小説を読み終わった夜

 僕たちは幸せになるために生きている。
 では、幸せになった後はどうなるのだろう。
 幸せではなくなるだけか、もしそうだとしたら幸せになる意味はあるのか。
 本当は幸せになろうとしている今が幸せなのではないか。

 生きることは自分の意思ではないのかもしれない。自分の意思でこの世に生まれてくることはできない。自分で決定できるのは死だけだ。受動的に自分の意思とは関係なく心臓は動き呼吸をしている。意識的に呼吸を止めることはできるが、呼吸をすることは無意識的に行なっている。生命において自分の意思で決定できるのはいつ死ぬかだ。

 佐野徹夜さんの透明になれなかった僕たちのためにという小説を読みました。生と死、愛について考えさせられた小説だった。

 人生に必要なものは必然的に、最初から決められていたように、出会うのかもしれない。

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