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Black Metal

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#音楽レビュー

Blood & Soil - The Swastika & Sun

Blood & Soil - The Swastika & Sun

フィンランドのNSBM、Blood & SoilのEP。 
産地を聞いて一般に(?)期待されるドタバタメロウ要素は皆無で、今作はミドルテンポ主体の地味ながらも、展開とメロディのフックで魅せる、ジャーマンNS愛が溢れ出る作品に仕上がっていました。

中域が強調された耳障りの良い音質からも界隈へのリスペクトが伺え、ボーカルのスタイルもアジテーションと、高らかに歌い上げるヘタウマクリーンボーカルの合わせ

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The Voice Of Our Blood - National Socialist Black Metal Compilation

The Voice Of Our Blood - National Socialist Black Metal Compilation

2003年にUnholyからリリースされた、NSバンド11組のスプリット盤。
参加バンドの中には大御所、Nokturnal Mortumの曲が含まれていますが、それを抜きにしても好内容な1枚でした。性質上1組ずつの紹介となります。

1 - Unknown Artist - Into War
光線銃(そうにしか聞こえない)をずきゅんどきゅん連射するチープなSEから、行進曲を思わせるリズムとペイガン

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Branikald - Rdyandalir

Branikald - Rdyandalir

ロシアのNSBM、Branikaldの3rdアルバム。
ロシアのネオナチ版ブラックサークルことBlazebirth Hall(以下、BBHと呼称)に所属していたバンド。フロントマンのKaldradは19年に交通事故で逝去されたそうで、本人は白人主義の暴漢だったそうですが、もう新作は無いと思うと寂しくなりますね。

筆者は23年にRagnarok Recからリリースされた再発盤を入手しまたが、 この

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Hate Forest - Innermost

Hate Forest - Innermost

ウクライナのブラックメタル、Hate Forestの6th。2020年に新作を引っ提げて電撃復活後、2枚目のアルバムとなります。

過去作よりもメロディアスになっており、高音寄りの音像も相俟って、全体的にアグレッシブな印象。吹雪くトレモロリフと冷徹なまでに正確なブラスト、そして憎悪に満ち満ちたボーカルの魅力は健在で、彼らの持ち味であるコールドさは十分に発揮されており、Hate Forestの威力は

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Die Toten Kehren Wieder Mit Dem Wind - Stille

Die Toten Kehren Wieder Mit Dem Wind - Stille

ドイツの一人ブラック、Die Toten Kehren Wieder Mit Dem Windの3rd。バンド名は直訳で「死者は風と共に去りぬ」。

・スタスタ調子のスカスカドラムに高音トレモロの猛襲。絶対零度の寂寥の中にどこか熱を感じられるメロディは、日本産のInfernal Necromancy周辺を彷彿とさせるメロイックさ。明瞭な音像も相まってキャッチーな印象を維持しつつも、随所に挟まれる多

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