二者面談-木菟森昴

※メタ
黒い人との二者面談、改めて理解し直せればなという試み
牛→アメ→昭→木菟→マリ→蛍→純→透

コンコン
木菟「失礼します」ガラッ
黒「どーぞー、そこ座っちゃって」
木菟「はーい、あ、お茶で大丈夫です」
黒「…さては昭さんに聞いたね?」
木菟「はい…でも飲み物貰ったぐらいしか」
黒「ならいっか、お茶〜…はいどうぞ」
木菟「ありがとうございます」
黒「さて、二者面談なんだけど…」
木菟「はい」
黒「…」
木菟「あのぉ」
黒「…私は君の事ほぼ何も知らないと言っても過言では無いんだよね」
木菟「え?でも私は貴方の…」
黒「まぁそうなんだけど…見えにくいんだよね、好きな物嫌いな物なりたい職業趣味嗜好…」
木菟「…」
黒「好きな物は悪戯とミミズク、なりたい職業はお兄さん方と同じ自衛官、趣味は…読書とかかな。でも、それぐらい」
木菟「…」
黒「だから、本当はこの二者面談もつくちゃんの事を知るのが目的な所もあるのよ」
木菟「はい…」
黒「そんな訳で申し訳ないけど、いろいろ教えて欲しいな」
木菟「…そうですね、仕方ありませんね」
黒「いぇい」
木菟「じゃあ何から話しましょうか」
黒「そうだねぇ、『木菟は天色の空を飛ぶ』で結局自衛官の道は諦めちゃう事になるけど、こんな別の道に進みたいとかあるのかな」
木菟「あぁ…それですけど、前に出る役割が体格や性別の面で難しいなら裏方で役に立つのも良いかなと」
黒「というと?」
木菟「うちは自衛官もそうですけど警察にも人を出してるので、そちらの鑑識だとか…もしくは犯罪心理学とか学んでみるのも良いかもしれないですね」
黒「あぁ〜なるほどね〜?確かに花形と呼ばれる人達はいるけどもちろんそれだけじゃないもんね」
木菟「でも…結局そっちの道に関わりたいって気持ちは変わらないのですけどね…」
黒「しょうがないよ、憧れは止められないさ」
木菟「そんなものでしょうか?」
黒「そんなものよ」
木菟「そうですか…」
黒「つくちゃんは能力はあるし気持ちの面でも芯があるし、大丈夫よ」
木菟「…ありがとうございます」
黒「ちなみに木菟森家って今まで統合幕僚長とか警察庁長官とかなった人いるの…?」
木菟「いえ、聞いた事はないですね」
黒「あぁそう…」
木菟「出世よりも現場が好きな人が多いそうなので」
黒「ははぁ」
木菟「父も兄達も望まれれば…って感じなので」
黒「でもその感じであのお屋敷維持出来るんだなぁ…」
木菟「というと?」
黒「ん?ぶっちゃけ出世しなきゃお金も貰えないじゃん?という事は現場大好きだけどちゃんと出世もしてるんだなぁって」
木菟「あぁ…」
黒「しかもお手伝いさんもいるし」
木菟「あの方は半分好きでうちで働いてるって御自身で言ってたので…」
黒「好きでって…武器系武道を教え込むのが…?」
木菟「多分…」
黒「なかなか…愉快な人よね、本当」
木菟「両親も本当によく働いてくれると評価してはいるんですけどね」
黒「何となく下宿してる親戚感ある」
木菟「歳は確か兄よりまぁまぁ上でしたけど」
黒「そこ詳しく掘り下げると叩き斬られそう」
木菟「そういえば聞こうとすると止められましたね…」
黒「女性はいつだって17歳」
木菟「何ですそれ?」
黒「気にしない気にしない、じゃあこの流れで家族についても聞きましょうか。6人家族、意外と多いというか何というか」
木菟「まぁ…そうですかね?」
黒「やっぱりお兄様方には可愛がられたの?」
木菟「えー…っと、そう…ですかね?あまり突き放されたりされた覚えは無いですね」
黒「末っ子の妹は可愛いだろうねぇ、歳ってどれぐらい離れてるの?」
木菟「下から4、5、6歳差ですね」
黒「年子なんだ」
木菟「そうみたいです」
黒「あーそうか、一番上のお兄様がすごく溺愛してるっぽいなぁって思ってたけど、小学校がちょうど被らない歳の差ってのもあるのかなぁって」
木菟「あー確かにちょうど入れ替わりでした」
黒「因みに間と下のお兄様はつくちゃんと同じ小学校なの?」
木菟「小学校は同じでした。登下校だけでも出来るだけ兄と一緒にいれるようにと父が決めたそうです」
黒「この父にしてこの息子あり」
