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失ってしまえ

この世には自我っていう生き物しかいないのだと気付いた

私は人間の皮の表面をおざなりにして、現実生活で維持していたら幸福や安泰のもとになったであろうものを手から離す癖が付いて、
夢の中にばかり放り投げ、犬みたいに隠してる

眠りの間の異世界にばかり、綺麗なものを持ち帰り、覚醒のたびに滅びてしまう夢にばかり、人間の人格の機能を貯蔵している
犬なら後で掘り返すが、私はその術も手離そうとしている
私が私を放棄しても尚、私の中には誰かが潜んでいるんだ、と考えてしまう
だから放棄を希求する気持ちを捨てられない
賭けてみたいんだ、私は私以外の何者で成っているのかを知るためにも、私が確かに私だけで機能していた場合に死ぬことになっても構わないから、自分を少しずつ削っていってもどうせ死なないという方に

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