【ボドゲ紹介】四畳半ペーパー賽系
この記事は、ボドゲ紹介 Advent Calendar 2019 の5日目です。
はじめに
四畳半。この部屋には学生生活のすべてが詰まっている。
この狭い宇宙を青春で満たすのだ!
タイトル:四畳半ペーパー賽系
デザイン:シマムラナオ
イラスト:Plan Rock BOØW E ヤマウチロックボーイ
先日のゲームマーケット2019秋で発売されたばかりのインディーズゲーム『四畳半ペーパー賽系』。
そのタイトルから、森見登美彦氏の小説および同名アニメの『四畳半神話大系』が思い起こされます(私は詳しくないです)。
詳細なルールは、製作者が公開している説明書 PDF に委ねるものとして、この記事では“なぜ私がこのゲームをオススメしたいのか”に焦点を絞って綴りたいと思います。
オススメポイント
✓ ゲーム会で大活躍!100人まで遊べる紙ペンゲーム!
✓ ゲーマーも満足!適度な“運”と練られた“点数システム”!
✓ 自然と会話が盛り上がる!学生生活ロールプレイング!
100人まで遊べる紙ペンゲーム
『四畳半ペーパー賽系』は、あるルールに従って 4 or 5 マスのピースを専用の紙に記入していく、パズル要素+多人数同時プレイの紙ペンゲームです。
ある程度ボードゲームの経験がある人には、『パッチワーク』+『Welcome To...』というとイメージがつかみやすいでしょうか。
ゲームの流れは、以下のような感じです。
❶ 誰かが5個(5色)の6面ダイスを振る
❷ プレイヤー全員は、各ダイスに対応するピースの中から1つ選ぶ
❸ 各プレイヤーは、選んだピースの形を(ダイスの色で)紙に記入する
❹ ❶〜❸を 12 ラウンド繰り返す
プレイヤー全員が同時に処理する(手番制ではない)ため、理論上何人でプレイしようが目安時間内で遊ぶことができます。
ゲーム会で9人くらい浮いてしまったとき、「5:4?」「3:3:3?」などと頭を悩ませる必要はありません。
点数要素が一枚の紙にまとまっているので、初めてプレイする人にとっても見通しがききやすく、インストの負担が比較的少ないのもグッドポイントですね。
適度な“運”と練られた“点数システム”
『四畳半ペーパー賽系』では、ピースを記入する際に守らなくてはならないルールが2つあります。
✓(1ラウンド目を除き)すでに記入されたピースに隣接させる
✓ 同じ色のピースを隣接させてはいけない
選べるピースはダイスロールに左右されるため、例えば「L字が来ればキレイにハマる」と思っていても対応する出目がなかったり、対応する出目があっても色がちがうなど、シンプルで覚えやすいルールながら、適度なパズル要素とジレンマ感を生み出しています。
点数要素には、(a) 5色の各マスが生み出す点数、(b) 各区画を埋めた際に得られるボーナス、(c) 目標カードの達成で得られるボーナスの大きく3つがあり、(a) の各色の点数は以下のようになっています。
✓ 緑(交友)………数があればあるほど加点
✓ 紫(趣味)………緑のマスに隣接しているほど加点
✓ 赤(恋愛)………他色で同じ形のピースがあれば加点
✓ 青(学業)………数が少なすぎると減点
✓ 黃(バイト)……加減点がないかわりに、特殊効果が使える
色によって、とにかくたくさん置いたほうがよいもの、あまり置きすぎても仕方がないもの、他の色との組合せが大事なものなどがあり、どことなく『ふたつの街の物語』に似た雰囲気を感じます。
愚直に考えると、紫(と緑)で埋めるのが一番点数コスパはよさそうに思えるのですが、(b) や (c) の点数を気にしていると、いつの間にかカラフルな思い出に彩られた四畳半一間ができあがっているのが悔しくも楽しくあります。
学生生活ロールプレイング
“学生生活最後の1年間をどのように過ごすか”。
このゲームの根幹をなすフレーバーは、ルールとしてゲームシステムの随所に落とし込まれています。
ダイスの各色はそれぞれ「恋愛・学業・交友・趣味・バイト」に対応しており、その点数計算もフレーバーを表すものとなっています。
あくまで私の想像にすぎませんが、例えば以下のような感じです。
✓ 紫(趣味)………緑のマスに隣接しているほど加点
→ 趣味は、友人と一緒に取り組むほど楽しい
✓ 赤(恋愛)………他色で同じ形のピースがあれば加点
→ 同じ形のピースは、その恋人との思い出
全 12 ラウンドの各ラウンドは1年間(= 12 ヶ月)の“その月をどのように過ごしたか”の思い出だと捉えることができますし、目標カードそれぞれに付けられているタイトルもそれらしいものになっています(例えば、「大学院進学」にはたくさんの「学業」が必要など)。
このようにゲーム全体に渡ってフレーバー色が豊かなため、学生生活をロールプレイングしながら遊んでいると自然と会話が盛り上がります。
✓「ひとりで趣味続けるのしんどい。友達ほしい。」
✓「やばい、そろそろ勉強しなきゃ。」「いま試験期間(7月)だしね。」
✓「4月の女との思い出が一切ない……」「5月で新しい女に乗り換えてんじゃん。」
上記は、実際のプレイ中に生まれたほんの一部です。
周りはアラサーばかりのゲーム会でしたが、なんだか懐かしい記憶が呼び起こされました。
きっとこのゲームを遊べば遊ぶほど、それぞれの並行世界で過ごした青春時代の思い出話に花を咲かせることでしょう。
むすびに
私が令和の時代にあえてスマホゲームやコンシューマーゲームではなくボードゲームを遊ぶ理由の一つは、お互いに顔を合わせて自然に生まれる会話を楽しむことができるからです。
その点において、この『四畳半ペーパー賽系』は 2019 年を代表してオススメできる国産ボードゲームだと言えるでしょう。
この記事を読んで『四畳半ペーパー賽系」が気になった方は、ぜひお手にとって遊んでみてください(ボドゲーマさんや一部のボードゲームカフェなどで取り扱いがあるようです)。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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