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#8 ラテラルの整理 〜セルジロベルト≧セメド〜

●ラテラル(SB)の考え方
ラテラルは華のあるポジションではないが、彼らのポジショニングで試合の流れは大きく左右される。まして、短いパスを中心にボールを前進させるバルサのフットボールではビルドアップでより大きな影響を与えるポジションだ。現に昨季はRBで起用されたセメドのポジショニングが悪く、右の幅を上手く取れなかったことがボールが円滑に動かなかった原因だ。

彼らはDFの選手なので、1vs1やカバーリングなどの守備能力は必須だが、攻撃でも大きなタスクを担っている。しかし、同じSBでも選手の特性があり、サイドでの上下動が得意な選手もいれば、それが得意ではない選手もいる。選手に得意なことをやらせるには、WGやIHなどとの関係性を整理して、彼らの特性に合わせた攻撃時のタスクを用意する必要がある。

●現スカッド
現在、バルサの主なラテラルは
右→セルジロベルト、セメド、ワゲ
左→アルバ、ジュニオル、ミランダ
の3名ずつである。SBの攻撃時の配置は大きく分けて以下の3タイプである。

・「大外」→タッチライン際にたち、相手を広げる役割。立つ位置は低すぎても、高すぎてもダメで意外に適切な位置を取れない選手は多い。WGが内側を取るのが得意な選手の時に有効。WGが張った時はインナーラップ。
・「偽SB(CB)」→3バック化して、後ろでのビルドアップに参加する役割。CBの選手やポジショニングに難を抱える”守備者”がSBの時に有効。ウイングに張れる選手が必要。
・「偽SB(中盤)」→内側にはいり、中盤(基本は3列目)の役割をする。中盤出身の選手がSBの時に有効。WGには張れる選手が必要。

特にコメントしておきたいのはセメドの起用法について、彼は1vs1の守備には定評がある(Aデイビスにブチ抜かれたシーンが頭から離れないが)。しかし、攻撃ではポジショニングが悪く、狭いスペースでのコンビネーションも下手である。彼はスピードがあるので「大外」として起用され、ドリブルというイメージがあるのかもしれないが、この起用は絶対やめたほうがいい。高い位置をとらせるなら断然セルジロベルト

●CBのラテラル起用
簡単に言えば3バックなのだが、SBに本職CBの選手(ウンティティやEガルシアetc)を起用して、攻撃時に後ろ残しにするというオプションもあってほしい。近年、ピケは素晴らしいパフォーマンスを見せているが、RBが上がった状態の広いスペースでスピードのある選手に晒されるのは避けたい。そこでRBに「偽SB(CB)」でセメドやトディボ、Eガルシア?などを起用して、攻撃時に3バック化することで、カウンター時にピケの両脇を守って、中央に専念させることができる。このオプションがあれば、ラテラルの控えに無駄な人員を割かなくてよくなる。もっといえば「偽SB(CB)」型の選手に関しては、サイドでの守備の精度は個々人だが、これでまかなえることになる。

●コンバート
推したいコンバートは2名。
①オリオル・ブスケツ(CM→RB)
トゥウェンテにレンタルしていた選手である。本職はピボーテであり、RBで守備をこなしながら「偽SB」の役割をこなせると思う。サイズもあり守備力は問題なさそう?昨季のプレシーズンに実際にこの起用で1度試されている。

②ラフィーニャ(CAM→LB)
チームに残った場合、中盤では選手が多く、選手出場機会は限られるだろう。彼がLBに入った場合「偽SB(中盤)」を担えれば、左サイドに張るタイプのアンスファティとの連携はよさそうだ。難は守備にあるが、格下相手なら使えそうなオプション。

●人員整理
個人的に絶対残留はアルバとセルジロベルトだけ。セメドは正しい起用ができれば、ストッパーとして素晴らしいセンスがあるが、前にも述べた通り「偽SB(CB)」に関しては他選手でまかないやすいので、新たな補強があるならば弾き出されるだろう。左に関しては守備が軽いジュニオルを売って、カンテラ育ちのミランダを残して欲しい。そして、何故ククレジャを売ってしまったのか?「チームカラーに合わない」だとか言われていたが、そんなことは慣れればいいことで、持っているものは一級品だった。彼こそアルバの後継者になれたと思う。

●補強
ガヤ、アンヘリーニョ、グリマルド、カンセロなど多くの名前が挙がっている。やはり欲しいのはカンセロ。多少守備に難はあるが、攻撃性能が高く、両サイドこなせる。やはり、高い位置を取れる「大外」型のSBは代えが効きづらく、右でセルジと争いながら、アルバが不在の時は左で出られるのが良い点。アルバももう年齢的にフル稼働は難しいだろう。しかし、ただ単にLBをとってくるのでは出場機会が限られてしまい、不満分子になりかねない。グリマルドなどは控えを受け入れないだろう。一方、アンヘリーニョはナーゲルスマンの下でタスクを整理されてプレーしているが、シティ時代を見てもわかる通り、ポゼッションスタイルで多くの事を求められると無理である。それに37億円は馬鹿げている。しっかり選手のノリではなく特性と実力を見極めて獲得するべきだ。

●まとめ
個人的には、セルジロベルト、カンセロ、アルバ、ミランダがいれば十分にまかなえる気はする。あとは、上に挙げたコンバートとウンティティやトディボなどを残留させてSBでも起用するプランを推す。

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