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再現マップと徒歩で見る江戸城と皇居

東京都千代田区のど真ん中、かつて天下の巨城があったこの場所は、天皇が住まう宮居となって久しい。そのため多くが秘匿の禁足地となる一方で多くが往時の姿を留め「特別史跡江戸城跡」として誰しもがここを訪れることができる。どうしたことか東京観光や修学旅行の候補地にもならないぐらい馴染みが無く、普通に生活していたら足を運ぶ機会なんて皆無なのだ。私自身東京に住んで18年も経つのに1度きりじゃないかと急に惜しくなり歩いてみることにした。
後述しますが、偶然立入禁止の皇居の中も、見学できちゃいました。




嘉永期の江戸城本丸(赤は現存)

城郭図の再現

今となっては城郭と石垣とお堀ぐらいしか残っていないのだけど、どうせなら往時を偲ぶことができる場所を少しでも見つけたいと思い、まずは全貌を把握するためにもアドビのイラストレーターを駆使し地図を作成してみた。
残っているものとしては、馬場先門・和田倉門・竹橋門を除いた外郭の櫓門が6つ、乾通り公開の時だけ見られる富士見多聞、一般参賀の時に見られる富士見櫓、そして普段から眺めることができる巽櫓などがありました。


皇居は4つのエリアに大別されます。まるで心臓の形にも見えます。

知られていない皇居の姿

地図で見ると旧江戸城本丸の皇居東御苑、旧二の丸下の皇居外苑、北の丸公園からなり、旧西の丸がいわゆる天皇陛下がお住まいの宮殿地区に当たります。宮殿地区以外、国家行事などを除きほぼ1年中誰でも自由に入場できます。ただし北の丸公園と皇居外苑が環境省の所管ですが、皇居宮殿地域に加え東御苑も宮内庁の所管で入場に際しては手荷物検査が実施されます。
そして実は、宮殿地区も一般見学できちゃいます!


現在の皇居の様子(ピンクが通常立入禁止)

本丸跡は入場禁止区域だらけ

本丸跡の東御苑では、旧二の丸部分の3分の2が、旧三の丸に至っては全域が宮内庁の建物で占有され立入禁止区域です。思っていた以上に入れる場所が少なく見えます。
このため、現存するのに桔梗門は通常非公開、巽櫓も皇居前広場の松の隙間から覗くだけ。ただでさえだだっ広い空き地と化してるのに、入れる範囲まで狭められ、もう見られるものも無くちょっと寂しいですね。でも、意外なものを見つけることができました!


一般参賀などで公開される長和殿

皇居の中、見学できちゃいます!

皇居ってどこまでなら一般入場できるか、気になりますよね。お正月や天皇誕生日の一般参賀と、春秋の乾通りだけが特別公開じゃなかったんです。
実は私、この記事を書くに当たってきちんとした情報元から調べようと思って検索していたところ、宮殿地区を一般見学できるということを知り、行ってまいりました!しかも当日受付枠が用意されているので、待ち時間があってでも見てみたいという方、思いついた時でも全然間に合います。
宮殿地区見学ツアーについての詳細は宮内庁の参観案内を、宮内庁庁舎や旧枢密院庁舎などの見学ツアーについては公益財団法人菊葉文化協会の皇居参観案内で開催日時・受付方法をご確認下さい。
日・月曜日はお休み、2024年からは定員が倍になります。


展望台からは左に神田、中央に大手町、右に丸の内が見えます

ガイドも教えない本丸の秘境

とっておきの見学情報以外にも、もう一つ隠れた名所があるので最後にご紹介ます。それがこの上の写真の場所。本丸跡広場にある本丸休憩所兼売店の建物裏に登るスロープがあります。
かつて台所前櫓としてあった台座部なのですが、現在では唯一の展望台として開放され、それ以外の櫓跡は公開されていません。城内のお堀はすべて垣根に阻まれ近づけないので、お堀を眺められるのはここしかありません。


おわりに

皇居を歩く 第1弾「再現マップと徒歩で見る江戸城と皇居」はいかがでしたでしょうか。初回として江戸城・皇居の全貌を把握できるようにしました。次回は特別な時にしか見られない皇居の姿を、それ以降も遺構や景観ポイントなど詳しく巡れたらと思っております。
もっとこういうところが見たかった!などご要望やアイデアなどありましたら、ぜひご教示ください。


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