静脈瘤の手術を受けました
はじめに
先日、下肢静脈瘤の手術を受けてきました。手術体験記とかってあんまり見なかったな〜、書き留めておこうかな〜〜とそんな感じのnoteです。今回。
実は、下肢静脈瘤ってそれほど珍しい病気ではないんですよね。
もちろん、出産経験がなくても発症するし、女性だけじゃなくて男性も発症します。親が静脈瘤を発症していたら、子の発症率が高いようです(遺伝性)。また、立ち仕事が多い方も発症しやすいようです。
自覚症状は10年以上前から
さて、下肢静脈瘤ってなあに? って言うと、足のふくらはぎあたりの血管がぽこぽこ膨らんじゃう病気です。
基本的に、命に関わるものではなくて、足が浮腫んで痛いとかだるいとか、見た目(静脈がボコボコ膨らむので)が悪いとか、生活する上でちょっとした『嫌なこと』を引き起こす病気、と思えばいいかな。
わたしの症状は、ふくらはぎの内側に血管が浮き出ること、でした。ミニスカ履いたら目立つでしょうけど履かないので(笑、特に治療もせず、10年以上放置していたんですね。母も下肢静脈瘤持ちでしたし、特異なものでもなかったこともあって、放置しておけた、とも言えます。
それが最近、足のだるさや痛みが強くなったり、炎症を起こしたような熱をもつようになってきて、無視するのも結構しんどくなってきました。人間ドックで指摘を受けたこともあって、治療の方向で考えた方がいいのかもなあと思い始めました。
まずは医者に話を聞こう
早速、病院を探すことにしました。静脈瘤は血管外科で扱うようで、自転車で行ける距離の大きな総合病院でもOKのようですが、紹介状がないのでアウト。
市内にはそこ以外、扱う病院はないっぽい。そうなると必然的に電車移動が含まれてきます。選択範囲がぐっと広がったので、交通の利便性に加え、口コミも参考に探すことにしました。
結果、それほど遠くないところにあった下肢静脈瘤の専門病院に決めて、予約を入れました。Webでできたので気楽。それが7月上旬の話。結構埋まってて、予約日は7月下旬になりました。
下肢静脈瘤の原因と対処
下肢静脈瘤は、静脈の血管の故障によって引き起こされる病気です。静脈の血管には逆流を防ぐ弁が付いているのですが、それが内部の圧力で壊れてしまうのが原因だそうで。
病院では、足先から心臓に戻るはずの血液が、うまく戻らず一部逆流してしまうことによって起きる、と説明を受けました。また、壊れた弁は復活しません。つまり、マッサージや着圧ソックスで症状軽減や予防は見込めても、根本的な解決にはなりません。治したいなら外科的な処置が必要になります。
外科的な処置って何よ、というと、もうしょうがない。壊れた血管を使わないようにするしかないんですね。静脈瘤の原因になる血管を塞いでしまう、と言うのが基本的な手術内容になります。
ええってなるかもですが、静脈瘤って、皮膚表面近くにある表在静脈で起きていて、一つ塞いだ所で全く問題にはならないんだとか。
手術内容は、現在は、カテーテル手術が主流で、高熱レーザーで焼いて塞ぐか、人体に影響のないグルー(接着剤)で埋めて塞ぐかの二択のようです。
検査から手術決定まで
初診の日は、検査の日。わたしの場合、自覚症状と、下肢静脈瘤特有の瘤、それからCT検査にて血液の逆流が認められたことで、病名が確定となりました。
下肢静脈瘤が確定した以上、放置してても意味はないですし、そのまま手術を受ける方向で話を進めました。
手術費用は、
高熱レーザー手術 < グルー手術
なのですが、高熱レーザーの場合、術後1ヶ月くらい着圧ソックスを履いて固定する必要があり、その着圧ソックスの値段を加味すると、ざっくり
高熱レーザー手術+着圧ソックス = グルー手術
となるとのこと。
旅行が控えていたので、手術は一ヶ月後の8月末。ともあれ、真夏に着圧ソックスを24h履き続けるのは暑いし辛いよなあ、とグルー手術を選択しました。
たまにグルーにアレルギー反応が出る人もいるそうで、湿疹や皮膚の痒みが出るそう。通常はアレルギー反応を抑える薬を服用し、二週間って言われたかな? その程度で収まる、と言うことでしたが、治らなければ血管からグルーを取り除く手術が必要になるそうです。日常的に接着剤を使う職業(内装業で壁紙を貼ってたり)の方はアレルギー反応が出やすいので、避けるよう勧める、と言う話でした。
術後は、避けた方がいい行動というのがあり、当日は長湯禁止。それから一週間は激しい運動は禁止。一週間後からほぼ普通の生活が送れるようになります。どちらかというと安静などせず、せっせと動いていた方が良いようです。ただ、正座(圧がかかる)と、整体(マッサージ。こっちも多分、圧を懸念)は一ヶ月間禁止でした。
手術は、局所麻酔を使ってのカテーテル手術で、日帰り。かかっても1.5時間程度。術後は自分で歩いて帰れますよ〜と言うことで、『手術』といういかめしい響きの割に、軽く済むんすね。
ともあれ、手術日の予約をし、あれこれ書類に署名をして、血液検査を受けて帰宅しました。
手術を受けるよ
手術日(13時)。
10時以降に食事は取らないように、と言うことなので、朝をしっかりめに食べて病院へ。血液検査の結果を渡され、手術に問題がないことを確認(問題があれば即時で連絡がある模様)。
体温測定の後、手術着に着替えて、手術開始。
手術室で錠剤(抗生物質)を飲み、ベッドに仰向けに。点滴で麻酔を打ってもらいつつ手術開始。ふくらはぎの真ん中あたりからカテーテルを刺して行くんですが、痛みはほぼありませんでした。一回くらい、いたあ! ってことがあったかな?
