見出し画像

葉が落ちて、蕾のとき


10数年ちょっと前に、期待と不安を抱えながら、引っ越しをした。

その移動距離は、ネットの地図上で1,136km。

生まれてから、県外に住んだこともないのに、いきなり1,000km以上も北上。
北の大地に住むことになった。

今から思えば、その選択も必要だったのか分からない。
大事にしていたモノから遠く離れてしまったという喪失感を覚えるのに、時間はかからなかった。

そのあと住む場所は2回ほど変わり、今は地元から1,402km南下した場所にいる。

『なんだか疲れた』

期待や希望もあって、決めたことかもしれないが、その情熱がどうしても、捻り出しても出てこない。

更年期なのか、なんなのか理由も分からない。

でも、ふと思う。

いろいろあって、多分今は地元に帰りたいんだと。

10数年前には、なんらかの情熱は今よりあった。
でも、今はない。
その10数年の間に、とても大事な存在も亡くしてしまった。

今はただ、じっと。
花が開くのを待つ蕾の気分。

開くのだろうか。

自分は花じゃないから、このまま春が来ても開かないかもしれない。

そんなことを、とりとめもなく考える。
頭の中を考えてましたかないことがぐだぐだまわる。

そんな時は、じっとして力を蓄えよう。
好きな温かいものを飲んだり、
やわらかな布団の上でゴロゴロしたり、
優しい本を読んだり。

何者かになろうとしてもがいたりしないで、

今あるものに感謝を数えながら過ごそう。

開けない夜はないし、蕾もいつかは咲くだろう。

私という蕾は、私という花しか咲かせられないんだから、咲く時期を気長に待とう。

お読みいただき、ありがとうございます。 いいなと思ってくださったら、サポートいただけたら嬉しいです。 いただいたサポートは美術館巡りの活動費に使わせていただきます。