地球寒冷化の深層②

大規模太陽極小期と地磁気減少のメカニズム

 グランドソーラーミニマムと地球磁場の弱体化が同時に起こっている可能性がある。2つにもし関連があるなら、その仕組みはどうなっているのだろうか。

 太陽活動が沈静化すると太陽風は弱まり、太陽の磁気圏が縮小する。深宇宙からの強い宇宙線が地球に到達する割合は高くなる。宇宙線は地球の大気と衝突すると相互作用を起こす。その際に炭素の放射性同位体である炭素14が生成される。宇宙線量が増加するごとに炭素14濃度も増加する。言い換えると、太陽活動がアクティブなら地球を守る太陽風の強度が増して宇宙線量は減少し、炭素14の生成も減少する。このことから、太陽活動と地球の炭素14濃度は逆相関関係にある。

https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/CR/research/c14/ 

 しかし、大気中や地表の炭素14濃度が上がったからと言って、それが地球の磁場を弱くする訳ではない。宇宙線と大気の衝突は雲量の増加につながり、その日傘効果による寒冷化や気候変動は説明出来るが、地磁気の変化は説明できない。

ここから先は

1,216字

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?