価値マップを実践して

価値マップを実践して気が付いたところなどまとめます。


UXを行う中でとても大切なことは潜在的なニーズを引き出すことです。
価値マップはユーザー調査で得られた定性的な情報から、ユーザーが求めている本質的ニーズや体験価値を導き出す手法のことです。

自分はユーザーインタビューから得た情報をKA法でユーザーの心の声と価値を分析しました。

KA法とは
コンテキストインタビューや観察法などの定性調査から得られたデータを分
析、モデリングし、ユーザーが求めている本質的な価値を導出するための分析手法である。


KA法で利用するKAカード

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1つの出来事につき一つのKAカードを利用します。


①出来事
状況:~だったので
動機:~と思って
行動:~して
結果:~だった、~と思った
この中から2つ以上を組み合わせて書くようにする。
4つすべて書くと出来事がかなり具体化されるため、心の声と価値を書くときに助かります。
注意点として、出来事には解釈や推測を一切書かないことです。

ここで解釈が入るとユーザインタビューで得た結果から本当に何が事実だったのかわからなくなります。
解釈/推測→解釈/推測では事実から大きくそれてしまい、本当の価値にたどり着けなくなります。


②心の声
心の声はユーザー自身が本当に考えていること、実際にはユーザー自身になったつもりで心の声を文字に書き起こします。
この時、心の声が複数読み取れた時も書き出します。
※異なる心の声から全く違う価値が生まれる場合があるため分けて書くべき。

価値カードを複数書いていくと、ユーザーは行動からポジティブorネガティブに考えているか感じ取れます。時には、意識しなくてもネガティブな行動になることも....
その中で特に面白いのは、ユーザーは気が付かず矛盾したことを話していることが価値カードを書いていくときにわかることです。


③価値
価値は動詞+価値という形で書きます。
価値の導き方にはいくつかのやり方があります。

ネガティブな心の声
価値はユーザーが本来望んていることを価値として解釈して書く。
※価値はネガティブになりすぎないように気を付ける

例:~したいけどできないなぁ。
→できるような環境を与える、機会を与えるなどの価値にする。
※あくまでも一例であってすべてこうなるとは限らない。行動→心の声→価値が繋がっているか確認をすること
※行動と心の声に書いたことをそのまま価値にしてはいけない

ポジティブな心の声
ポジティブな心の声が出た行動からどのような体験価値があったから導きだせたか考えて価値を書いていく。

価値は具体的過ぎ、普遍的過ぎはよくない
このバランスがとても難しいと思います。
価値を具体的に書こうとすると行動に対する解決策になってしまう事もあります。解決策を生み出す手前のポイントを価値にしていきます。(いまいち言葉選びが悪いので今後訂正します)

普遍的過ぎるととてもぼけた価値になってしまいます。
例:楽しむ価値
どの価値カードでも当てはまりそうな価値になってしまいます。
1つの行動に対してクリティカルに当てはまるような価値の方が後々やりやすいかもしれません。


価値カードを書いてく上で躓いたこと
自分が実践していく中で良くなかったことをいくつかあげていきます。

・心の声がそのまま価値になること
・行動と価値、心の声と価値が繋がらないこと
・KA法がうまくいかない

価値をうまく生み出すことができない、ユーザーの行動がぼんやりしていてイメージができないことがある。
この場合、インタビューの録画を確認や追加インタビューを行うとうまく価値につなげることができます。できるだけ行動は具体的にユーザーになりきって追体験できるレベルまで落とし込むと楽かもしれません。


最後に、インタビューの内容をほとんど価値に落とし込んだらグルーピングを行います。
複数人からそれぞれ出た価値カードを一つにまとめて、関連付けたもの同士でグループ分けをします。
矢印など用いてそれぞれのグループの関係性を書き出すことで、ユーザーにとっての価値、そして価値同士がどのように関連しあっているかを確認することができます。

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価値マップは最初難しいと思いますが、何回も繰り返していけばよりよい価値を生み出せるようになるはずです。がんばってください!


大まかにまとめたので今後追記していく予定です。
次はユーザーインタビューの本の感想を書く予定です。



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