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ASKAの歌詞にはASKAが居ることに気がついたお話

先日、一人のASKAファンの方がご自身のTwitterで、私の『ASKAがくれた共感は次元が違うというお話』という記事を共有してくださった。

それをきっかけに多くのASKAファンの方に記事を読んで貰えた。
中にはスキやフォローをしてくださった方まで居た。

私の勝手な歌詞解釈エピソードなのに、、、ASKAファンの方達優しい、、、(泣)

本当にありがとうございます。

感謝の思いと同時に、「ASKA」という名前を記事に出している以上、私なんかより何千倍も知識があるファンの方々の目に止まるという事を今回改めて実感したので、もっとASKAの事を勉強しなければ、と思った。

今日だけでもいくつか調べてみて、そこから記事にできそうなことを思いついたので、書いてみたいと思う。

まだまだにわか感満載ですが、良ければお付き合いください。

まず調べたのは、私が勝手な歌詞解釈エピソードを書いた『月が近づけば少しはましだろう』は、ファンの方たちにどう捉えられているのか、という事である。

自分の解釈の答え合わせをしてみたかったのだ。

本当はASKAに正解を聞きたいところだが、今までこの歌詞について具体的に語っているような情報は得られなかったので、ファンの方達の解釈で答え合わせをしてみた。

いくつかのnote記事やブログを拝見させていただいたが、ほぼ共通していた解釈は、「この曲はASKAが自らの心の内(苦悩)を吐露した曲である」という事だった。

「いやそんなの誰でも分かるでしょ(笑)」という声が聞こえてきそうだが、私はこの解釈ができなかった。目から鱗だった。

私は、この歌詞を「絶対こんな経験をしたとしか思えない歌詞だ」と思った。言い換えれば、想像だけで書いたとしたらあまりにリアルすぎる歌詞だけど、ASKAは本当はこんな経験していないのだろう、と思い込んだのだ。
だから、どれだけ人の気持ちが分かるんだと驚愕した。分かり過ぎだからこの人神なんじゃないかと本気で思った。

もうこの時点で間違えてる。

経験したとしか思えないから、きっと自分の事の書いたんだろう。この歌詞はASKAの心の内だ。そんな単純な解釈ができなかったのは、私がTUBEファンである事が大きいのだと思う。

TUBEはご存知の通り、夏バンドだ。デビューから35年経った今も夏ソングを生み出し続けている。

TUBEの楽曲の歌詞は、ほぼほぼヴォーカルの前田亘輝が担当している。

前田亘輝が「夏」という限られた世界で、300曲以上も歌詞を書き上げられている理由は、自分視点で書いているのではなく、老若男女様々な人になりきって、その人の夏の物語を想像して歌詞を書いているからだ。

一途な恋をしている男の子。失恋を引きずる女の子。最愛の女性に永遠の愛を誓う男性。自分が不倫していることに葛藤する女性。などなど。

彼は性別も年齢も超えて、そんな一人一人になりきって、彼らの夏の物語を描いている。

つまり、前田亘輝が書く歌詞に前田亘輝本人は居ないのだ。

例外的に『Love Song』を始めとする、ファンに向けて作られた数曲には、前田亘輝本人の思いが綴られているのだが、彼がTUBEのヴォーカルという立場を離れて、個人的な気持ちや考えを反映させた曲はほとんどない。

そんなTUBEの曲ばかり聴いていたから、歌詞は作者本人から乖離しているもの、あくまで作者の想像上のものだとずっと認識していた。

だから、ASKAの歌詞にASKA本人が描かれているなんて考えられなかったのだ。

そうか。ASKAは歌詞の中に自分自身を登場させることもあるのか。

また自分の中でASKAの知識がひとつ増えた。




この知識を得た上で、気になってもう一つ調べたのが、ASKAのこれまでの人生。

ASKA自身が歌詞に出てくることがあるなら、彼の人生の概略を知ってた方が、彼の言葉をもっと楽しめそうだな、と思ったのだ。

ASKAの人生は、あの例の事件があまりにフォーカスされがちが、私が調べた中で一番印象的だったのは、彼が年下の旦那さんだったこと。

時代的に、ということと、あまりの成功者だから、ASKAは絶対年下の女の人と結婚していたんだろうなと思っていた。
私の勝手な考えだけど、一昔前の成功者でお金持ちってそんなイメージ。
だから凄くびっくりした。

でも、「ASKAの歌詞にはASKAが居る」こと、「彼が年下旦那(彼氏)だった」ことを知って、私の中で嵌っていなかったピースが嵌った。
あーなるほどね。

私はチャゲアスを聴き始めてからずっと密かに思っていたことがある。

ASKAの恋愛曲って、みんな主人公似てない??

