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アイドルマスターミリオンライブをアニメ化してくれてありがとう


概要

アイドルマスターミリオンライブは今年10周年を迎えるゲームである。その10年目にして、ようやくアニメ化がされた。
一言で感想を言うなら、長年追い続けて拗らせに拗らせた面倒なファンたち、通称プロデューサーを、感動で黙らせた大傑作だ。
この記事は、その拗らせたプロデューサーのうちのひとりによる感想だ。

見る前

10年目にしてアニメ化。そして、アニメ化が発表されてから3年が経っていた。待ちに待ちすぎた結果、待っている状態がデフォルトとなり、現実味がなくなっていたのである。
アニメはテレビでも放映されるが、劇場先行上映がされることになった。有り難いと思いつつ、感情は追いついてこない。
パンフレットもグッズも買って、座席に座って、劇場内が暗転する。この時になってもまだ、実感が湧かなかった。

物語は、主人公の春日未来の日常から始まる。主人公はなんでも楽しめるからこそ、打ち込める特別な何かがなかった。
「夢ってなんだろう……」
なんだろねー。空虚な主人公と、何の感情もなく観ている私。もしかしたら共感していたのかもしれない。

主人公は765プロのライブチケットを貰ったので、会場まで足を運ぶ。
ちょっとしたキッカケで隣席にいた最上静香という女の子と仲良くなり、お喋りをしていれば、あっという間に開演となる。
暗くなる会場、観客たちが立ち上がる様子を見て、主人公も慌てて立ち上がる。
スポットライトがステージを照らせば、そこには見覚えのあるシルエットたちが浮かび上がっていた。
とても見覚えのある、頭にリボンをつけた少女のシルエット。
そのシルエットから、天海春香の満面の笑みが飛び出してきて、画面いっぱいに映し出された。

あああ〜!?あのアイドルマスターミリオンライブがアニメ化している!!??未来も静香も、春香たちASもいる!!??本当にアニメ化したの!!??マジで!?

きっと、私にとっての彼女たちはアイドルだから、アイドルの彼女たちを見るまで実感が湧かなかったのだろう。

アイドルマスターミリオンライブは本当にアニメ化したんだ!!!!

アニメが始まった!

ライブの演出はとても臨場感があるものだった。それは未来が会場の海浜幕張駅に降車したところから始まっていた。会場までの道、物販や会場内の様子、あのライブが始まる高揚感。ライブに行ったことがあるプロデューサーなら、誰もが一度は見たことがある光景で、この辺りで既に引き摺り込まれていたと思う。
ステージで横に一列に並んで歌う春香たちなんて、アイマスのライブで見たままの光景だ。私もサイリウムを握ってあの場所にいたのだ。

未来と静香

序盤のストーリーでは、未来と静香がアイドルになるためオーディションを一緒に受けるという話で、途中から翼が合流するという流れであった。

未来と静香の出会ったキッカケは、ライブ会場で静香が間違えて未来の席に座っていたことだ。
静香の声優のころあずさんも、ちょっと抜けているところがある天然さんなので、中の人と少し似ていることが嬉しかった。

アニメ化でいくつか懸念していたことがあり、そのひとつが静香の家庭事情だ。
父親からアイドルになることを反対されており、早く結果を出さないと辞めさせられてしまうと、ゲームではよく「 私には時間がないんです」と口にしている。
余裕がなくてピリピリしている静香と一悶着を起こしてグダグダするのではと不安があった。

まず、父親から反対される様子は、静香のフラッシュバックという形で匂わせて終わらせた。
あの短い尺の中で、わかりやすく且つ上手い描写すぎない??
そして、アニメの静香は、アイドルになる一歩を踏み出せずに不安がる子であった。その静香の手を未来が引っ張って明るく笑うのである。
未来と静香のキャラクターを壊さずに、二人が関係性を築いていく展開が上手すぎないか??

二人はオーディションに向けて公園で課題曲を練習する。
あ〜!みらしず!!青春!!ありがとう!!

そして翼

ここまで翼の話題は一切出していなかったが、すでに登場をしている。
翼はプロデューサーからスカウトを受けていて、なろうと思えばすぐアイドルになれる子であった。返事に迷う翼を、プロデューサーは765ASのライブに誘ったのだ。そのライブは未来や静香も観ていたライブだ。
立場や境遇が異なっても、同じステージを観て感動をして、同じタイミングで3人はアイドルを目指すことにしたんだよ〜!!最高か!!??

ってか、ここの3人の差別化が上手すぎる!!
3人が同時に出会ったり、オーディションを一緒に受けていたら、3人とも似たりよったりでパッとしなかったと思う。
翼が先にプロデューサーから一目置かれた状態だったのが、翼の天才肌なところを説明せずとも説明していた。
それに翼が返事を渋ってプロデューサーを翻弄しているところも子悪魔でめちゃくちゃ可愛かった。
センターとなる未来と静香、そして翼の紹介を済ましたどころか、3人の個性や魅力までも観客にアピールできていたのだ!!すごい!!

