読みたい③
姉のコンポを借りて音楽を聴き、紛らわせた。姉の部屋は散らかっていて、デスクの足に微小な蜘蛛が何匹か這っていた。ティッシュ貸してと私が言うと、姉は、じゃあ後で返してねと笑った。
ティッシュでデスクの足を何度も磨いた。蜘蛛は湧いて出てくる。私の勇気のように絶えず溢れてくる。どうも床が悪いようだ。カーペットを剥いだ。
ドクロマークが現れた。姉に問いただすと、花に水をやる時にこぼしてしまったと詫びたが、何となく嘘臭い気がした。
疲れたので、自分の部屋に戻った。青いランプが綺麗に輝いていた。安心して一人で眠れた。
翌朝、牛乳を飲んだら、また違和感があった。シンクで吐いたら、また同じ。これは何なんだろう。私の消化器官は癌に蝕まれているのだろうか?
魚が椅子に座って、目をやたらとパチクリさせていた。あっ、発作だ、と思い、薬を探した。塗ってやったら、笑っていた。
詩は出来たのかと魚に訊ねると、何故か、冷凍庫からチョコレートを取り出して、私はそれを手渡された。食べろという事だなと思い、冷たい板チョコを一口食べた。飲み込むのが不安だったが、飲み込んでみた。何も違和感は無かった。
…私は生きていて良いのだろうか。こんな生き恥を晒しながら。
何度も目が覚めたじゃない。どうして私はおかしい頭のままなの。
姉のPCは昨夜の画面のままだ。これ、詩じゃなくて日記だろう?って指摘したが、姉は入浴中らしかった。返事は無かった。
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