情シスを続けたい理由を書いてみる

この記事は【初心者優先枠】corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#2 Advent Calendar 2023の17日目の記事になります。


この記事を書こうと思った理由

 ふと思うと、大学卒業時にこれといってやりたい事がなかった私は、社会人になってからずっとITに関わる職業を続けています。
 その中で何度も挫折し、いっときはIT業界から離れてやると思った事もあるのですが、自分がどうして今も挫折せずに、時には苦しく、時には辛くという事もあったのに、ボキっと心が折れずに、この情シスという職種、ひいてはITの世界にいる理由が気になりました。
 悶々として、文字に起こしておかないとブレるかもなあと思っていた矢先、アドベンドカレンダーを見つけ、同じような悩みを持つ人がいるかもしれないし、書いてみようと思った次第です。

 アドベントカレンダーという事で、沢山の読者に目が触れる事になると思い、ただ書くだけでなく、読者が読んで良かったと思えるような、あるいは共感していただけるような、そして何か持ち帰ってくれるような、そんな事を思いを文章に込めて書きました。

 情シスを始めようかな、続けていけるのかな、と悩んでいる人がいたら役立つといいなと思います。

私の情シスは何処からきたっけ?

 上記の記事を見つけて、続けるのは良いとして、そもそもなぜ情シスになったのだっけと、社会人生を振り返りました。

- Web系のパッケージ製品開発会社のSE
- iOSアプリ開発会社のプログラマー
- 非IT企業の情報資産の管理担当
- コーポレートエンジニアに転職して現在に至る

概要だけだと4行に終わるのですが、重要な分岐点としては2つ

〜情シスになる前〜 IT業界を去ろうとしたけど踏みとどまった

 詳細は割愛しますがSEをやっていた頃は、色々あってIT業界を去ろうとしていた過去があります。やばかった時は、PCに触れるのはもう嫌だ、見たくもないと思いましたし、IT用語さえも聞きたくない。耳に入ってこないでくれと思っていました。 辛かったとはいえ、他にいきたい業界があるわけでもない。さて、これからどうしようかなと思っていた2011年頃に、たまたま転職相談していた友人から気分転換に、と紹介いただいて知り合ったプログラマー(Kさん)から貰った言葉が、人生を変えました。  

イヤイヤ仕事を続けたしても、積み重ねた経験は必ず残る。経験は無駄にならない。これからのIT業界はますます面白い時代に入るし、こんな面白い業界から離れるのは勿体無い。例えIT業界は辞めても、ITから逃げずに、ITに関わり続けた方が良い

by Kさん

 という言葉を貰いました。
 正直、その時は素直に受け取る事は出来ませんでしたが、その言葉があったからなのか、別の日に家電量販店で何気なしにカッコいいなと思い、Macbookを買いました。
 Appleに触れて、Objective-Cでサンプルを組んだりして遊んで、なんか面白いと思えた事がキッカケで、アプリ開発したいなあ、と思いiOSアプリ開発者として転職し、なんかITは面白いかもと思い直す事ができ、IT業界に留まりました。

〜情シスになる〜 諸事情により転職して非IT企業の情報資産管理の担当となった

 当時はiPhoneやAndroid、スマホアプリがバブル市場で、何がヒットするか分からない中でプログラマーとして心機一転して楽しく歩み始めていました。が、これまた割愛しますけど、諸事情があって非IT企業に勤める事になりました。
 当時はITに詳しい人がいないから、君は元エンジニアだし、情報資産の管理担当がいないから情報システム担当になって、みたいな意味合いで情報資産の管理担当となりました。
 開発者から、ヘルプデスクはじめ情報資産の管理や運用保守、ルール作りやセキュリティなど、意識してこなかった領域を初めて担当して、右往左往していたの思い出します。その後は何となくやっていたのですが、そこで周囲から情シス扱いされていたので、ああ自分は情シスなのかーと思ってました。

 が、転職して分かりましたけど、ほんと、あの頃はなんとなくの雰囲気でやってた感じなので情シスとは程遠かったなぁ、と思います。

そして本格的な情シスに挑戦してみて

本格的に情シスとして情シスを学びたいと思い転職した理由はこちらから

ここからは本格的に学び始めて思ったこと、大事にしていきたい、タイトルにもある通り、続けていく理由を書いていきたいと思います。

情シスというのは正解がない世界

 どんな職業や職種にも言えるかもしれませんが、有力な説や、その時の最適解はあっても、正解がない世界だなと感じています。
 例えるなら料理のレシピのように、カレーライスの基本的な作り方(セオリー)はあっても、家庭用や販売用に美味しくするためにスパイスを使うとか、甘味や辛味のアクセント(味付け)は自由であるように、所属する企業や企業のフェーズに見合った価値を見出して、最適解を提供するお仕事だな思います。

 PCの調達、キッティング、社内システムのルールやネットワークやセキュリティ構成、どれもセオリーはあっても、必ずしもこれが正解だ、という物はないため、常に正解が欲しい、というような方には不向きだなと感じています。

情シス(IT業界)で生き続けるために必要だと思ったこと

 SNSや情シスはじめITイベントに顔を出したりして分かったのですが、情シスとして居続けるために必要な事は沢山あるなと思いました。沢山あるのですが、個人的に以下の3つは抑えないといけないかなと思いました。

  1. ITという世界を好きでいられるか

  2. 新技術や知らない事を拒否感なく、調べる事が出来るか

  3. 何もかも受け入れる素直な心と、くじけないこころを持てるか

ITという世界を好きでいられるか

 ITが好き、というのがベストだと思いますが、何より興味を持っているというのが最低限必須である事だと思います。逆にITに対して興味がない場合は苦痛になるので、続けられないと思います。

