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生き方を問うWinter Solstice 2023 冬至

solstice(至) という言葉は、ラテン語の語源sol (太陽)+ sistere (静止) に由来しています。夏至と冬至には、霊界の門が開くと言われます。

冬至は冬の始まりを意味しますが、それは太陽の力が最も弱まり、転じて、この日からまた日光が戻ってくることも意味します。
西欧ではクリスマスの行事が導入される前は、キリスト教以前のローマ帝国ではサトゥルナーリア祭 、ケルト民族はユール祭で冬至を祝っていました。


山羊座の季節の始まり

占星術では、冬至は太陽が山羊座の場所に入った、山羊座の季節の始まりでもあります。占星術で言う山羊は、海の山羊Sea Goatのことですが、起源をたどるとバビロニアのスクル・マシュが出て来ます。

バビロニア人は複数の星を黄道十二宮を始めとした星座として分類した。バビロニア時代の星座は現代の星座と完全に同一ではないが、明らかに現代の星座の原型となっている。
人間の上半身とウマの下半身を持ち、鳥の翼とサソリの尾、さらに後頭部にイヌの頭を持って弓を構えるパピルサグ(Pabilsag)はいて座の原型であり、ヤギの上半身と魚の下半身を持ったスクル・マシュ(suḫurmašu ヤギ魚)はやぎ座の原型であると見られる。


スクル・マシュはメソポタミアの神エンキ(バビロニアではエア神)のシンボルだったそうです。エンキの神殿は、ユーフラテス川のエリドゥにあり、主神殿の地下には水の領域が存在していたとか。

紀元前2,300年頃にさかのぼる古代アッカドの円柱印章からのエンキの詳細

ギリシャに伝わって現在の牧神パーン+海魚になったそうです。パーンと言えば、パニック(Panic)の語源になったことが知られていますね。
パーンがパニックになったエピソードはいろいろあるようですが、以下の説明が海山羊Sea Goatに相応しい気がします。

パーンがテュポンに襲われた際に上半身が山羊、下半身が魚の姿になって逃げたエピソードは有名であるが、この姿は低きは海底から高きは山の頂上まで(山羊は高山動物であるため)世界のあらゆるところに到達できるとされ、「全て」を意味する接頭語 Pan(汎)の語源となったともいわれている。

山羊座の支配星(ルーラー)は土星

占星術では、山羊座の支配星を土星としています。空の土星が発見されたのは、今となっては正確にはいつとはわからないようですが、バビロニアで占星術が始まった頃から観測されていたようです。

土星は、天王星が発見(1871年)される以前は、黄道十二宮の 磨羯宮(山羊座)と宝瓶宮(水瓶座)を支配していました。天王星発見以後は、土星は磨羯宮(山羊座)の主支配星となり、宝瓶宮(水瓶座)の副支配星になりました。

土星を神話の神に当てはめると、ローマ神話の農耕の神サトゥルヌス(英語読みではサターン)になります。
古代ローマでは、サトゥルヌスを神々の中で最も重要な神として崇拝しており、木星(ゼウス)と同じ威信を共有していました。

サトゥルヌスの名前は「種まき」を意味するsatusに由来していると言われており、エトルリア人の神サトレ(サトルス)とも関りがあるのではと見られています。
エトルリア人は、ローマが興国する以前のイタリアの先住民族です。

山羊座と水瓶座を足元に、新年を腕に抱く土星、
ハンス・ゼバルト・ベーハム作「黄道帯の七つの惑星」(1539年)より

占星術では、土星は集中力、正確さ、高貴さ、倫理、礼儀正しさ、高い目標、キャリア、保護者、権威を表します。
また、制約、限界、教訓、試練、能力主義、保守主義、カルマ(自分が蒔いたものを刈り取ること)など厳しい面もあります。

そしてサトゥルヌスと同一視しされているギリシャの神クロノスが、同名の時間の神クロノスと混同されたことにより、「時間」もサトゥルヌスが管轄していることになりました。

”Time is the father of truth, its mother is our mind."
(時間は真理の父であり、その母親は私たちの心です。)
ジョルダーノ・ブルーノ