特に付き合っている彼女がいる男が似ている。

ざっくり言うと、優しくて、素直で、心から愛してくれているけど、少しあざとくてズルい男。
カッコイイ完璧な理想の男ってよりも、母性本能がくすぐられるようなかわいくて憎めない男。

そう、完全に年下彼氏なのだ


幾つか例を挙げてみる。

君は本当に僕を愛してるかい 愛せてるかい
誰よりも 誰よりも
『はじまりはいつも雨』(1991年)
何度も言うよ 君は確かに 僕を愛してる
『SAY YES』(1991年)


ただ「愛してる」と一方的に言うだけじゃなく、「君は僕を愛してるよね」って彼女に確認している。
普通の男性はあまりこんなこと言わない。確認するのはむしろ女性の方だ。
だから確認するこの彼はおそらく年下彼氏。
ちょっぴり不安そうに、何度も何度も確認してくるのがかわいい。母性本能をくすぐってくる彼氏。




次も彼女に確認してくるかわいい彼氏。

”I Love You” 君の中に僕は
いまどのくらい? もうどのくらい?
『どのくらい ”l Love You”』(1987年)

でもこの彼氏は恋愛テクがちょっと高度。

”I Love You” 悪い男だけど いい恋人
きっと君なら そう答えるさ ”I Love You”

彼女の前では「ねえ、僕のことどのくらい好き?」とか聞いてくるのに、実は密かに心の中では「僕はきっといい彼氏だろうな」と自信を持っている。
めちゃくちゃあざとい。
自信もってるくせに、彼女の前では自ら年下彼氏をあざとく演じている。
年下彼氏の需要を分かって演じてる、彼女を落としまくりのズルい彼氏。



この彼氏が究極に進化すると『今夜ちょっとさ』(1993年)になる。
もう最初から最後まで最高にかわいくてあざとくてズルい。
年下彼氏の最高峰。
曲聴いてるだけで悶絶するほどキュンキュンする。
知らない方用に一応歌詞全文を貼っておくので、ぜひ読んでみて欲しい。

一度ふくれたら もう言葉じゃ追えない
僕の愛する分だけ 君は強いけど
人が言うほどは 僕は不器用じゃなくて
ほんのタイミング ねらって君の膝のうえ
君の膝で 角を曲がって 赤い屑かごに
ほっと溜め息投げる

霧が晴れたら 僕の番だよ
今夜ちょっとさ 抱かれて欲しいよ 夢まで

何度場所を決めても 朝は鍵を捜しちゃう
楽なことだと言うけど
僕には無理みたい 離れて暮らすのは
もう不自然じゃないか
ほんの タイミング ねらって ずっと 僕のもの
君の膝で 今日が終わりそう
回す両手はドーナッツより甘く

これは宇宙の 決まりだからさ
今夜ちょっとさ 抱かれて欲しいよ 夢まで

君の膝に 張りついたまま
僕はエジプトの まるで壁画のようさ

これは 宇宙の決まりだからさ
今夜ちょっとさ 抱かれて欲しいよ
夢まで(だからさちょっとさ)
抱かれて欲しいよ 夢まで

これは 宇宙の決まりだからさ
今夜ちょっとさ 抱かれて欲しいよ
夢まで(だからさちょっとさ)
抱かれて欲しいよ 夢まで
『今夜ちょっとさ』(1993年)

数日前までの私は、「ASKAは何でこんな年下彼氏ばかり描くんだろう」と思っていたが、やっと分かった。

この男たち、みんなASKA本人だ

ASKAは当時本当に年下彼氏(後に旦那)として恋愛をしていた。
そしてASKAは歌詞の中に自分を登場させる傾向がある。だから年下彼氏の曲が多くなったのか、と納得した。

自分を出しすぎじゃない??プライベートを隠して想像で書いてもよかったのでは??とも思うが、それはきっと違う。

想像ではなく、あくまで自らの経験や気持ちを基盤にして歌詞を生み出しているからこそ、ASKAの一見難解な言葉や表現は唯ならぬリアリティを纏っている

だから、私は彼の歌詞から、次元が違う共感や、悶絶するほどのキュンキュンを貰えているんだと思う。

だから、多くの人の心を、誰よりも強く揺さぶっているんだと思う。

これまでも。これからも。

ASKAの歌詞の中にASKAが居るからこそ、さらに彼の言葉が魅力的になっているのかもなあ。
そんなことを思ったというお話。

にしても、80年代から90年代にかけてのあの色気ダダ漏れ超絶イケメンが年下彼氏だったなんて。
あんな人に歌詞の中みたいに甘えられたら悩殺だなあ。
一回で良いから付き合ってみたい、、、。
(無理なの分かってます)

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