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キャッシュレスと日本再興戦略

「キャッシュレス」日本が今、「日本再興戦略」の最重要項目として取り組んでいる問題

※キャッシュレスの講義に利用する内容の整理用に作ったものを公開しています。

日本においてはキャッシュレス比率は約20%、諸外国と比較してもかなり低い水準となります

現在、経済産業省を中心としてキャッシュレスの推進を行っており、各種助成金を利用したクレジット端末の費用負担やWi-Fi環境の整備など行っているがなかなか進むことはない

一番の問題は受け入れを行う店舗の「手数料負担」が大きく、約3%程度を負担できる元気な店舗が少ないということ

キャッシュレスを受け入れることにより、外国人等のインバウンドマネーを多く取り込むことが可能となり、更に現金を取り扱うことへのコストを削減することができるというのがキャッシュレスを推進する側の理論なのだが、中小零細の小売店などは、これまでも現金というもので不自由していると感じてはおらず、この「手数料」というコストの方が大問題だということをそこまで理解していない

その「手数料」という問題に対して経済産業省ももちろん把握しているため、対応したいと思っているが、その対応策が「カード会社」や「PSP※決裁代行会社」の手数料を引き下げろ!というめちゃくちゃな要請を行っている

カード会社やPSPにおいては当然、顧客の貸し倒れリスクや、店舗への精算を行う際の振込手数料、もちろん全てを自己資金でやっているわけではないので事業資金の借入金利等を負担している

実際のところ1回払いやボーナス払いではカード顧客からの手数料収入は0なので、赤字に近い状況で、1回払いやボーナス払いの占める割合は、クレジットの支払回数の内、実に95%以上となっている

それに対してキャッシュレスが進まないからお店の手数料を安くしなさいなどという経済産業省の要望は実にナンセンス且つ横暴であることはお分かりいただけるだろう

では実際に「手数料」だけがキャッシュレスの進まない理由なのだろうか?

答えはNOである

何故か?

それはキャッシュレスの進んでいる諸外国の状況を見ればヒントが見えてくる

例えばお隣の「韓国」

こちらの国のキャッシュレス比率は実に90%以上と驚異的なものとなっている

韓国がキャッシュレス先進国な理由

これは実に政府の行った2つの政策が功を奏したものと思われる

一つ目は、「一定量のクレジットカード利用に対して税金の控除をおこなう」というもの

要するに日本でいう医療費控除のように、キャッシュレスで決済を行った消費については国税を一定量控除するのだ

もし貴方が毎日の買い物をクレジットカードで行えば消費税がかかりませんよって言われたらどうしますか?

積極的にクレジットカードで買い物をしますよね?

AとBというスーパーがあってAしかクレジットカードを使えなかったら、積極的にBというお店に行こうとは思いませんよね?

日本では現在「現金支払い」という概念がスタンダードであることから、あえて店舗についてもキャッシュレスを導入する必要がないのです

でも顧客側に支払い方法の主導権が渡ってしまえば、店舗はそれを受け入れるために必要であれば積極的にキャッシュレス設備を設置するに違いありません

この決済方法における「店舗主導」を「顧客主導」に置き換えることが重要であり、「税金控除」という顧客側が積極的にキャッシュレスに移行する明確な理由が今の日本には足りないのである

2つ目は決済のエンターテイメント性の確保である

これも韓国の例ではあるが、クレジットカードで決済を行うと明細書に「宝くじ」が付いていて毎月抽選を行い現金が当たる

これも面白い仕組みで、どうせ現金で買うならクレジットカードで買い物をすれば宝くじがもらえるとなるとクレジットカードでの支払いを積極的に行う人が出てくるだろう

「決済」は「手段」であり「目的」ではないということが以前業界では言われていたが、現在では、ポイントの台頭でポイントを貯めるためにクレジットカードや電子マネーを使うという人も増えてきており、「決済」の「手段」へ「目的」が追い付いて来ている

私は恐らく近い将来、もう一歩進んだ「決済」がスタートすると思っていて、これについては現在色々な決済を行う会社さんへ提案をしていこうと考えている

この「決済」に「目的」を付加する手法を一番上手く取り入れた決済会社が日本での決済の中心となってくるだろう


日本のキャッシュレスの今後

現在考えられるだけでも多くの決済方法があり、その多様性が反対にキャッシュレスの普及を邪魔しているということもある

クレジットカード

クレジットカードは今後もスタンダードな支払い方法となるが、現在の磁気ストライプやICチップの支払いが主流ではなく、いわゆる「TypeAB」と言われる非接触のICチップを端末にかざして決済を行うものとなるだろう

これについてはVISAから数年以内に現在非接触のFericaチップ(電子マネー)を搭載しているクレジットカード発行会社はこの世界基準のNFC(※Near Field Communication 非接触決済)に対応するため「TypeAB」と言われる非接触のICチップを必ずクレジットカードに搭載しなくてはならないと通達が来ており、対応できない場合VISAへ支払う手数料に対してペナルティがかかってくる

これまで日本はFericaと呼ばれる日本独自の非接触チップが主流で、SuicaやWaonを始めとする電子マネーは全てこのタイプであることから世界中どこへ行ってもこのカードは使えず、このFelicaが普及しすぎたために世界基準のType-ABが利用できる端末が普及していないことから、海外からの渡航者は反対に日本で非接触ICチップでの支払いができないという状況に陥っているのだ

電子マネー

これについては各流通系がそれぞれ独自のFelica電子マネーを持っていることから、今後もイオンならWaon、セブンイレブンならnanaco、JRならSuicaといったようにそれぞれのポイントカード的な利用のされ方を継続するのではないかと思われる