古代ローマでは品位が高かったサトゥルヌスも、キリスト教が国教になると異教の神として排除され、それだけでなく教父たちにより古代の神々は悪魔化されて喧伝されてしまったのでした。

悪魔が山羊の角をつけて描かれるようになったのも、キリスト教以降なのです。

新年の前に自分を労わる

冬至以後から昼の時間が長くなっていくものの太陽の光がまだ弱く、冬は人間を含め生物はエネルギーが不足しています。
だから「冬は何もしたくない」と思っても、自然なことなので心配しないでくださいね。(私は毎冬、冬眠したいと思っています)
冬は外側に働きかけるのではなく、自然にスローダウンして、自分の内側にいる影の自分を見つめる、よい機会になります。

◆霊的な浄化

浄化には特別なメソッドは必要ありませんが、掃除をしてキャンドルやお香を焚くのは良いと思います。

夏至と冬至の季節は、昔から霊界の門が開くと言われます。夏至は魂の「到着の門」、冬至は魂の「旅立つ門」と言われます。
2023年が終わるまでの間、ご先祖や亡くなった所縁ある人々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

◆魂の自分からのサインを受け取る

インスピレーションや、「魂の自分」からのコールサインを受け取ることもあるでしょう。
ハッ!とわからないかもしれません。でも、急に気になることが出てきたら、気づかないうちに受け取っているということかも。

私はよく自分に質問しておきます。すぐに答えがなくてもかまわないのです。次の日や機が熟した頃に答えが提示されたり、該当するようなことが起きます。

◆否定的なものを手放す

大掃除や不用品の処分をするように、心の中も大掃除をしましょう。
否定的な考えや他者から言われて傷ついたこと、他者への嫉妬など、自分のために手放してください。ネガティブな事に対する執着は、逆に自分を傷つけます。

前回の記事で古代ローマのサトゥルナーリア祭のことを書きましたが、真冬の前のひと騒ぎ(無礼講の馬鹿騒ぎだったとも言われている)が古代ローマ人にとってどんなに重要だったかということが、現代の私たちにはなかなか理解しにくいと思います。
彼らにとっては、1年間積もり積もったストレスの憂さ晴らしだったのでしょう。

山羊座の季節にクリスマスや忘年会などお楽しみがあり、1年の憂さを取り払って気持ちを新たにした後に、「始まり」を祝う新年のイベントがあるのも、山羊座に相応しいと思います。
つまり、堅苦しいイメージの土星のエネルギーの反転としてです。
(山羊座生まれに遊び好き(飲む、打つ、買うが止められない)がいてもおかしくありません)

◆まず種を蒔く

山羊座の支配星が土星で農耕の神サトゥルヌスなのは、山羊座の季節が「地に足をつけるとき」だということを示唆しています。

山羊座の180度向かい側は蟹座。蟹座は夏至の季節、到達の門が開くとき。
半年後の夏至を目標に計画を立てるとよいと思います。

太陽が山羊座に入ると、個人差はありますがほとんどの人が野心的になると言われます。現代人の野心は、たとえば仕事で認められたいとか、お金が欲しいとか、恋人が欲しいとか結婚したいとか、みんなが羨むようなステータスやモノが欲しいとかだと思います。

それらの元にあるのは、もっと人生をよくしたいとか、楽しい人生を送りたいという願いですね。
これも高みを目指す山羊座のエネルギーと同調します。1年の計を立てるのも、山羊座の季節はぴったりだと思います。

でも、焦って何かをしないでくださいね。
山羊座の季節は、じゅうぶんな休息とじっくり考える時間を取るときでもあります。
実際に始めるのは、立春以降、春分が最適です。

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占星術では1年の始まりは春分からになります。
冬至では2023年度の最後の3か月の流れを冬至図から予測します。

2023年冬至図

アセンダントが牡羊座なので、活発で慌ただしい3か月になるだろうと予測されます。
エレメントの割合は火1、風0、地6 、水3で、地のエネルギーが圧倒的に強く、物事を具現化する力が働きます。

