのバージョンがあると明記されています。あと気付いた方もいるではないでしょうか、アルバムタイトルには「Blonde」であるのにもかかわらず、アートワークの表記に至っては「Blond」になっていること。この小文字の"e"が入るか入らないかで意味が変わり、一般的に「Blonde」の場合は女性性を示し、「Blond」の場合は男性性を示しています。フランク自身、セクシャリティに関していえば初恋は男性であったりと自身の性的アイデンティティを示しているかのようです。さてさて、二重構造の実態は曲以外にもこのように読み取れますが、作中の中でもたくさんの重要なポイントが出てきます。その中でも"Nights"という曲ですが、アルバム全体が17曲で構成される中の9曲目がこの曲。この中の3:30秒目(全体は5:07秒)にビートが転換します。

それが二重構造の始まりです

というかフランク沼にはまる瞬間でもあります。アルバムの中の1曲の半分のところでアルバム全体を区切りで考えるとここがアルバムの30分:30分の分かれ目になっているのです。後半は無音のビート転換でその瞬間がとにかくとんでもない感情にしてくれます。そんな"Nights"含め、「Blonde」是非聴いてみてください。

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Coloring Book / Chance the Rapper

ちゃんず

夏が来るから海へ行こうよ〜(サマーソング by YUIより)とはまだ言えない4年前の5月にリリースされた「Coloring Book」はみんな大好きなんじゃないかな〜と思いますね。Chance the Rapper(以下チャノ)が作ったこのアルバムはグラミー2017での新人アーティスト含め計3つの賞を獲得しました。今年はビリーアイリッシュ一色であった中、偉大なるバスケット界のコービーの死が直前にあったりと少し暗かった印象でありました。2017年グラミーも中々裏側が凄かったのが懐かしいです。なぜなら前述したフランクの「Blonde」は2016年で最高傑作の中の一枚と言われているのにも関わらずノミネートもされていなかったからです。それには理由があり、フランクは選考の候補作品として提出しなかったからであり、

"That institution certainly has nostalgic importance," he said. "It just doesn’t seem to be representing very well for people who come from where I come from, and hold down what I hold down."              
"ノスタルジックな重要性があの団体(グラミーを主宰するナショナル〜以下略)には確かにあるが、それらを踏まえても自分たちがどこからきて音楽を作り、何を代弁しているかを分かっていないと思う"

また、カニエウエストはフランクオーシャンの「Blonde」がノミネートされなければ出席しない言っていました。ですがカニエの「The Life of Pablo」はグラミー2017のラップ部門でノミネートされており、且つ同郷(シカゴ)の後輩のチャノとノミネートを争っていた訳であり、なんともアイロニックな状況でしたね。と今改めて思います。

さてさて、そんなチャノさんのこの「Coloring Book」ですが、元々このアルバムはグラミーの選考規定には当てはまっていませんでした。このアルバムの音源がフリーで出されていたため(無料!無料!)それだと規定外になるので微妙だったのです。そんな中ビルボード誌に出した意見広告が話題になり、エンタメの重要性そして彼のセンスが認められ無事ノミネートされたという感じですね。(ビルボード誌の意見広告いくら出したんだよ〜チャノ〜〜)

チャノ

いや〜センスが最高に良い!!!!。そんでもってこのアルバム一曲目からカニエさんがクレジットされていたりと、11曲目の”How Great"で言えば、アルバム出す出す詐欺で僕たちを騙し続け、こないだ遂にアルバムを出したJay Eectronicaが客演しています。この"How Great"がとにかく良い!チャノ自身、10days(高校で停学になった時に作ったミックス)の時からスキルフルなラップにゴスペル要素を入れており、歌詞の中に多く”神”という言葉が用いられており、この曲の中では顕著に自身の宗教への想いや、自分のアイデンティティに関する思いが散りばめられている。

やっぱり音楽は最高だとなったstay home週間。先日、日本のラッパーkzmが新しいアルバム「Distortion」をリリースしました。僕が大好きなDaichi Ymamotoが客演の”Give Me Your Something"がかなりよくて最高です毎日聴いています。15曲目の「鏡花水月」は言わずもがな最高すぎです。

あいぜ

だって愛染隊長の斬魄刀の名前なんだも〜ん。ってことはですよこの曲はですねもう聴いてる段階でkzmというラッパーの虜になってしまいっているということなんですよね。

“解放の瞬間を一度でも見た相手の五感・霊圧知覚を支配し、対象を誤認させることができる「完全催眠」”である。作中では始解およびその能力発動時には既に相手は能力下にあり彼らがそれを意識することはできなかった。


                     




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