日本書紀に見る星食の記録

最近、古天文学者の斉藤国治氏の著書『星の古記録』を読んでいます。

斉藤氏によると、日本で天文観測の古い記録は、『日本書紀』に出ているそうです。
先日、金星食がありましたけれど、月が星を隠す星食は、『日本書紀』には西暦640年3月4日(ユリウス暦)に月が星を隠したという意味で「星入月」(星、月にイル)と書いてあったそうです。

西暦640年は、日本は舒明天皇(じょめいてんのう)在位12年、飛鳥時代です。
※グレゴリオ暦では、640年3月7日。

記録は、のちに陰陽師と呼ばれるようになった天文官によるものです。
このとき月が隠したのは恒星アルデバランだったことが、現代の天文計算ではわかっています。

このことをtweetしたら、すぐに天空図(天文図)を作ってくださった方がいらしたんですが、当時の観測が正確だったということがよくわかりました。
(その天文図をUPしたかったのですが、拡張子が違うようで載せられませんでした。ご興味ある方は、良かったら私の動画「運気予報2021年11月13日」をご覧ください。https://youtu.be/9Nv8XLV6icQ)

ホロスコープを作ってみました。記録されていた時間は午後8時27分。

画像1

月とアルデバランがしっかり重なっているのがわかります。
太陽と月は65度離れていますので、新月から5日ぐらい経った頃ですね。
まだ月は半月よりは小さい大きさでしょう。
満月だったら、月の光が強すぎて見過ごしていたかもしれませんね。

このころは、地球と月と惑星の距離がわかっていなかったので、月の手前を惑星が通ったという誤った記述もあるそうなんですが、その他は正確な記録が多いそうです。

*おまけ*
ユリウス暦をグレゴリオ暦に変換するのに便利なサイトhttps://keisan.casio.jp/exec/system/1257144260


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