【翻訳】コインアジェンダ アジアでの Blocksafe の対談

2018年6月21日~23日にかけて、シンガポールで CoinAgenda Asia (コインアジェンダ アジア)が開催されました。

Blocksafe はブロンズスポンサーを務め、日程3日目にあたる23日の10:00~10:20(現地時間)にかけて20分の登壇時間がありました。

座談会形式で、司会はMichael Terpinさんでした。この方は、ICOについてのスペシャリストで、Blocksafeのアドバイザーでもあります。

Blocksafe からは Jena, Manny, Chris の3名が登壇しました。Blocksafe の他にも2人の方が参加し、Tokenomics (トークン経済)をテーマに順番に話していくという内容です。

今回は他の2名の方の発言は省略し、司会者の質問とBlocksafeの3名の回答のみを翻訳しています。元の動画は下のリンクからご覧になれます。

https://www.youtube.com/watch?v=zc9gPgORvM0

以下が対談の概要になります。

司会者
「皆さんのプロジェクトがどんなもので、そこで生まれるトークン経済がどんなものか教えて下さい。多くのプロジェクトがある中で、なぜそれが他のモノより優れているのでしょうか?ビットコインやサードパーティー製トークン、その後イーサリアムが生まれ、現在では1500ものトークンがあります。コインマーケットキャップによれば、時価総額上位20のトークンンオほとんどはプラットフォーム型のトークンです。ですから、プラットフォームを作ることには意味があると言えるでしょう。そこで、皆さんに簡単な自己紹介と、トークンとその構想について紹介してもらいたいと思います。」
Jena
「Jena Binderup と申します。Blocksafe でチーフコミュニケーションオフィサーを務めています。当社には2つのトークンがあります。1つはTRIGトークン、もう1つはAMMOトークンと言います。それぞれ異なる役割を持っていて、これについては当社の2人から説明します。そして、今まさにサイドチェーンの展開を目指しています。現時点では当社のトークンはカウンターパティで発行されていますが、新たにチェーン立ち上げているところで、近日公開予定です。」

(略)

6:40 ~ 
Manny
「Mannyと申します。Blocksafeでチーフマーケティングオフィサーを務めています。Jena が当社の活動に関して概要を述べたので、私からは以上です。」

Chris
「Chrisと申します。私もBlocksafeに所属しています。当社は最初、ビットコインとビットコインのプロトコル上でトークンを発行しました。今後、これをRed5と統合し、Qtumのロジックを取り入れます。Qtumはイーサリアム仮想マシンとビットコインのスクリプト言語の間で、相互運用性を与えます。一度相互運用性が確保できれば、Quorumのロジックを導入します。Quorumのロジックからはコンセンサス投票メカニズムを得られます。これらすべてを組み合わせることで、異なるガス、異なるアルゴリズム、異なる部分(注1)という機能を提供することができるようになります。これらの特徴は5種類からなる異なるマスターノードレイヤーからそれぞれに引き出され、2つはデータのルーティングを行い、残りは実際にデータを送信するために3種類のコンセンサスメカニズムを使います。中核的で最も大規模であるオリジンマスターノードが、常にデータをネットワークの辺縁部分にプッシュし、非中央集権であることを担保します。基本的に、当社が作っているものはプラットフォームであり、企業が機能を選択し、ユースケースに応じた専用ブロックチェーンの作成ができるようにします。そして、企業は当社の取引所を用いることができます。さらに、アトミックスワップを導入する予定です。これにより、マスターノードは注意を払っていないサイドチェーンに対して、貢献することが可能になり、寄与度に応じて報酬を得ることができるようになります。ですが、企業側では、何も違いはありません。」
8:28~
司会者
「2つ目の質問です。皆さんのトークン経済モデルはどんなものでしょう。一般的に、供給不足は限定的で、プラットフォームやユーティリティトークンとして使われるようになり、供給が安定し通信量が多くなれば、健全なトークンだと言えるでしょう。需要を増やす代わりに供給を絞るやり方でもトークン価値を上昇させたり、ステーキングのメカニズムが働かせたりすることで、消費するよりも保有することを推奨するトークンもあります。また、バーンを行ったり、何か起こった時にトークンの買い戻しを行ったりする場合もあります。みなさんの基本的なトークン経済モデルを教えて下さい。どのように使われ、トークンの最終的な目的は何でしょうか。」