オーディション

未来と静香の実地試験が始まる。課題曲は3人でやるのだが、1人不参加だったため、急遽翼が入ることになった。
未来と静香は必死に練習して覚えた課題曲を、翼は動画を一回見ただけで踊れてしまう。それを見た静香は、アイドルになれる子はこんなにも自分とは違うんだと不安になる。
そのまま舞台袖まで行き、本番が迫る中、静香は緊張に襲われてしまうのだ。
静香が緊張に襲われてしまった理由が、父親に反対されていることや、765プロのオーディションが今回で最後だから後がないからとか、その辺を押しても別に良かったはずだ。実際にこれもあっただろうし。
しかし、翼の才能を目の当たりにしたのがキッカケで、蓋をしていたはずの不安や緊張が溢れかえってしまう描写が上手すぎたよの!!天才か!!??

もうここからが神すぎて言語化するのが難しい。
試験が始まると、静香の緊張で切羽詰まって、息が苦しくて、目の前がぐらついて視界も悪くなっていく様子が、わかるわかるわかる〜!!苦しい〜!!ってなって、この辺りで若干記憶が飛んでいる。
そんな静香のことを、未来と翼が背中を押してあげる。舞台袖で言われた未来の言葉が静香の脳裏に蘇る。
「アイドルになれるよ。だって、私はもう静香ちゃんのファンなんだから!」
あ〜!!!!静香のファン一人目はプロデューサーじゃなくて未来ちゃ〜!!!!未来ちゃ〜〜〜〜!!!!尊いありがサンキュー!!!!!

ぼそぼそと歌っていた静香が顔を上げて、堂々と得意な歌声を披露する。
3人が「Rat A Tat!!!」を楽しそうに歌って踊っている!!夢の扉を思い切り叩いている!!
そりゃプロデューサー含めた観客たちは、百万の生命の輝きが見えちゃうよね!!!!あー見えちゃった!!!!
ミリオンスターズの今後のビジョンが鮮やかに見えましたー!!!!

この間、私はずっと号泣しながらタオルを握りしめていて、情緒がぶっ壊れながら観ていたので、実は記憶が曖昧です。
ずっと待ってて良かった。皆が見たかったミリオンライブが、映画館で、シアターで見ることができた。
きっと私にとって、かけがえのない思い出になると思う。

この時点で号泣してヒィヒィしていたのに、アニメ2話分でまだ折り返し地点だと……!?

3〜4話部分(2回目鑑賞後に書きました)

2回目の鑑賞を果たしました!茜ちゃんステッカーがどうしても欲しかったので手に入れられて嬉しいです。
鑑賞してから上記の文章を読むと、だいぶ記憶違いがありますね。やはり感動をすると記憶が飛ぶ。
後半部分も書こうと思いましたが、他の方の感想や考察が素晴らしすぎて引き摺られそうなので、簡単に書くことにしました。

3〜4話では、他のアイドル34人の紹介をすると同時に、新人プロデューサーの方針も知ることができて、やっぱり脚本が素晴らしすぎました。

まつり姫と百合子

3話ではシアターの紹介と、アイドルについて皆の思いのお話でした。
ここで良い役割をしていたのは、まつり姫と百合子でしょう。

未来たちがシアターへやってくると、様々なアイドルたちと出会います。
変なアートを作る子、作り物の白馬に乗ってくる子、劇場内で野球をする子、少し妄想癖がある子、皆ちょっとおかしな子たちです。
でも、皆とってもいい子で、アイドルになりたい夢を持つ子たちなんですよね。

作り物の白馬に乗ってきた子、まつり姫は、ちゃんと周囲の子たちを見て気遣いのできる子でした。
シアターを工事している現場の方々に差し入れもしてて、育ちの良さも見えます。
そんなまつり姫の気遣いのおかげで、先輩アイドルだと気負って頑張りすぎていた子も気負わなくなりました。

先輩アイドルだと気負っていた子、百合子は、まつり姫からのちょっとした助言のおかげで、未来たちにアイドルのことを教えてあげられます。
シアターの屋上から見える夜景が、まるで舞台から見る客席のサイリウムのようで素敵なんだと、とても素敵で詩的に教えてくれました。
百合子の語りが素敵すぎで、BGMがLegend Girls!!なのに気付きませんでした。2回目でほんまや……と驚きましたよ。

シアターやアイドルのことを教えられて、皆が早くステージに立ちたい気持ちを知ります。そこで未来は原っぱライブを思いつきました。

原っぱライブ〜!?

