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Blood & Soil - The Swastika & Sun

フィンランドのNSBM、Blood & SoilのEP。 
産地を聞いて一般に(?)期待されるドタバタメロウ要素は皆無で、今作はミドルテンポ主体の地味ながらも、展開とメロディのフックで魅せる、ジャーマンNS愛が溢れ出る作品に仕上がっていました。

中域が強調された耳障りの良い音質からも界隈へのリスペクトが伺え、ボーカルのスタイルもアジテーションと、高らかに歌い上げるヘタウマクリーンボーカルの合わせ技で、いかにも初期Absurdシンパといった趣。

常時トレモロリフで鳴らされるメロディからはむせ返るほどの寂寥が溢れており、勇壮な歌詞や思想とは真反対にも思える寒々しさが、より根底にある危険性を加速させている様に思えます。1曲に使用されるリフの種類が多いことにも工夫が感じられ、ジャーマン特有の鬱蒼とした暗さに多少の華が添えられている印象。全ての曲に特色と魅力があるのもかなりの好感触なのですが、特に同じ単語を繰り返して畳み掛ける、ヒトラースタイルのアジテーションが光る#04は、NSBMの真骨頂とも言える緊張感と格好良さ。

NSBMとは過ぎ去った栄光への羨望と、それが二度と日の目を見ることの無い世界への絶望が産み落とした、亡霊なのだと思います。主流のブラックメタルから危険性や閉鎖的なスタンスがすっかり薄れて無くなった今、BMリスナーの誰しもが最初に味わったであろう、「タブーに触れた」感覚を今でも味わえるのが、NSBMの魅力の1つなのかもしれません。NS系に抵抗のない方は是非!アルバム名で検索すれば#4の視聴が可能です。

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