うつらうつらしている間に手術終了。麻酔がちゃんと覚めるまで10分ほど寝かせてもらい、自力で手術室を出て、お会計を済ませ、抗生物質と痛み止めのお薬をいただいて、帰宅しました。病院から出たのが14時半くらいだった気がします。
そこから始まる痛みが辛かった
手術中の痛みはなかったんですよね。なかったんですけど、術後の痛みが結構強かったです。どういう痛みかというと、筋肉…? 筋…? がひきつれる系の痛み。血管を固めるから? 神経が触るのかなあ。
膝の曲げ伸ばしが結構どころかかなりしんどくて、平地を歩くのはある程度我慢出来ましたが、階段の上り下りはだいぶ苦労しました。
術後一週間後には、痛みは減ってきていて、特に問題ないことを病院にて確認してもらいました。少し心配していたアレルギー反応はなかった…んですけど、二週間とちょっと経った頃かな。かなり強い痛みがぶり返し、ちょうどカテーテルを突っ込んだあたりから、静脈瘤があったあたりの皮膚まで、やや赤く変色して、熱を持ったんですね。
それから、5mmくらいの、ぽこっとしたものが膝の内側、皮膚下に出来ているのも分かりました。
何か異変があれば相談して、と言われていましたが、変色もそれほど目立つわけではなく(自分で見て、なんとなく…?? 赤い…?? っていうレベル)、熱を持ってるのも湿布貼れば気にならなくなったし、もう少ししたら術後一ヶ月検診だし…と様子見してたら、いつの間にか治ってました。(お勧めしない対応)
一ヶ月検診で上記状態をお話ししたら、アレルギーが出る期間内だからもしかしたらそうだったのかも、と言うことでした。
後、ぽこっとしたものについては血栓で、血管を潰している以上出来てしまうんだそうで。まあただ、時間経過で小さくなるかも、という話でしたね。触れば確かにそこにあるけど、触らなければ全然気にしないものだったので、ま、いいかあって感じ。
ちなみに、血栓っていうと、心筋梗塞や脳梗塞が思い浮かびますが、あれは動脈の血栓が原因で、静脈の血栓はそれらの原因にはならない、とのこと。
術後1.5ヶ月が経ちました
現在、こんな感じ。
下肢静脈瘤はじわじわと無くなりました!
カテーテルを差し込んだ痕はまだ残ってます。
痛みはほぼ全て無くなりました。
血栓はまだありますが、一ヶ月時点と同様、気になりません。
手術を受けたからといって即治る、と言うことではない、時間がかかりますよ、と言うのは、病院から言われていたことでした。「あ、この血管、あかんわ。他のん探そ」って体が理解するまでの時間が必要なんだろうなあ。
そうやって時間が経って現在。いくら立ち歩いても、足のだるさや、炎症のような熱っぽさが無くなって、至って快適になりました。手術費用はかかりましたが、入っている保険が適用されるので、幾ばくかが保険会社から払われるようですし、手術受けて良かったなあと思います。自分で感じていた以上に、足の痛みや、見た目の悪さってストレスだったのかもしれないです。
もし、下肢静脈瘤あるんだよなあ、と言うかた、普段の生活でなんかちょっと辛いな〜って言うことがあれば、専門医に診ていただくのをお勧めしておきます。前述しましたが、発症してしまったら自然治癒は見込めないので、放置しておくとむくみがひどくなったり、潰瘍ができたり湿疹ができたり、そのせいで皮膚が黒ずんだり、とかあるようなので…。見た目気にしないよ、って思ってても、やっぱりそれなりにダメは喰らっちゃうからねえ。
ふわっとした体験記ですが、どなたかの参考になれば幸いでございます。
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