マンデン読みでは、太陽は政府、月は国民を意味します。
太陽は山羊座
に入り、逆行水星とコンジャンクション。月とトライン。海王星とスクエア。
月は牡牛座に入り逆行木星とコンジャンクション。土星とセキスタイル。
山羊座の太陽は秩序を作ろうとし、牡牛の月は安定を強めます。

◆宗教と法整備

アセンダント牡羊座のルーラー火星は9ハウス射手座に入り、太陽も9ハウスに入っています。9ハウスは、外国、宗教、法律など。
春分までの3か月は、宗教問題や法改正に焦点があるようです。

水星(逆行中)は、3ハウスと6ハウスのルーラーです。3ハウスは交通、通信、メディアなど。6ハウスは医療衛生、労働、軍事。

たとえば、このニュースは6ハウスと9ハウスの組み合わせです。
「防衛装備移転三原則」輸出対象5類型の見直し 今後の焦点に | NHK | 自衛隊


◆楽観的な国民
国民を表す月は1ハウス。1ハウスは国家のイメージや国民の状況の意味があります。月は、30分ほど前に牡牛座に入ったばかり。

月とコンジャンクションしている木星は(木星は9ハウス射手座のルーラーでもある)冬至の時点ではまだ逆行していますが、31日に順行に戻ります。
心理的に楽観的で余裕があります。根拠はなくてもうまく行くと思っている感じです。
木星はなんでも増やす性質があるので、良い事が増えてくれるといいですね。

そういえば新NISAが始まるんですね。旧もやってない私は、まったく他人事ですが、これで資産を増やそうと思っている人が多いのかな。

◆日本人のアイデンティティ危機

1ハウスには、月と木星のほかに、天王星、北ノード、準惑星エリスが入っており、活発です。

アセンダントに、カイロンとノースノードがコンジャンクション。
これはひょっとすると強烈な体験を意味しているかも。 
今でも結構強烈な幻滅を味わっている人は多いと思いますが。

今年の春分図でもカイロンがアセンダントにくっついていたので、2023年の仕上げと考えると良さそうですね。

2023年春分

ただ、アセンダントなどのアングルにカイロンがくっついている時は、テロや災害が起きる暗示とも言われています。
1995年の春分図はICにカイロンがコンジャンクションで、前日に地下鉄サリン事件が起きていました。

アイデンティティや価値観が大きく覆されるような何かが起きるのかもしれません。ポジティブな見方をすれば、強烈な体験から立ち上がる強さを表しているのかも。


政権は不穏
月は、10ハウス山羊座の冥王星とはスクエア。10ハウスは政府の部屋。
これはトップダウンを意味しているように見えます。閣議決定でしょうか。
スクエアなので結構な圧になりそうです。

冥王星は、じわじわと浸透して気が付いたら手遅れになっていたがん細胞のようなパワーなので、政変ということも考えられなくはないです。
キッシーが退陣させられる?


◆景気は不透明
冥王星が支配する蠍座は、8ハウス(税金、社会保障、国際金融)。
やっぱり増税でしょうかね。防衛費増強かな。

経済の2ハウスには、5度前ルールを適用すれば天王星が入り、2ハウス牡牛座ルーラーの金星も5度前ルールで8ハウス蠍座に入り、天王星と金星はオポジション。
これは金融で突発的な変化が起きる可能性があります。

金星は12ハウス海王星とはトライン。見えないところでお金が動く感じですね。海王星は、9ハウス太陽とはスクエアなので、また外国への融資かもしれません。

◆防衛問題
1ハウス木星は、9ハウス火星、6ハウス小惑星ジュノーとトールハンマーを形成しています。トールハンマーが出来ると災害が起きやすいですが、周辺国のトラブルのとばっちりかもしれません。


木星は11ハウス魚座土星とセキスタイル。11ハウスは通貨、議会、同盟国、地方自治体。
木星と土星は2020年12月末に水瓶座0度で重なったグレートコンジャンクジャンクション以来のアスペクトです。

◆犯罪の増加と摘発

9ハウス射手座の火星は、12ハウス魚座海王星とスクエア。
海外だとヘイトによるトラブルが増加するようなアスペクトだと思いますが、日本だとSNSを使った投資詐欺かもしれません。

