新婚旅行三日目 『北海道鉄道旅(後編)』
梅光軒で旭川ラーメンを味わった後は、また列車旅の続きである。
旭川駅からは特急大雪に乗り、一気に網走へ。セイコーマートで買ったコーヒーを片手に列車に揺られるなんて至福の時間、と思っていたらいつの間にか寝てしまい、気づいたら網走に到着していた。
まだまだ今日の移動は終わらない。網走からまた列車を乗り継いで三つ先の北浜駅が次の目的地だ。と言いたいところだが、我々が網走に到着する僅か18分前に、その北浜駅に向かう列車が出発してしまっているのだ。
3時間に1本しかないのに僅か18分の差で乗り継げないとは。ここは何度も時刻表を見直したところだ。もし僕が見えていたら、穴が開くほど時刻表を見た、という表現が使えたのかもしれないぐらい。
何回見直しても間違いではなかった。ならば路線バスとこちらも調べたのだが結果は同じ。これこそが地方の公共交通の課題やな、とわかったようなことを考えつつ、ここで四度目のタクシーが登場する。若干お金に物を言わせた感はあるが、おかげさまで無事北浜駅に到着した。
北浜駅には列車をモチーフにしたカフェ「停車場」がある。以前YouTubeの旅動画で見て以来、ずっと行ってみたかった場所だ。昔の客車の椅子がそのまま使われていたりと、鉄道好きにはたまらない。乗っても降りても今日は鉄道だ。
駅には展望台も併設されている。展望台、というのだからいったいどれだけ高いところに上るのだろう、と期待しながら階段を上がっていくと、あっけなく頂上に到達した。そんな展望台での一時は、この日一日で最も北海道を感じた時間になった。目の前にはすぐオホーツク海。夕暮れのオホーツク海なんて、きっと最高の景色が広がっていること間違いなしだ。
鉄道ばっかりでいい加減苦情が出そうになっていた妻の機嫌もここでなんとか取り直し、オホーツク海の力強い波音と潮風を堪能した。
この日の宿泊地である釧路まではあと少し。たったの3時間ほどで到着する・・・。
(続く)
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