見出し画像

苗字制度・歴史的推移まとめ - 1061文字

苗字制度の推移

律令制度の崩壊(8世紀末~10世紀): 中央集権的な律令制度(土地は定期的に国が再配分・大化の改新・大宝律令・養老律令)が崩壊し、地方豪族の力が増す。

武家社会の成立(12世紀~16世紀): 武士階級が台頭し、古代の称号は使用されなくなる。

苗字の普及(江戸時代): 武家社会において苗字が一般化し、家名として定着。

近代(明治維新後): 平民に対しても苗字が義務化され、古代から続く家系が現代の苗字として残る。

このように、古代の高貴な姓は中世や近世の社会変化を経て現代の苗字に形を変えながら引き継がれてきました。

一例

古代日本における称号

1. 朝臣(あそん)

古代: 五位以上の貴族の称号として使用される。
中世: 武家社会の台頭と共に使用が減少
近世・現代: 家名としての「朝臣」は残らず、藤原氏などが「藤原」を苗字として使用

2. 宿祢(すくね)

古代: 豪族や有力者に対する敬称
中世: 武士の時代に入り、称号としての使用が減少。
近世・現代: 「物部」「中臣」などが苗字として残る。

3. 君(きみ)

古代: 地方豪族や有力者の称号
中世: 武家社会の中で家名としての「君」は消失
近世・現代: 大伴氏は「大伴」蘇我氏は「曽我」などに変化。

4. 臣(おみ)

古代: 大王に仕える有力豪族の称号。
中世: 武士の時代に「臣」の称号が消失。
近世・現代: 「大伴」「物部」などが苗字として残る。

5. 忌寸(いみき)

古代: 特定の職務や神事に関与する者の称号。
中世: 武家社会の成立と共に「忌寸」の称号が消失。
近世・現代: 「橘」「賀茂」などが苗字として残る。

6. 真人(まひと)

古代: 律令制下の高位貴族の称号。
中世: 武家社会の成立により「真人」の称号が消失
近世・現代: 「藤原」「清原」などが苗字として残る。

7. 連(むらじ)

古代: 中央豪族の首長の称号
中世: 武家社会の成立により「連」の称号が消失。
近世・現代: 「物部」「中臣」などが苗字として残る。

8. 公(きみ)

古代: 有力家系や地方豪族の称号。
中世: 武家社会の成立により「公」の称号が消失。
近世・現代: 「阿倍」「紀」などが苗字として残る。

9. 直(あたい)

古代: 地方豪族に与えられた称号。
中世: 武家社会の成立により「直」の称号が消失。
近世・現代: 「船」「野見」などが苗字として残る。

1917年 日本古代氏族制度

上記の内容は、渡来人のことを、

『帰化した若しくは捕虜となった異人種であり、起源も意味もわからぬ者は云ふまでもない。』

と記載されている。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?