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インサイト上達の極意は、他人ではなく自分の観察にあり

先日、ベンチャー経営者、マーケティング責任者、プロのシェフ、カオスな対談をいつもうまいことまとめてくださる編集者の方々と楽しく夕飯をご一緒させていただきました。

その場で上記の参加者達の間で飛び交っていた、鋭い人の心の洞察話=インサイトに触れていて改めて感じたことですが、インサイトが鋭い人というのは、結局のところ「人の無意識の領域を、意識的に客観視できる人」ということに尽きるなぁ、と。他人を観察したことで得たエピソードだけでなく、お酒に酔って自己開示される、ここでは書けないようなご自身のエピソードが異様に深く、面白い(笑)

仕事で腹が立ったり、嬉しかったり。恋愛でのしょうもない下心だったり、子供とのふれあいの中での嬉しい気持ちの揺れ動きだったり。そういった無意識レベルの心の揺れ動きと、それが顕在化した自分の行動を、もうひとりの自分が「おまえの心のツボはそこかい!」と直視できるかどうか。

そういう意味で、インサイトのプロ達は、”自分の心に潜む愛おしくもしょうもないバカげたホンネ”をよく知っている。そして、その深い自己理解が基盤にあるからこそ、他人の表層的な言動を手掛かりに、深く掘り下げて心のホンネまで理解できる面がある。

他人を理解する手掛かりとして、自分への深い理解が重要だな、と。

インサイト抽出のために、他人を考察するのも、教科書から体系的なプロセスを学ぶのも大事なことですが、そのベースにある基本的なマインドセットとして、自分の心のホンネといかに意識的に向き合い直視できるか。

ついでに言えば、しょうもない自分に直面しても、気持ちが落ち込まないだけの、強い自己愛も必要かもしれません(笑)

このような自分を直視する胆力が、インサイト力を高める上での大切な土台のような気がします。逆に言えば、その胆力なしにいくら教科書的なスキルを磨いても限界がある。

自分のホンネを知るコツですが、これはスキルよりも、ドロドロした心や、理想の自分像とのギャップがある残念な自分という現実を受け入れる勇気のほうが大きい。

インサイト力を磨くというのは非常に難しく、私も仕事柄よくご質問いただくので、ちょっと気づいたことをシェアしてみました。

ちなみに、蛇足ですが、恥ずかしながら、弊社の社名インサイトフォースは、まさに(顧客と経営への)インサイトがもたらす力という意味を込めてます。

ということで、私も毎日のように、しょうもない自分に気づき、軽く落ち込みながらも、自分に鞭打って頑張る日々でございます。

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