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書評「データ分析のための数理モデル入門」

どーも、消費財メーカーでデータサイエンティストをやっているウマたん(https://twitter.com/statistics1012)です。

個人活動として、スタビジというサイトYoutubeチャンネルでデータサイエンスやビジネスについての発信をしています。

データサイエンスにおいて必要な数理モデルを包括的に学ぶことができるのがこの「データ分析のための数理モデル入門」!

数式による解説を最小限におさえてイメージでつかめるようになっているため、初学者の入門書として最適です。

この記事では、この「データ分析のための数理モデル入門」について簡単に紹介していきますよ!

この書籍の大きな構成は以下のようになっています。

・第1部 数理モデルとは
・第2部 基本的な数理モデル
・第3部 高度な数理モデル
・第4部 数理モデルを作る

第1部で、数理モデルとはそもそも何なのかを学び、第2部では基礎的な数理モデルについて学びます。

第3部では少し高度な数理モデルが登場し、最後の部では数理モデルをどのように作るのかについて触れられています。

それぞれの部についてもう少しだけ詳しく見ていきましょう!

・第1部 数理モデルとは

まずはじめに第1部 数理モデルとは
第1部の章立てはこのようになっています。

第1章 データ分析と数理モデル
第2章 数理モデルの構成要素・種類

この部では、数理モデルとはそもそも何なのか、数理モデルに必要な構成要素、数理モデルを扱う上で注意すべきことについて学べます。

数理モデルとは簡単に言うと、観測できているデータから、ある事象を数式で表したものになります。

この部では、理解思考型モデリングと応用思考型モデリングという2つの考え方が登場しますが、統計学に端を発する、現状の構造把握を求めるスタンスが理解思考型モデリング

昨今の機械学習による将来のデータの予測精度を求めるスタンスが応用思考型モデリングになります。

ちなみにどんな数理モデルも万能ではありません。

データが不足している場合や、予測データの値が手元の全データの範囲を超える場合などは、上手く数理モデルがあてはまらない可能性が高いです。

数理モデルを扱う上で注意しましょう!

・第2部 基本的な数理モデル

続いて第2部!第2部の章立てはこのようになっています。

第3章 少数の方程式によるモデル
第4章 少数の微分方程式によるモデル
第5章 確率モデル
第6章 統計モデル

この部では、基礎的な数理モデルがいくつか登場します。

線形代数・微分方程式・確率統計の基礎を最低限の数式とともに学びながら
統計的検定や回帰分析につなげていきます。

少々数式が多く登場する部分もありますが、考え方を具体例とともに教えてくれるので非常に分かりやすいです。

・第3部 高度な数理モデル

続いて第3部では、発展的な高度な数理モデルについて学びます。

章立てはこのようになっています。

第7章 時系列モデル
第8章 機械学習モデル
第9章 強化学習モデル
第10章 多体系モデル・エージェントベースモデル

高度な数理モデルとは言っても、非常に重要なモデルばかり

実データで頻出する時系列モデルの解釈の仕方を学び、機械学習の様々な手法について学んでいきます。

時系列モデルについてさらにもっと踏み込んで勉強したい方は「経済・ファイナンスデータの計量時系列分析」がオススメです!

機械学習の各手法についてもっと踏み込んで勉強したい方には「はじめてのパターン認識」がオススメです!

続いて流行りの強化学習について学びます。囲碁プロを破ったアルファ碁にも強化学習が使われています。

そして最後に人間社会や脳などの複雑な振る舞いに関してモデル化した多体系モデル・エージェントベースモデルについて学びます。

この領域が著者江崎さんの専門領域のようです。

・第4部 数理モデルを作る

最後に第4部では数理モデルをどのように設計して作っていくかについて学んでいきます。

章立てはこのようになっています

第11章 モデルを決めるための要素
第12章 モデルを設計する
第13章 パラメータを推定する
第14章 モデルを評価する

現実課題において数理モデルを適用させるためには、まずは課題設定と課題解決の目的を明確にすること

そしてその上でどの数理モデルが当てはまるかを考え、数理モデルにおけるパラメータを推定し、正しい評価を行っていきます。

第4部では、この過程に沿って数理モデルの適用の仕方を学ぶことができます。

この記事では、「データ分析のための数理モデル入門」について簡単に紹介してきました!

非常に広い範囲を分かりやすく具体例を入り交えながら学べるので数理モデルの入門書として非常にオススメの書籍です。

ただ範囲が広すぎて個々の内容はどうしても説明しきれていないところも多いので、ぜひここから興味が生まれた部分について深堀りして学んでみるとよいでしょう!

以上、データサイエンティストのウマたん(https://twitter.com/statistics1012)でした!

スタビジというサイトYoutubeチャンネルでデータサイエンスについての発信をしていますので、こちらもよろしくお願いします!

それではまた今度!
Let's statistics×bussiness「スタビジ」!

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