未来の思いつきに静香と翼が驚きますが、応援上映だとPたちも「原っぱライブ〜!?」と叫んでいたのが面白かったです。

未来たちが皆に原っぱライブを提案し、プロデューサーが承諾をすると、そこから話がドンドンとおかしな方向に広がっていきます。

ここで可愛かったのが茜ちゃん!
茜ちゃんが原っぱライブに肯定的なあまりに、シアターにいる皆に原っぱライブをやることを言い触らします。
この時のウッキウキな茜ちゃんの動きがウザ可愛いさと言ったら……!この動きに負けないぐらいに、茜ちゃんの話し方もウザ可愛くて、なんかもう茜ちゃ〜〜〜ん!!!でした!

そんな茜ちゃんからシアターの皆へ言い回らせることで、変な伝達ゲームが始まってしまいます。
茜ちゃん同様に肯定的で変な思いつきをする子、調べごとなどのプロデューサーのお手伝いをする大人組、原っぱライブをやるにあたっての課題に頭を抱える子、そして、原っぱライブに不安を覚える子。
ここで一気にアイドルたちを紹介できたのが凄かったです。

個人的に凄いと思ったのは、バックダンサーとしてお仕事に行っていたため、現地にいなかった子の選出です。
まず、可奈と志保は、ムビマスの方で揉め事を起こした子たちなので、遠方にいることで原っぱライブを客観的に見られる立場にいたのが良かったです。
次に朋花です。私は朋花が好きですが、シアターにいたら雑に「聖母の威圧が……!」みたいに言われて、無駄に周りを萎縮させるだけになっていたのではと思います。
亜里沙は原っぱライブのことを「新人アイドルちゃんの伝説のシークレットライブ」になるのではとかなり肯定的だったので、シアターにいたら茜ちゃんと役割が被ります。アイドルが好きな子だからこそ、客観的に意見を言える立場にいて良かったと思います。
千鶴はシアターにいたら大人組と一緒に調べごとをしていたと思うので支障がなかったと思いますが、今後の展開もあると思いますので割愛。

そして、一旦皆が集まって、原っぱライブの話をすることになりました。
原っぱを借りられるのが2週間後の日曜日しかないこと、課題が多すぎること、前途多難です。
ここで反対する桃子がね……! 言っていることが正しいのに仲違いするような形になって、雰囲気が悪くなってしまうくだりが、見ていて本当に辛かったです。
でも真っ向から反対したのがプロ意識の高い桃子で良かった。ビシッと言ってくれるのが、あの場には桃子しかいなかった。
そして桃子の対立的な立場に立つのが奈緒で本当に良かった。対立的と言ったけど、桃子の発言を攻めたり否定したりするわけではなく、言い方だけを咎めるのが良かった。

一旦休憩を挟んで、ひとり落ち込む桃子に寄り添ってきたのが瑞希〜!!!!瑞希〜!!!!
桃子の意見を肯定したうえで、失敗するかもしれないけど挑戦することも大事だと、その伝え方が上手すぎる〜!!!!
そして、育や環やひなたも、桃子のそばに来てくれたのが嬉しい〜!!!!

場面が変わって、舞台袖で落ち込む未来たち。
未来が原っぱライブをやりたい理由が、他の皆も早くステージに立ちたいと、気持ちは一緒なんだと感化されてと告白。
ここでマイクにスイッチをいれる翼が有能。
プロデューサーも、原っぱライブを承諾した理由が、アイドルがやりたいことを言ってくれて嬉しかったことと、プロデューサーも原っぱライブが楽しそうだと肯定的だったこと、そしてアイドルがやりたいことを全力でプロデュースすると言ってくれました。
ミリオンライブのプロデューサーは、アイドルを引っ張っていくのではなく、先に走るアイドルを追うのではなく、一緒に横で走ってくれるんだと嬉しく思いました。
今回は一緒に盛大に転んだけど、これからも一緒に走ってくれて、先に駆けるアイドルと並んで走ってくれたり、時には一歩先に行ってアドバイスをしてくれたり、そんなふうにアイドルといてくれるのではと、新人プロデューサーのことも好きになれました。

手作りの「ぶどーかん」

館内放送により、皆が未来とプロデューサーの言葉を聞いたことで、原っぱライブをやることが決まりました。
ここで桃子が「失敗したらお兄ちゃんの責任になるんだからね」と言ってくれたのが、桃子、お兄ちゃんの心配してくれて優しい〜!!!!と感涙しました。

ってかグリマスの頃からハマっていた老害Pからすると、手作りのぶどーかんをやってくれたことが嬉しいんだが!!??
歌織と紬がいない理由が、もちろん登場をズラすことで二人を目立たせるのもあるだろうけど、GREEで配信していたミリオンライブもアニメでやってくれるんだと嬉しくなりましたよね!!ミリシタもミリシタで皆が好き放題やっているけど、アイドルと全く関係のない屋台やら何やらやろうとしている彼女たちのやりたい放題さが、あの頃のミリオンライブだ!!!!ってなりましたよね。
そこまで拾ってくれるの……?嬉しい、嬉しい……。

というわけで、第一幕はここまで!
第二幕もめちゃくちゃ楽しみすぎる!!
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

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