木菟「二人合わせて三年だけでしたけどね」
黒「せめて一桁歳の時だけでもって感じなのかな」
木菟「そう考えるとあまり変わらないような…」
黒「いやいやお父様はそれだけ心配だったのだ…」
木菟「普段は寡黙な人ですけどね」
黒「昭和の人だからかねぇ、そういえばお兄様方は家出てるみたいだけどもしかして防衛大?」
木菟「はい」
黒「うーんエリート、それぞれ陸海空に入るのかしら」
木菟「詳しくは聞いてないのですけれど希望は別れてるみたいです」
黒「すげー」
木菟「自慢の兄です」
黒「ははぁ…じゃあ次はそんな4兄弟を育て上げたお母様のお話もちょっと聞こうか。一言で言うとどんな方?」
木菟「うーん…?明るい人ですけどどこか掴み所が無いと言いますか…」
黒「つくちゃんじゃん」
木菟「えっ」
黒「えっ親子だし何となくわかるなぁって」
木菟「…私ってそんな感じですか?」
黒「まぁそうかなぁ?」
木菟「ふーん…」
黒「うん?あ、そういえばさ」
木菟「はい」
黒「…そのつくちゃんの羽角ってお母様も生えてるの?」
木菟「いえ生えていませんよ?」
黒「じゃあ家族だとつくちゃんだけなの?」
木菟「そうですね」
黒「…それ何なの?」
木菟「くせっ毛じゃないでしょうか?」
黒「ほんと?」
木菟「さて?」
黒「そこはぐらかさないで怖いから」
木菟「それはともかく昔に似たような物が生えてる人はいたそうです、昔と言っても私から3〜4代前とかそのあたりですが」
黒「明らかに発現してるじゃん」
木菟「と言われても…私も正直よくわからないのですが…」
黒(まぁ私は知ってるんだけど)
黒「あとつくちゃんはいわゆる本家筋なの?」
木菟「そこら辺は少々複雑なのですけど、一応そのようです」
黒「ご両親のどちらがそうなの?」
木菟「母ですね、父も一応遠い親戚になるようですけど婿入りなんですよね」
黒「あらそうなの」
木菟「経緯は聞いていませんが」
黒「ほーん…案外一目惚れかもよ?」
木菟「ふふふ、私もそんな経緯の方が良いですね」
黒「しかしお母様が本家で婿入りとなるとお父様は頭が上がらないんじゃないかなぁ…イメージだけど」
木菟「そんな事も無いですかね?私から見る限りでは父は立派な大黒柱ですし」
黒「お母様もお母様で昭和の良妻賢母を体現してる感じなのかぁ、本家としてしっかり教育されてきたのかなぁ」
木菟「まぁでも、面白い人だと思いますよ」
黒「いいねぇ」
木菟「ふふふ」
黒「そういえばお母様は牛鬼ちゃんの事だいぶ可愛がってるみたいだけど何ででしょうか?」
木菟「母は…父曰く『人の底を覗ける』だそうで、母自身もあの子は本当は脆いのにそれを隠して立ち続けようとする人だって…」
黒「ふむ」
木菟「だからまぁ…端的に言えばお節介でしょうか。お節介焼くのが好きな人なので」
黒「なるほどねぇ…まぁ牛鬼ちゃんはお母様でなくても心配するよ…細いし…」
木菟「それもそうですね」
黒「しかし『人の底を覗ける』ねぇ…双子については何か言ってたりする?」
木菟「えーっと、透さんは元気で快活だけどダイアモンドみたいに意外と脆い部分がありそう…で、純さんは傷を持っているからこその強さがある…と」
黒「当たってるじゃん…」
木菟「こういう所は少し怖いぐらいですね」
黒「木菟森家こわぁ」
木菟「ちょっいやっ私はそんな事ないですよ!?」
黒「つくちゃんはそういう特殊能力無いの?」
木菟「無いですよ…」
黒「え、でも首ぐりんぐりん回せるじゃん」
木菟「それは特殊能力というか…」
黒「あ、そういえば御霊のお見送り出来るじゃん。あれ十分特殊能力じゃん」
木菟「あぁ…まぁ…はい」
黒「そもそも見えるのも昔から?」
木菟「そうですね…小さい頃から見えるのですが、それを母に話したらあまり口にはしないようにと」
黒「まぁ…そうねぇ…その時は素直に聞いた?」
木菟「素直な子でしたので」
黒「えら〜い、じゃあ送り人の力はいつから?」
木菟「そこらへんは少し込み入った理由があるので内緒です♪」
黒「込み入った…?」
木菟「詳しく話すと怒られるどころでは無いので」
黒「え、こわ…でも透に憑いたわんこを送れるって話してたけどその能力自体は話していいの?」
