繋ぎの時間
怒涛の一週間が終わった。
普段一人で会社と家の往復の生活と、
親と一緒の生活は全く違う。
親との暮らし
普段は赴任先で借りているマンションだが、実家は戸建て。
掃除する分量も、洗濯物の量も、干す布団の量も多い。
幸い、お天気が良かったから、布団もたくさん干せたし、良かった。
が、なんだかんだ座る暇もなくあっという間にお昼になり、夜になり。
家事はやろうと思うとキリがない。
と書きながら、父を休ませたいと思いながらも、全て肩代わりはできなかった。
自分も疲れてしまい、朝は7時から8時起き。
親の朝は早くとても無理だった。
寝たきりではないものの
母は、寝たきりではないが一人で歩けないので、寝室からリビングやダイニング、トイレへの移動は誰かの介助が必要。
目を離すと、一人で動こうとするので、目が離せない。
2階にあった寝室を、一階の客間だった和室に移し、介護ベッドを入れた。
服の脱ぎ着もままならないが、時間がある時はなるべく自分でやってもらう。
が、本人も上手く動かないから、しんどいし、待つ方も根気がいる。
着せて欲しいと言われたとき、どこまで手を出すかも悩ましい。
半日がかりで移動
休みが終わり、半日がかりで赴任地に戻る。
羽田に向かうバスから富士山が見えた。
ずっと天気に恵まれた11月下旬。
東京のビル群を眺めながら、戻りたくないなぁと思う。
南の国の今の家まで7時間はかかる。遠い。
午前中に出ても帰宅は夕方なので、途中軽く、お昼を。
コロナでワインの提供もなかったお店も復活し、少し以前の日常を取り戻しているようにも思える。
今年はボージョレ・ヌーボーを飲んでなかったから、飲んでみたら美味しくなかった。
飛行機の旅は順調で、空港からのバスもすぐに乗れた。
待ち時間があまりないのはありがたい。
明るいうちに帰宅できた。
ようやく部屋に戻り、荷解きをした後、街に出ることにした。
繋ぎの時間
週末によく行く喫茶店と食事の店に行き、こちらでの週末の過ごし方をなぞる。
喫茶店のオーナーさんに、ちょっとしたお土産を渡してお話しながら、こちらでの日常を取り戻していく。
この1週間、全く違うことをしていて、頭の中身が仕事から離れてしまった。
母の通院や、リハビリメニューの把握や検討、今後のこと、などなど。
毎晩ホッとすると、ちょっぴり不安が押し寄せてくる。
訳もなく、泣きたいなと思うことが多かった。
でも家族がいると泣けないし、ひとりでも泣けない。
心がくたびれているみたい。
そんな帰省の時間と明日からの日常を繋いでくれる時間を、いつもの場所で過ごしたかった。
少し散歩をしようと足をのばして、歩いていたら、こちらにいない間に銀杏が黄色く色付いていた。
癒しの喫茶店とお鮨
いつもの喫茶店では、いつも座るカウンターの席が空いていた。
何を飲もうか考えていると、オーナーさんがチーズケーキを出してあげるから濃いめのにしたら?とお声をかけて下さった。
しっとり濃厚なチーズケーキは、疲れた体になんだか沁みた。
(この後食事だったが、美味しくて満足)
ここで、小一時間ほどくつろいだ。
オーナーさんとのやりとりは、心の栄養。
帰り際、『明日から復帰できなさそう』と思わず弱音をはいてしまった私に、素敵な笑顔で『大丈夫よ』と言われたら、気持ちが軽くなった。
そしてお鮨屋さんへ。
お鮨だけのつもりが、やはりつまみたくなる。
からすみや、数の子、お造り(ヒラメ、鯵、鰹)と赤貝のキモ。お造りは食べかけで撮ったけどちゃんと2切れずつ。ヒラメは食べ終わっていた。
からすみと数の子と日本酒は、本当によく合う。そのあと、握りをつまみ終了。
疲れからか、立ちくらみと頭が重く、あまりお酒の気分ではなく少しにした。
もうすぐクリスマス
お店を出ると、もう人通りはなく、閑散としていた。
こんなに静かだとまた感傷に浸ってしまう。
イルミネーションがクリスマス仕様になり、もう2021年も終わるんだなと感慨深い。
こんな風に繋ぎの時間を過ごして、日常へのカウントダウンが始まる。
今年のクリスマスも帰れないから、一人だろう。
でも、それが過ぎればまた帰れる。
次こそは、もっと親孝行しなくては。
と、毎回同じことを思い、まだまだ足りないと思う。
親が元気な時にもっともっと親孝行しておけば良かった。
疲れていると、思考が暗くなる。
明日への繋ぎの時間。
せっかくの日曜日の夜。
もっと楽しい気分で過ごさなくては。
一瞬一瞬の積み重ねが人生だから。
一瞬一瞬に幸せを感じていきたい。
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