
外マドレーヌ
こんばんは、皆様の未来を称揚するドーナツ革命党の提供でお届けする萩の原実在紀行、本日の実在は外マドレーヌです。
我々ドーナツ革命党員は外マドレーヌの外核で発生し、外マドレーヌの内側の内側に関しては、潜入に成功した少数のドーナツ革命党員の調査によるところです。一般の党員は外マドレーヌの外核に所属しており、内部の様子を観察することがかないません。
外マドレーヌの外核はつるつるしているともふわふわしているともつかぬ質感の空間であり、一説によると、居住者の求める感覚に寄せていく性質があるのではないかと考えられています。
さて、外マドレーヌの内側を見てみましょう。
外マドレーヌの内側は非常に広い空洞になっており、下の方は、海とも野ともつかぬようすにときおりぎらりと光ります。中空にはぐるぐると回転する発光体が浮かんでいます。そう、この空間こそが「萩の原」と呼ばれる空間です。
萩の原は外マドレーヌの内側に位置する空間であり、逆説的に、外マドレーヌとは萩の原とそうでない場所を分ける存在を外マドレーヌと呼ぶということになります。
外マドレーヌは我々ドーナツ革命党員にとってはあまりにも莫大な存在であり、「外マドレーヌとは萩の原とそれ以外を境界する実在である」以上の調査はいまだ未踏です。外マドレーヌとはドーナツ革命党員にとっていわば母のような存在であり、また、萩の原のあらゆる実在にとってもそのようなものといえるでしょう。その事実が更に、この存在に関する調査を困難にせしめています。
はたして事実をとらえることが実在に対する誠実な態度と言えるのでしょうか。萩の原実存紀行、明日の優美を約束するドーナツ革命党の提供でお送りいたしました。
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