そして独自の経済圏から別の経済圏へ侵攻する会社も出てくるだろう

いかに他業種から自分の経済圏に顧客を引き込むかに力を入れ、色々と対応できない小売店などは全て顧客を連れていかれてしまうという状況に陥るかもしれない

プリペイド

これは凸版印刷のような会社がやっているサーバ管理型の通常のプリペイドカードとauウォレットのようなブランドプリペイドのこと

一般的に前者は小売店や飲食店のポイントカード的なイメージで利用されることが多く、これも店舗ごとに独自(Ex.モスカード)に利用され他業種への乗り入れはなされない

こちらは完全に閉鎖された環境下でそれぞれの特色を出していくものと思われるが、あまりキャッシュレスの普及に対しては影響がない

クレジットカードのように与信審査がないため、18歳未満や高齢者、クレジットカードを信用的に作れない人などの受け入れ先としては確実に必要な部分であり、ブランドプリペイドはクレジットカードと同じような立ち位置になる

ブランドデビットカード

銀行の口座から引き落としを即時に行うクレジットカードのようなものであるが、口座を持っていれば発行が可能なので老若男女問わず発行できるのが強み

しかしながら現状で言えば不正利用のリスクを考えるとクレジットカードの方が保険、チャージバック等色々と安全なように思われる

銀行口座と直結であることがメリットでもありデメリットでもあり、例えば銀行のキャッシュカードと一体型の場合は見知らぬ店舗の人にキャッシュカードを渡すという心理的なデメリットもあり海外での利用には少しネガティブなイメージがぬぐえない

銀行側としては、これまでの預金及び融資をビジネスモデルにした経営が厳しくなる中で、手数料ビジネスとしての新たな収益源として推進をしていく

カード発行の費用を削減したQR型のデビットカードも今後進んでいく

QRコード決済

主に中国系のAliPay、WechatPayが有名で、それぞれ自身の銀行口座やあらかじめ購入したバリューから引き落としを行うオンラインデビットのようなもの

日本でも取り組みが進んできておりLINEPayやペイペイ、楽天Pay等大手が取組を開始

中国系は日本をはじめアジア圏の掌握にむけ多くのキャンペーンを行いつつ、ネットスターズをはじめとして代理店契約を締結し加盟店の開拓業務を行っている

LINEPayは3年間店舗の手数料を0円で行うという方法で急速に加盟店を獲得、ペイペイについては3000人ほどの人員を短期的に雇い、主要都市を人海戦術でローラーにて加盟店獲得を行う

楽天Payは自身の楽天市場とのポイントの相互利用と、独自の加盟店審査(市場利用の実績)でレンディング(貸付)を行うなど独自の経済圏を築く

QRコードの弱点としては「アプリを立ち上げる」→「QRコードを提示Or読み取り」の作業が必要で、非接触の支払いの中では若干手間がかかることから個人的には普及は限定的になるのではないかと思うが、一番のメリットとして受け入れ側の設備が「スマホがあればいい」ということだ

スマートフォンの普及によって一家に一台ではなく一人に一台の時代がやってきている

これまではカード会社がインフラ整備を行い、アクワイアリング(加盟店管理業務)を行うことで手数料を確保してきたが、多くの決済方法が台頭してきたことにより、過酷な手数料引き下げによる収益悪化が目立ってきたことから、クレジット端末は無償で設置していたものを有料での提供となっている

そこでスクエア等のドングルと呼ばれるスマートフォンに差し込んでクレジットカードが読み取りできるものや、スマレジのようにタブレットで処理するタイプが増えてきている


日本の今後の流れ(予想を適当に)

ここから下は自分用メモなので有料設定にしときますが、大したこと書いてないので絶対買わないでください。

消費税増税のタイミングで、キャッシュレス減税が行われる

これは恐らく政府の把握不足でグダグダになると推測 そもそもどこまでがキャッシュレスの範囲かも不明なうえ、クレジットカード会社へ無理矢理手数料の引き下げ等を迫ってきてJCB辺りが拒否、商品の種類についてもCAFISを通しての情報が企業コード及び業種コードくらいのものでPOS登録を行っている小売店以外は商品コードの取りようがないことから判別不能 つまり政府は全てを決済会社に丸投げしようとするが対応できずに、キャッシュレス利用金額に対し上限はあるものの税優遇を設定する

クレジットカードは非接触IC「Felica」と「TypeA/B」が並行して利用される その中で、それを一体化してサーバー管理を行う支払いシステムの台頭によりリアルカードを持って買い物をする人とスマホに登録したカードで支払う人という2パターンが出てくる

QRコード決済についてはQR統一規格が開発される(2019年度中)中心となるのはLINEPay 同社は中国のWechatPayのように会話+決済を中心に若者を取り込む

しかしながら決済会社の手数料引き下げの連続で手数料が大幅に減少 一部のクレジットカード会社などは単体では収益化できない状況となる

人口の低下によりレジに人を使うということが少なくなり、自動レジが増え、キャッシュレス化が加速

政府の目標値40%は達成できない

しかしながらこれまでキャッシュレスであってもキャッシュレスにカウントされてこなかった「振込」等を急遽キャッシュレスとしてカウントし40%を達成

キャッシュレスは増加したものの2020年以降、経済は冷え込み、デフレが進行 消費税増税の影響も影を刻む

合わせて銀行の行っていた住宅ローン並びにマンション投資系のローンが軒並み焦げ付きを開始

2021年 大手銀行の破綻 株安が進行し、日銀の出口戦略がうまく行かず経済破綻

さてどうしたものか


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