"後追いデータ"から見る愛知県の対COVID-19動向

COVID-19の全世界的流行は、まだ次の波が来る恐れは十分にあるものの、少しずつ収束に向けた対応の方向が見えてきているように感じます。

今日は自分の居住地である愛知県に関して、新聞記事を引用しながら考えてみます。

愛知県の4月患者動向について

まずは5/12(本日)付中日新聞一面記事から。

https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2020051202000058.html

以下記事より画像引用。

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「七日間の陽性率」という数字は新聞やテレビなどで最近取り上げられている指標のようです。検査数には曜日効果があり、土日は当然休日なので検査を受ける人も検査をする人も少なく、見かけ上の数値が下がることから、1週間平均で曜日効果の影響を軽減した傾向を掴もう、ということです。

陽性率は検査により判明した新規の感染拡大傾向、入院者数は累積の患者数とその快復傾向を示す事になると思います。ウィルスの拡大を抑制し、その上で医療機関の負荷が下がるように社会活動を制御していこう、という評価関数になります。

愛知県の対応時系列

東京都ほか1都1府5県に緊急事態宣言が発出されたのが4月7日。翌週末の4月16日にはこれが全国に拡大されたのはご承知の通り。

4月7日時点で名古屋市長は国に対して名古屋も対象に含めるよう要望を出すと言い、一方で県知事は経済圏の近い岐阜、三重と連携して共同アピールをするものの、この時点で緊急事態宣言地域への追加要望はしていませんでした。ただ、そこから2日後の4月9日、県知事からも緊急事態宣言の対象地域への追加要望があり、4月10日より県独自の緊急事態宣言を発出しました。

ここで先ほどの七日間平均陽性率のグラフに戻ってみます。愛知県の陽性率が危険領域に入ったピークの日付は4月9日。ただし、愛知県の人口約755万人(2020年4月1日時点)・面積約5,143平方キロメートルに対して、名古屋市は人口約232万人(2020年4月1日時点)・約面積326平方キロメートル。県面積約5%の範囲に県人口の約3割が居住しており、また感染クラスタも名古屋市内が主であったことから、名古屋市側のデータが県側の集約データよりも先に危険領域への突入兆候が出たことは想像に難くなく、それぞれの手元に入ってくるデータのタイムラグが、知事と市長の主張時間差になったものと考えられます。

また、愛知県が遊興施設等事業者への休業要請を行ったのは4月16日付、また4月22日にはパチンコ店へ再度協力要請を発言していますが、これも下降しつつあった陽性率が再上昇に転じたタイミングと合致しています。この時点においては、陽性率の注意領域を下回るべく休業要請により拡大抑制を図るが、15日前後から再度増加に転じたことで、ゴールデンウィークに再度の感染急拡大と危険領域突入が発生することを危惧し、強い介入を企図したものと考えられます。

結果論から見る首長の動き

愛知県全体のこれまでの動向としては、ギリギリまで地域経済を止める緊急事態宣言を避けたかったが、データとしてストップを掛けざるを得ないラインに到達したタイミングで知事が判断をした、と考えられます。

また、愛知県と名古屋市、愛知・岐阜・三重の三県知事は日頃の経済的な結び付きからかなり密な連携をする体制があり、現在の非常時において有効に機能していると言ってよいと考えます。ようやっとる。

データと経験値に基づく社会・経済活動再開への動きも、ここまでの対応が比較的成功しているということから、妥当性の高い目標設計が出来ていると受け止めています。県民の一人として、出来る範囲で引き続き協力をしていければと思っております。

自分自身は休業要請云々とか直接的には関係なく仕事が無い状況が続いてるので、社会情勢に適合した営業をしていきたいなーとは考えているんですが。こっちはこっちで五里霧中。ふえー。



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