Jena
「Chris、お願いします。」
Chris
「彼女が言った通り、チェーンローンチ後のトークン経済として当社はTRIGとAMMOの2つのトークンを持ちます。AMMOはガスです。そして、サブトークンを手に入れるためには、当社の取引所に来て、ビットコインをTRIGにTRIGをAMMOと交換しなければいけません。そして、既に発表してある通り、アトミックスワップを組み込みます。これには多くのステップを要しますが、AMMOを生成する方法はマスターノードしかありません。現時点で、最大のマスターノード(オリジンマスターノード)は報酬が決定していますが、その他のノードは経済圏についてのテストが進むにつれてお伝えしていこうと思っています。確定していることとして、1500 TRIG をロックアップしてマスターノードに入れることで、375 AMMO を毎月獲得できるようになります。この考えのもと、当社は頑健性の高いネットワークを作るため、マスターノードインフラを作り上げる必要があることを認識しています。ですから、当社はAMMOが最初から供給不足気味であるようにすることを(マスターノード運営の)インセンティブにしたいと考えています。そして、サイドチェーンをより多く追加すれば、それだけ長期的にも短期的にもより良い状態になります。そこで、最初に契約する25個までの企業は、コストをゼロにします。これにより、実質的に彼らはアーリーアダプターとしてのボーナスを得ることになります。というのも、約束こそできませんが、ネットワークを拡張するにつれて理論上AMMOは価値を増します。25個のサイドチェーンを立てたあとでは、当社はより頑健性の高いネットワークを持つことになります。ですから、企業にとっては、当社が構築したネットワークに参加することは、(アーリーアダプターとは)全く異なるインセンティブを持ちます。そして、当社に今最も必要なのはマスターノードが建てられるようにすることであり、そうなるように注力しています。」

(略)

14:12 ~
司会者
「トークンを購入・消費するのは主にどんな人でしょうか?」

Jena
「Chris、いいえ、これについてはManny、お願いします。」
Manny
「ネットワークを作り始めた時から、Blocksafe はビジネスモデルの中に2種類の事業を持っていることを認識しています。一方はパブリックサイドにフォーカスし、もう一方はクリプトサイドにフォーカスしています。そして、このように分ける理由はまさに(あなたが先ほど話していた)規制の問題にあります。当社はその基準を知ろうと努めていますが、同時に、本当に米国政府が語るすべてのことを遵守しなければなりません。自主規制がいい結果を生んでいないので、規制は今よりも強く暗号通貨を直撃するようになるだろうとかなり確信を持っているからです。そこで、このような2つの会社にわけていて、1つはパブリック、こちらは現在米国にあるパートナー企業のことです。一方、当社は銃におけるクリプトサイドだと言われています。当社は防衛、政府、武器にフォーカスしていますが、それが非中央集権で、所有者自身が管理できる自己所有のプライベートなデータであることを確認します。私たちは銃の生産をしたいわけではなく、技術的なソリューションを提供したいと考えています。武器に安全性を提供する他、政府機関、または当社がターゲットとする領域に入るものやそのような技術を求めているすべての人々に対して、安全性をもたらしたいと思っています。というのも、まさに今米国では、政府が人々を守るよりも、もっと良い方向へ向かうようにしたいとの声が多く上がっていて、学校での銃乱射のような事件が起こると、このような出来事は米国中に広まります。私たちクリプトサイドでは、当オープンプラットフォームを人々に使ってもらいたいと思っています。製品サイドの提携企業は当ソリューションを武器安全のための技術的な解決策として利用することを目指しているからです。当社クリプトサイドでは、当社ネットワークはサイドチェーンを立てたいと考えている誰に対してもオープンです。そして、企業がそこから得るベネフィットの一つとして、Chrisが述べたように、最初の25の企業については無料です。私たちは自社の取引所を持つ予定です。取引所は流動性を提供し、簡単にアクセスできる上に、企業が自身のチェーンを持つことができます。そして、認証時間(コンファメーションタイム)は短くなっています。当社ネットワーク上のすべてが、システムを通じて綿密に検査されます。コミュニティ(ネットワークへの参加者)はとてもオープンです。私たちはチェーンを運営することに興味がある人や、既にチェーンを持っていてもどのようにして不足気味のブロックチェーン開発者やスタッフを確保したらいいか分からない様な方であれば誰でもアクセス可能なものにしたいと考えています。」
17:33 ~
Chris
「将来的な可能性に限って言えば、当社の防衛ネットワークはオンチェーンで監視機能をスケーリング可能です。例えば、これにより、私たちはサーベイランス(監視)ができるようになるだけでなく、バイナリセンサデータも扱うことができます。これら2つのことにより、あまり性能を必要としない様なユースケースに対しては少ない性能で済ませることができるようになります。そして、プラットフォームとして、非常に頑健性が高く、できる限り拡張性があり、できるだけ多くのソリューションを提供することを目標としています。」
~ 18:12

(略)



以上になります。まとめると

・ネットワーク構成や報酬は前回のブログの通り
新チェーンはプラットフォームであることを強調
・AMMOは需給を考慮して供給を少なめにし、需要の確保に向けてサイドチェーンを利用する企業を増やしていく
・需要の確保は戦略的に2段階に分けて考えていて、初期はサイドチェーンの発行を無料で企業に提供する(現時点では25社までを想定)
・それ以降はプラットフォームとしての安定性が企業にとって魅力になる
・AMMOの価値上昇を見込んでおり、初期参入者へのインセンティブとなる
・パブリックサイドとクリプトサイドで大別可能(規制への対処が目的)
・パブリック(製造)サイドは銃や防衛が現在はメイン
・クリプトサイドはどんな事業に対してもオープン
・監視機能をオンチェーンで使ったり、バイナリセンサデータを扱ったりもできる可能性があります → 処理効率向上でよりスケーラブルに


(注1)portion という表現を使っていますが、ここでは意味が曖昧です


筆者:Blocksafe 日本アンバサダー

参考
https://www.youtube.com/watch?v=zc9gPgORvM0

http://www.coinagenda.com/

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