国際ロマンス詐欺のような、外国人による犯罪の増加もありそう。感染症か?オクスリ?が持ち込まれるかも。
外国人は不起訴になることが多いそうなので気がかりです。

火星は、1ハウス牡牛座天王星とクインカンクス。
サイバーテロの可能性やミサイルも飛んできそう?な配置です。

新宿歌舞伎町で若い女性が140人逮捕されていたニュースが出ましたが、トー横の件といい、歌舞伎町がやり玉に挙がっている事情もありそうですね。

売春容疑で140人逮捕、4割「ホストやメン地下のため」 歌舞伎町 (msn.com)

個人への影響

一般的な読みでは、太陽は意志、目的、月は感情を意味します。

山羊座の季節は、現実的な目標を立て取り組むことに焦点が当たります。
真剣さがあり、安定した生活を望みます。

◆生き方が問われる
上述したように1ハウスに天体が集中し、アセンダントにカイロンとノースノードがコンジャンクションしています。

招かれざる客のようなテロや災害が起きなかったとしても、たとえば社会で起きることから、自分の生き方を問い直すことがあるかも。
それは「こうなったらいいな」というようなものではなくて、『風と共に去りぬ』のヒロインのような力強い決心かもしれません。

「神様お聞きください。私はこの大いなる試練に決して負けません。家族に二度とひもじい思いをさせません。きっと生き抜いてみせます。
その為は嘘もつき、盗み、騙し人をも殺すでしょう。神様に誓います。二度と飢えに泣きません。」

神に誓うと言いながら、ヒロインは自分に誓っていると思います。

しかし、懸念するようなことが何も起きなければ・・・実に安穏とした3か月になるでしょう。
月と木星のコンジャンクションによって、楽観的でポジティブな刺激があります。反面で怠惰になったり、食べ過ぎる可能性(体重に注意!)も出てきます。

太陽、水星と海王星のスクエアは、混乱したり、現実逃避しやすいですが、感受性は鋭くなり、アートや創作にはよい影響があるでしょう。

火星も射手座で、楽観的で熱意をもたらしますが、海王星とのスクエアで優柔不断になったり、衝動的な行動をしがちです。
金星は天王星とオポジションのため、人間関係や経済状況が突然変化する可能性があります。

まとめ

今回の冬至は、なかなか難しいエネルギーのように思いましたが、逆に言えば(開き直って)もう楽観的になるしかない、楽観的になったほうが勝ちということかも。

日本の政治は瀕死状態で、旧態依然としたものが終わって行くのを私たちは目撃しているわけですが(でも、案外しぶといのよ)、新しい価値観が生まれてくるしかないと思います。

私たち個人の生活においても、新旧交代や人間関係のリセットが起きる可能性が高く、その寂しさや悲しみによって精神的に成長し、また別の新しい人間関係の構築も起きるでしょう。
手放すものが大きいほど、得るものも大きいです。

『風と共に去りぬ』のヒロインは、南北戦争の荒廃の中で力強い宣言をしましたが、私たちも実際の戦争に関係していなくても、情報戦争の真っ只中にいます。
個人的なことを言えば、私はガザ地区の悲惨な状況にダメージを受け続けています。私がフォローしているジョナサン氏が先日X(旧Twitter)にポストされていた言葉に、共感を感じえませんでした。

私はこの冬至をポジティブに捉えようとしてきたが、正直なところ、この水星逆行がそうさせてくれない。
実のところ、この水星逆行は山羊座で起きており、山羊座は組織のパワーを扱っている。一年で最も夜が長いこの時期に、私たちの多くが、世界の他の国々を人質に取っている権力に溺れた少数の悪党政府に対して、自分たちがいかに無力であるかという暗い現実と向き合っている。
屈辱的で恐ろしいことだ。

けれども、ガザ地区で起きていることを私やジョナサンのように感じていない人もいるでしょうね。

2024年が非常に重要な分岐点になるせいか、宇宙から「君たちはどう生きるのか」と問いかけられているように感じました。

今日はこのへんで。お読みくださりありがとうございました。
10年に一度の大寒波到来とか。ぬくぬく暖かくしてお過ごしください。



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