新技術や知らない事を拒否感なく、調べる事が出来るか

 ITの世界はとにかく進歩が早いので、知らない事がいっぱい出てきます。
 全部の技術を追う必要はないと思いますが、少なくとも自分の会社や世の中の情シスさんたちの注目になっている技術については調べて概要を掴み、人に説明できるくらいの力は必要だなと思っています。

何もかも受け入れる素直な心と、くじけないこころを持てるか

 仕事をしていると、自らが原因で何か失敗をした時や、コントロールできない部分で、どうしようもない事や、理不尽な事はたくさん起こります。
失敗だと、NASやサーバー、ネットワーク機器の設定ミスでほにゃららとか。理不尽な事だと、自社は何も悪くなく取引先側のネットワーク機器設定ミスで、自社から取引先にメールが送れないからなんとかしろとか。

 そういった失敗や理不尽な事に落ち込んだり怒りつつも、表立ってなんだとぉ!?と大きく反発をせずに、堪えてまずは受け入れて次に繋げられる素直な心と、失敗に挫けずに歩み続ける精神は必要かなと思っています。(最後の部分は情シスというより人間として、かもしれませんが・・・)

 というのも私自身、反発したり喧嘩したら、いろんな事に失敗して、落ち込んで、時には心身疲れ果てた事もありますが、悔やんでいても前には進めないしその時に戻れるわけでもない。
 自分自身の過ちを認めて受け入れて、理不尽も起こった事として受け入れる事がまず必要かなと思っています。受け入れないまま反発して行動すると、何処かで自分の中で歪みが生じてより酷くなるので、受け入れるこころ、そして諦めずくじけずに次の行動をする心は大切にしています。

そして私が情シスを続ける3つの事

そんなこんなで、私がまだ情シスを続ける理由として以下3つ

  1. ITという世界が好き

  2. ITという自分の興味がある好きな分野で人の役に立てる

  3. 好奇心が強く、知的好奇心が満たされる

ITという世界がやっぱり好き

IT業界ではない人たちと語らったり、飲み会でITの話題が出た時に、デバイスとか知らないシステムとか触るの面白くないか?と、無意識に伝えているんですね。無意識で言っているという事は私はITが好きなんだと思います。好きでいられるうちは、好きな事を仕事にしておきたいと思っています。

ITという自分の興味がある分野で、人の役に立てるから

人の役に立っているというのが自然と好きな人間のため、ITが苦手、不得意とする人たちの人助けになっているのが嬉しいです。これはヘルプデスクに通ずるところですから、情シスを続ける理由の1つだなあ、と。

好奇心が強く、知的好奇心が満たされる

ITの世界はブラックボックスが多いのですが、ドキュメントも多く存在します。それを見ながら出来た!というところや、これってこう操作したらどうなるのか、とワクワクできるんですよね。


 なんだかこうやって書いて見ると、ここにはITが好きとか書いてあるけど、仕組み化するとか、コードを書いて効率化とか、業務を改善していくとか、いわゆるエンジニアな部分の言葉がないため、コーポレートエンジニアや情シスとしては正直頼りないのかもしれないです。
 それでも、ITに興味がない人やITを苦手とする人が、デジタル化やDX、業務改善はじめ、セキュリティを向上していきたいというのであれば、役に立ちたいですし、自分の知見と行動によって事業や社会への貢献が出来るなら、まだまだ情シスを続けていきたいと思っています。

 将来的につよつよなバリバリの情シスにはなれなくても、ITを触る事に抵抗がない人として何かの役に立てるなら、まだやっていてもいいかなと。
 情シスっぽくない情シスがいてもいいんじゃないかな、と思ったりもします。
 情シスがやりたいから情シス、ではなく、業界の文化や企業文化、一緒に働く人の役に立ちたいから情シスをやる。
 そんな理由で居続けてもいいのかな、と。僕はここにいてもいいんだと、言ってくれる人がいる限りは続けたいと思っています。

最後に続ける上で大切にしている事

最後に、そんな私が情シスを続ける上で大切にしている事を書いて締めたいと思います。

交流をする事

社外の人と交流することって、業界業種の勉強にもなるのですが、すごい知見が広がるんですよね。情シスって業務外の知識や他業種、他業界の知識が自分の業務やキャリアに役立つ事が多いので、意識的に交流をすることをしています。

発信する事

正直、まだまだ意識的に出来てないのですが、自分の持っている知見や技術はSNSはじめこうしたnoteなどにアウトプットする事で、自分に落とし込んだ方が良いなと思っています。漢字や英語の書き取りと同じで、書いて覚える、のように、取得した事はまとめて書いて見ることで、始めて理解できるものなのかなって。
最近はまずはアウトプットに慣れるために、Appleのジャーナルアプリに書き始めました。

キャッチアップする事

正直、なかなか興味が持てない技術はキャッチアップが億劫になる事もありますし、時間が取れなかったりして疎かになりがちですが、そこは情シスとして越えなければならない壁のため、以下のようにして乗り越えようと心がけています。

  • 例えば夫婦でOSが異なる機器を使っている時のアカウント管理や機器の管理は企業における管理に繋げられるし、生きる、というふうに。

  • 物が増えているので台帳化→Excel以外にどんなツールがあるのかな、など、調べる事に何か意味を与えて調べるようにしています。



 なんだかこうして書いていると、私は色々な方に助けられて情シスを続けているんだな、と改めてわかりました。
 そして助けてもらった側から、今度は自分が手を差し伸べられるように、迷っている人がいたら、その方に言葉をかけてあげられるように、そして自身がまだITに携わりたいと思えているうちは、もう少し情シスを続けていこうと思います。

ありがとうございました。