木菟「それだけならまぁ、透さんは信用できる方なので」
黒「ははぁ、確か親戚にお宮さんの方いたよね?もしかしてそのk
木菟「駄 目 で す よ?」
黒「ピャッ」
木菟「もう一つ言いますと蛍に聞こうとしても駄目です」
黒「やっぱ駄目か…流石の忠猫」
木菟「…」
黒「…んじゃあ次は蛍ちゃんとの関係性について聞きましょう、厳密にはつくちゃんが早生まれだから蛍ちゃんの方が歳上なんだよね?」
木菟「厳密にはそうですね、もちろん学年は同じですけど」
黒「どうしてねーさんって呼ばれてるんでしょ?」
木菟「さぁ…気付いたらと言いますか、切掛けは覚えているんですけどそれがどうしてねーさん呼びに繋がるのかは…」
黒「あとで蛍ちゃんに聞こう、特に訂正とかしてないの?」
木菟「小さい頃で誕生日とか知らない頃だったって言うのと…」
黒「のと?」
木菟「…ここで話した事って守秘義務ありますよね?」
黒「これは話さないでって言われれば、それ以外は関係しそうな相手なら軽く話すかもって感じ」
木菟「じゃあ内緒にして欲しいんですけど…正直私が末っ子だったんで妹がいるって憧れが無かったわけでは無かったんですよ。蛍は妹ちゃんいますし」
黒「…つくちゃんって意外とそういうずるい可愛いとこあるよね」
木菟「なっ」
黒「普段が普段だからそういう妹っぽい感じとか末っ子感出されるとずるい」
木菟「ぐっ…」
黒「しかしそういうのって女の子特有なのかね、自分なんかは自分みたいな弟妹いたら多分ぶん殴ってるな。間違いなくウザい」
木菟「えぇ…」
黒「というか今は流石に互いの誕生日知ってるんだよね?」
木菟「そりゃあ」
黒「でも未だにねーさん呼び?」
木菟「まぁ…」
黒「まぁ蛍ちゃんだしなぁ」
木菟「蛍ですし…」
黒「そういえば蛍ちゃんって妹ちゃんいるけどどんな感じの子なの?」
木菟「ん〜?簡単に言うと世渡りが上手そうな子ですかね?折り合いが上手と言いますか」
黒「蛍ちゃんと真逆ぐらいな印象だ」
木菟「もしかすると蛍を反面教師にしてるかもしれないですね、もちろん蛍の生真面目さは美徳ですけど」
黒「兄弟姉妹はそういうとこあるよね」
木菟「そうかもしれないですね」
黒「因みに妹か弟かだったらどっちが欲しい?」
木菟「うーん…透さんみたいに懐いてくれる妹なんかは憧れですかね〜。可愛がり甲斐がありそうですし」
黒「わかるわ」
木菟「懐き度で言えば蛍もですけど」
黒「ベクトルが違う気もするけど…」
木菟「可愛いお姉ちゃんですよ」
黒「そういえば親戚は親戚なんだろうけど多分だいぶ遠いよね?」
木菟「そうですね、だいぶ」
黒「ぶっちゃけほぼ他人レベル?」
木菟「実際はまぁ…」
黒「そこらへんも気になるんだけどさ、木菟森家と猫蔵家の家系というか血の歴史というか」
木菟「それに関しては私も昔話程度でしか…もとは同じ血筋だった程度しか」
黒「何があったんだろうねぇ…木菟森家って夜目が異様に効くとかあるんでしょ?」
木菟「猫蔵家もそうみたいで」
黒「名字の木菟と猫、夜目が効く、もとは同じ血筋…つまり…どういうことだってばよ?」
木菟「何かを授かったりしたんでしょうか?」
黒「あぁ〜そういうの好き」
木菟「事実は小説よりもフフフン」
黒「少し話戻るけど親戚のお宮さんで祀ってるものに絶対真実あるよね」
木菟「祀られてるものに関してはそこの筋のごく一部しか知らないそうで」
黒「え、こっち本家なのに?」
木菟「三権分立…じゃないですけど、互いに余計な口出しをしないためでしょうか」
黒「コワイヨー」
木菟「怖くないです…!」
黒「じゃあ楽しい話をしよう、趣味は…読書?」
木菟「改めて考えると趣味と言えるほどはっきり好きと言えるものがない気もしますね、読書も知見を広げるためという意味合いの方が強い気がします」
黒「崇高だぁ。でもそれが苦じゃないなら趣味じゃない?自然とやっちゃうのが趣味である要因の一つだと思う」
木菟「自然と…」
黒「あ」
木菟「ふふふ」ニコ
黒「…木菟森流悪戯道」
木菟「でも悪戯が趣味ってあまりにも性悪な印象が…」
黒「サプライズって言っとけば許される雰囲気無い?」
