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出光佐三、美の交感@出光美術館

母がまだ施設で、夜も居ないので、気持ちに余裕がある土曜日。


行きたかった出光美術館に行くことにした。

出光佐三、美の交感

休館前にとにかく収蔵品を見ておきたい。

出光美術館は、令和6年(2024)12月をもって帝劇ビルでの活動をいったん終え、しばらくのあいだ休館します。皆様をこの展示室へお迎えする最後の一年は、4つの展覧会によって当館のコレクションの粋を紹介しています。第2弾となる本展では、当館の創設者・出光佐三(いでみつさぞう)(1885-1981)と同時代を生きた作家たちの活動に、スポット・ライトを当てます。

出光美術館HPより

次の企画展も行くつもり。

今回、出光佐三が支援した2人、
板谷波山(いたやはざん)
小杉放菴(こすぎほうあん)
の作品と、ルオーとサム・フランシスの作品を見ることができる。

◆出光佐三(いでみつさぞう)
1885年〈明治18年〉8月22日 - 1981年〈昭和56年〉3月7日)は、明治から戦後にかけての日本の実業家・石油エンジニア・海事実業家。石油元売会社出光興産の創業者。貴族院多額納税者議員。

Wikipedia

出光佐三が支援した、板谷波山と小杉法菴の作品が同時にたくさん展示されるのは珍しく16年ぶりとか。

板谷波山

どの作品も素晴らしくて、何往復もして見てしまった。

うまく表現できないのだけれど、とても上品。
そして、もの静かな作品。
躍動感!みたいなものはなく、佇まいが静かだなと思うものが多かった。
だから見ていて疲れない。

本人は作品に関して非常に厳しく納得いかないものは割ってしまう。
出光佐三が、頼み込んで破るのを免れたものに、“命乞い“と命名された茶碗などがあったが、そういう作品の箱書きには名前を書かないという徹底ぶり。

人間国宝の打診もあったが、辞退している。(河井寛次郎や北大路魯山人も辞退している。)

この記念館(茨城県にある)にも足を運んでみたい。

板谷波山の作品

美術館は撮影禁止だったので、
こちらのサイトの画像をご参考に。

こちらのサイトにも画像がある。

たまねぎの形の花器や、月桂樹と撫子の壺など、本当にどの作品も見事で何時間でもいられそうだった。

出光佐三が初めて購入した作品
出光美術館HPより転載

◆葆光彩磁
葆光釉(ほこうゆう)はいわゆるマット釉の一種です。これを施釉して1,230℃で焼成すると、艶消しの効果によって霧が立ちこめたような幻想的な釉調が得られます。

葆光とは「光を包む・保つ」という意味を持ち、(後略)

https://touroji.com/technique/hokousaiji_hazan.html


葆光彩磁の技法の作品は、雰囲気が柔らかくて主張が穏やかなので見ていて落ち着く。

出光美術館HPより

板谷波山の白磁も素晴らしかった。
白にも青みを帯びた氷華磁や淡い黄色味を帯びた淡黄白磁などいくつか種類があり、(といっても微妙な違い。基本は白磁)どの作品も美しい佇まい。

友達と『どの白磁が好きだった?』
と話すくらい、白磁の作品も印象深かった。

写真が撮れなかったから伝わりにくいと思うのだが、7月7日まで開催中なので見てもらえたらなぁと思う。

出光美術館はこぢんまりとしてワンフロアだし人もぎゅうぎゅうにならないので、作品をじっくり見られるのも好き。

小杉放菴


こちらは、日光に美術館がある。

小杉放菴は本名を国太郎といい、1881(明治14)年に日光で生まれました。日光在住の洋画家・五百城文哉に師事したのち、上京して小山正太郎が主宰する不同舎で学びます。「未醒」と号して活躍し、雑誌特派員として日露戦争に従軍。のちに反戦文学の先駆と評されることになる『陣中詩篇』を出版しました。帰国後は、文部省美術展覧会で2度にわたり最高賞を受賞し、この間、漫画家や挿絵画家としても頭角を現しました。
 のちには横山大観と親しくなったことから、1914(大正3)年の日本美術院再興時にも、同人として加わり、洋画部を牽引していきました。同部が第7回展をもって解散してから、友人たちと新たに春陽会を結成しますが、その後も、山本鼎の農民美術運動に協力するなど、その芸術活動にはたいへん幅広いものがありました。
(中略)
 代表作には、東京大学・安田講堂の壁画や、東京国立近代美術館の《水郷》、当館の《神橋》《飲馬》などがあり、それらの作品に現れた自然への優しい眼差しは、幼い頃を過した、ここ日光で育まれたものといえます。

https://www.khmoan.jp/khmoan/index.html

今までも見たことはあったと思うが、今回のようにこの人だけ集中して見るのは初めて。

画像がないから難しいのだが、
この人の作品もまた良かった。

洋画部に所属とあるが、日本画も描いている。

この上部で舞っている絵が
小杉放菴(一部)

天のうづめの命
(あめのうづめのみこと)

当時、竣工されたばかりの日本最大の出光興産タンカー・日章丸のために、放菴が贈った1枚です。この絵が船長室に飾られたタンカーは、のちに日章丸事件の主役となりました。(出光美術館HP)

この方の描く女性は、絶世の美女という雰囲気ではないけれど、親しみやすいあたたかさがあると感じた。
ちなみに、このうづめの命は、ブギの女王・笠置しづ子がモデルらしい。

尾長鶏や銀鶏、郭公、珠鶏(ほろほろちょう)などと、木のモチーフの絵も良かった。

木と鳥の配置や色使いが好きだった。

梅花小禽図は、奈良の月ヶ瀬の梅を見て、それがもとになっているらしい。梅と鳥がゆったりと描かれていてこちらもずっと見ていられる。

この作品の隣に滋賀県のお寺の襖絵のために描かれたと思われる、やはり梅と鳥の絵があったが、こちらは梅の木にサルノコシカケがついていたり、梅の木もまた少し違う雰囲気で描かれていて良かった。

友達は梅花小禽図の方が好きだと言っていて、私は最初そう思ったが、もう一つの方もやはり良くて決めかねてしまった。


友達が後から来たので、別々に見たのだが、じっくり見過ぎて友達より30分も時間がかかってしまった。

立ち去り難かった。

出光美術館の展示はいつもいい。

一番右列の下から2段目も最近見に行った。
最下段の右から3つ目はSのお母様と見に行った、懐かしい。




過去の企画展パンフレット写真のパネル


蒔絵の企画展も素晴らしかったが、パンフレットが探せなかった。

出光美術館からの眺め


購入したもの

美術館のショップはこじんまりしている。

友達に出す絵葉書と、
父の部下の爽やかシニアさんがルオーがお好きなので、ルオーのクリアファイルと絵葉書を購入。
軽いので手紙を書いて郵送するつもり。
目が良くないからあまり美術館には行かないとのことでほんの気持ち。


今年の12月まで、あと2回ある企画展。

見逃さないようにしたい。

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