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書評「会社を変える分析の力」データ分析でビジネスに価値を生み出すためには


どーも、消費財メーカーでデータサイエンティストをやっているウマたん(https://twitter.com/statistics1012)です。

個人活動として、スタビジというサイトYoutubeチャンネルでデータサイエンスやビジネスについての発信をしています。

この記事では、「会社を変える分析の力」という書籍について解説していきます!

著者は大阪ガスにて10年以上データ分析業務に従事してこられた河本さん。
事業会社のインハウスデータ分析屋さんとしての経験をもとにデータ分析を使ってどのように既存ビジネスに変革を起こしていくかということが語られています。

このように社内を駆け回ってデータ分析から価値を生み続けている方のお話は説得力があります。

この本では専門的なデータの話はされていませんが、データ分析をビジネスに活かすために必要なことについて徹底的に語られている非常にオススメな書籍。

以下の動画でも詳しく解説しています!

データ分析の勘違い

まず、みなさんはデータ分析と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?

大量のデータから高度な手法を使って分析結果を算出する魔法のようなものをイメージするでしょうか?

河本さんは言います。

どれだけデータ収集して数値計算しても、問題解明につながらなければ、データ分析とは呼べない

そう、いくらデータを集めて高度な分析をしたところで、それが問題解明につながらなければただの趣味になってしまうんです。
この点をしっかりと意識しなければ、知的好奇心に翻弄されて、役立たないデータ分析に時間と労力を費やしてしまいます。

分析そのものは手段であり、どうビジネスを変えるのか・どのようにビジネスを変えるのか、という本質的な部分を見失っては分析は無意味。
ビジネスを変革する意思決定に寄与しないと分析の価値はありません。

分析の価値=意思決定への寄与度×意思決定の重要性
なのです。

昨今のデータサイエンスブームで、どうしても技術にスポットが当てられることが多いですが、実際のところデータ分析を活用できていない企業に不足しているものは、分析力によりビジネスを変革していこうというマインドを持つ人材。

データ分析を武器として携えながらビジネスという戦場に切り込みにいける人材が日本には必要なのです。
日本の既存産業には大きなポテンシャルが隠されています。

この既存産業を活かすか殺すかは、データ分析とビジネスを繋ぐ人材にかかっているのです!

データ分析をビジネスに活用するために必要なこと

さて、そんなデータ分析をビジネスに活用するためには、ビジネスに対する深い洞察が必要なことが分かりましたが、実際にどのような能力が必要なのでしょうか?

この書籍の中では、データ分析をビジネスに活かすためには
見つける能力、解く能力、使う能力が必要だと述べられています

見つける能力は、ビジネス課題の発見をする力。
分析に値するビジネス課題を発見・特定するためには、実際にビジネスをしっかり理解していないといけません。

ビジネスを理解するためには現場への徹底的なヒアリングや、自分自身がビジネスに責任を持ちコミットすることなどが必要になってきます。

続いての解く能力が分析の部分
分析ももちろん大事ですが、見つける能力が乏しいと結局インパクトのある分析はできません。
課題が不明確だといくら分析の力を高くても分析に落とし込めないのです。

最後の使う能力が、ビジネスへの実装・ビジネスへの意思決定
課題を見つけて分析をして、良い結果を出せたとしても、現場に実装できなくては意味がありません。
ビジネスへの意思決定に寄与できてはじめて分析の意味があるのです。

この使う場面で生じる壁は2つ
「費用対効果の壁」「心理的な壁」

1つ目の費用対効果の壁
いくら分析によって良い結果が出ていたとしても、それをビジネスに実装するためには

実装費用がかかります。
その費用に見合うだけのインパクトを出すことができるかが1つ目の壁なんです。

分析によって得た結果を使えば年間1000万円の効果を生み出すことができたとしてもその実装に5000万円かかるとなれば意思決定は難しいでしょう。

このように明確なインパクトを算出できる分析課題であればまだ良いですが、人材育成のためのデータ分析などそもそもインパクト算出が難しい分析課題はさらにこの費用対効果の壁が高くなります。

2つ目の心理的な壁
これはよく言われることでもありますが、従来のオペレーションをデータ分析の結果により変えようとした時に現場の抵抗に合うというもの。

確かに経験と勘でのオペレーションが機械学習モデルに置き換えられてしまうというのは、認めたくないことですし、抵抗する気持ちも分かります。

この壁を乗り越えるためには、いきなり全て実装するのではなく、一部置き換えてみるなど、徐々に現場に介入していき浸透させていくという方法が取られます。

これらの壁を乗り越えて、データ分析とビジネスを繋ぐことができるようになりましょう!

ここまでで、「会社を変える分析の力」について解説してきました!
この書籍では、一貫してデータ分析をビジネスに活かすためにはどうすればよいのかということが語られています。

河本さんは言います。

ビジネスを知らざるもの、分析者にあらず。

さらに

データ分析をビジネスに活かすためには、数学力もIT力もまったく必要ありません。必要なのは、ビジネスとデータへの関心、そして、データ分析でビジネスを変えたいと思うマインドです。
分析力と現場力の融合、データ分析から得られる知見と現場の勘と経験を融合することで、データの世界からビジネスに役立つ知見が生まれるのです。

ビジネスは土俵ではないからデータ分析に従事しようとするのではなく、ビジネスの現場を駆け回って自分もビジネスに介入していくことが
これからのデータ分析官に求められることなのです!
是非データからビジネスに価値を与えられる人材になってください!

それでは、本日の覚えて帰って欲しいキーワード!!

いってみましょう!
・分析の価値=意思決定への寄与度×意思決定の重要性である
・データ分析をビジネスに活かすためには見つける能力、解く能力、使う能力が必要である
・データをビジネスに実装する障壁として「費用対効果の壁」「心理的な壁」の2つがある

以上、データサイエンティストのウマたん(https://twitter.com/statistics1012)でした!

スタビジというサイトYoutubeチャンネルでデータサイエンスについての発信をしていますので、こちらもよろしくお願いします!

それではまた今度!
Let's statistics×bussiness「スタビジ」!



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