木菟「ありますかね…?」
黒「悪戯が好きとサプライズが好きなら後者の方が印象は良さそう」
木菟「んー…?」
黒「まぁどちらにしてもつくちゃんの悪戯が人を笑顔にする物だって事に変わりは無いけど、何か好きになるキッカケはあったりするのかい?」
木菟「んー…何でしょう?」
黒「趣味って意外とそういう物だったりするよね」
木菟「でも…本当に何となく、昔蛍にちょっとした悪戯をしたら笑ってくれたのが印象に残ってるような…」
黒「ンギャワイイ」
木菟「子供っぽいですけどね」
黒「むしろ子供の時に子供らしい楽しみ方出来てなかったら心配になるよ、そうでなくともつくちゃん年不相応に大人びた部分あるし」
木菟「それは…歳上に囲まれて育ったからですかね?」
黒「はぁ、成程ね」
木菟「大人っぽいですかね?」
黒「落ち着きと余裕感かな」
木菟「自覚は無いですけど」
黒「意外とそういうのが人の本質だったりするのかね。そういえばお母様はつくちゃんの事は何て評してるの?」
木菟「…そういえば聞いた事無いですね?」
黒「あらそうなの、気になる」
木菟「でも聞くのも何となく躊躇われるような」
黒「あぁ…占いとかメンタリズムとも多分違うだろうしね…」
木菟「使者を遣わしてみましょうか…」
黒「お手伝いさんにか…どうだろうね?」
木菟「いや…うーん…でもやっぱり…」
黒「気が向いたらでいいんじゃない」
木菟「…そうですね」
黒「じゃあ…お次は何かチャレンジしてみたい事?とかはどうかな」
木菟「チャレンジしてみたい事?」
黒「今までやった事無いけどこれからやってみたい事?趣味の話に繋がるけど」
木菟「あぁ、そうですね…」
黒「…」
木菟「…」
黒「…?」
木菟「…あれ?」
黒「え」
木菟「何というか…今まで将来の夢のためにって思っての行動がほとんどだったので、やりたい事って言われると意外と思いつかないですね…。決して夢のための行動に後悔も嫌気もあった事は無いですけど」
黒「あぁ〜…それはそれで素晴らしいけど…」
木菟「でもそうですね…蛍の創作という才能が気になったりするので、手始めに気になった映画や漫画を見てみるのも面白いかもしれないですね」
黒(意外とオタクの才能あったりするのかな)
木菟「今度蛍に聞いてみましょうか…」
黒(どうだろう…多分ライトなの勧めるだろうけどちょっと心配だな…)
黒「映画といえば椿ちゃんに聞くのはどうかな、あの子映画好きだし」
木菟「そういえばそんな事を言ってたような気がしますね」
黒「新しい世界へのトキメキって良いよね。飛び込むのも楽しいし、何より楽しんでる人は素敵だし」
木菟「それは確かにそうですね」
黒「ちなみに映画に限らず作品のジャンルの好みってどんな感じ?」
木菟「そういうのもまだ分かっていないのですけど、強いて言うなら頭を使う作品?ミステリーとか…」
黒「はいはい、なるほどそういうのが好みか」
木菟「何かあります?」
黒「見た事無いけどメメントって映画がここ10年ぐらい気になってる」
木菟「どんなあらすじですか?」
黒「(ざっくりこんな感じ)」
木菟「…どっちかと言うとサイコホラー系では?」
黒「一応ミステリー要素もあるんじゃないかなぁ…?見た事無いけど」
木菟「ふーん…」
黒(そこまで刺さってなさそう)
黒「まぁ私なんかより椿ちゃんとか蛍ちゃんの方が詳しいだろうし…」
木菟「そうしてみます」
黒「うん。…じゃあこんなもんかなぁ?後からまた思い付きそうだけどその時はその時で」
木菟「あ、はい。どうでしたか?」
黒「ん?」
木菟「木菟森 昴という人間について」
黒「そうだね…まぁ…見た目や表面に見えやすい言動が多少浮世離れしてるかもしれないけど、やっぱり中身は普通の可愛らしい未来ある少女だってとこですかね」
木菟「ふふふ」
黒「少女よ、自由に生きるのだ」
木菟「は〜い」
黒「じゃあ次は…マリア呼んできてくれるかな」
木菟「了解です♪」

マリアサ~ン
ハァァァァァイ‼︎‼︎

黒「すごい声量だな、窓割れそう」

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