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岸辺露伴は動きすぎ ー天国の扉から覗く妖怪、そして人間ー 【2023年5月18日追記あり】

*ドラマ「岸辺露伴は動かないⅡ」のBlu-ray購入感想文です。Amazonにレビューしました。
★★★★★


私を「ジョジョの奇妙な冒険」にはめてくれたドラマ


前回のパート1。
NHKの年末にやっていたその時は知らなかったのですが、
後でネットで話題になっていたので、
アマゾンで見てみたら、

ハマってしまたよおお。
ジョジョの奇妙な冒険によおおお。
どうしてくれるんですかねええええ、
露伴先生にスタッフの皆さんよおおお。
責任とってくださいよおおお。

ドラマからアニメ、原作と逆走して、見事にハマっております。

もちろん原作は知っておりました。
が、犬が焼却炉で焼かれ血まみれの大人の戦いは、ドラゴンボールメインでジャンプを見ていた小学生女児にはだいぶハードルが高く、ジョジョはあまりしっかり読んでおりませんでした。
なんとなく覚えているのが、中学から高校にかけての4部。髪が伸びて顔がめくれてノートになるのは覚えておりました。
それ以降は大学進学し毎週のジャンプから離れてしまい、ジョジョも絵柄を見ればなんとなくわかる、という程度でした。

そんな私をジョジョにはまらせてしまった
ドラマ「岸辺露伴は動かない」


最初に印象的だったのは、
美術と衣装。
露伴先生の美しい自宅と服装。


ジョジョはだいぶ独特な世界観美意識の強い原作です。
また荒木先生の描く街並みや服装は独特で、ファッショナブルというか色彩も鮮やかでインパクトが強く、グッチともコラボできてしまうぐらい。インタビューでも触れられていましたが、原作そのままでアニメだと違和感がないのに、実写ドラマにすると途端に変に感じるというのは不思議なものですね。
露伴先生が、チンドン屋になってしまいそう。(失礼)

その点、このドラマでは、実際にある建物を利用して、現実との地続きを出しつつ、内装にこだわって、原作の雰囲気を出す工夫をされています。
露伴先生の服装も、デザインは原作寄りのアシンメトリーな奇抜なものなのに、色を白黒のモノトーンにして、日本の背景にそれほど違和感なく溶け込ませています。
すごい!
ファッションの勉強になりますね。(多分私は取り入れないけど)
泉ちゃんも、クラシカルな服装だけど色数を抑えて派手ではないから、露伴先生と並んでも不自然ではないし、騒がしくなくて背景からも浮かない。

次に、俳優さんの演技。

わがままで偉そうで自分勝手で傲慢だけど、ちょっといいところもあって、信念と誇りをかけて漫画家として生きている露伴先生を、原作のセリフをリアルに落とし込んで演じた、高橋一生さん。
すごい。
露伴ちゃんと泉ちゃん(あえてこう書かせていただく)の掛け合いもテンポ良く面白かったです。
(この二人付き合ってないといいなあ。どうしてもそういう情報があるとそういう目で見ちゃうから)

圧巻は、5話のおんぶ妖怪!
市川猿之助さん。
乙雅三の怪しーーーーい動き。
妖怪になってからの圧迫感に異様な空気。
最後の必死の形相。
いやあ、もう見事の一言に尽きます。
この5話が見れただけで、Blu-ray買ったかいたあったと思いました。

そして、設定と構成。


スタンドを一切出さず、ギフトという特殊能力で押し切った!
これで、ああ、こういう不思議な力を持っているんだ、と最初に見せて説明した上で、さらに不可思議な本編に集中できるわけですね。
長い原作のスタンドの設定をくどくど説明しても原作を知らない人はついていけないだろう、ならいっそ切ってしまえ、という潔さ。
脚本の本領発揮ですな。
原作好きからは抵抗あるかもしれませんが、成功ですね。
下手にCGとかバンバン出すと、現実との地続き感がなくなってしまいますからね。
むしろ最小限に抑え、なるべく不思議を現実の人の手で作ったのが、不思議な能力や現象がリアルに感じられる要因かなと思いました。(なんか矛盾しているようですが)


バラバラの原作から、3話構成にまとめたのもすごい。
1話4話で露伴の不思議な能力の説明と別の不思議な存在との対決。
2話5話では俳優さんのガチンコ演技対決。
3話6話で今までの流れを家族の話でまとめる。

パート1では、3話の太郎ちゃんを泉ちゃん経由で1、2話にも絡めて話の流れを作りましたが、
パート2では、六壁坂というある意味ラスボスを設置して、そこからの刺客と対決し、最後にそこへ乗り込むという、原作本編を彷彿とさせる展開も素敵でした。
6話で六壁。

特に今回は、吸血鬼にクルセイダース、ヘブンスドアと、西洋キリスト教世界観の強い原作に比べて、坂に味噌造りの名家に妖怪と、全体的に和の雰囲気を強く感じることができ、その分怪談のようで、ひんやりとした怖さが滲みてきました。
最後は妖怪より妖怪らしいのは人間か、みたいな。

小林靖子氏のインタビューも興味深かったです。

残念だったのは、
6話で、回想の途中から急に白黒画面になってしまったこと。
出血が放送コードに引っかかったのかもしれませんが、やや不自然でした。
どうせならヘブンズドアーの回想は、4話も5話も全部白黒にして、露伴先生だけカラーにするとか、今まで白黒だった六壁坂が6話の現地に露伴が辿り着いて、白黒から色がつく描写を入れるとか、でもよかったかもしれまえん。
まあ、これは演出の分野ですかねえ。

最後に、ドラマで岸辺露伴を描き切った点に賛辞を。

アニメだろうと漫画だろうと変わらない岸辺露伴を、設定をかなり変更したドラマにおいても表現してくれました。

原作よりだいぶ落ち着いた年齢になっているはずなのに、
全くぶれず、変わらず、ただひたすら漫画を描くことのみに生きる、露伴先生。
破産など意に介さず、境に自ら踏み込み、好奇心で動きまくり、危うく身を滅ぼしかねない目に何度あっても、全く懲りずに繰り返す。

原作のままの狂気。
これぞ岸辺露伴。

そして、
荒木飛呂彦先生。

楽しかったよおおおお.
どうもありがとうおおおおお。
今年の年末も期待しているぞおおおおお。

追記:2022年8月20日

12月パート3決定!!!
よかったよおおお
うれいいよお


追記2:2023年5月18日

どうして、、、

どうしてなのよおおお
なんでよおおおお
なんとかしてよ露伴せんせええ、、、
最強のヘブンズ・ドアーでよおおおお

すごい役者さんなのに、悲しいです。
とても。


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