ポートレートが撮りたい人類におすすめしたいレンズとその選び方

おはこんばんにちは。

元々おかしかった頭がストレスで加速度的におかしくなり、新卒半年目にしてお医者さんに休職を勧められる僕よりは皆さん元気かと思います(唐突)。

ポートレートが撮りたい人類に勧めたいレンズをやっっっとまとめることが出来そうなのでこの記事を書いています。ポートレート良いよ。やれよ。

その前に


前提知識の話をします。
ポートレートではよく「ピントの位置」、「ボケ量」、「シャープネス」及び「コントラスト」というものが議題にあがります。後半2つはそのままの意味なので省略するとして、前者2つは???となる人が多いと思うので、少し説明をここに記します。

ピントの位置

あなたは人と会話をするときどこを見ますか?
僕はだいたい下を見てるんですけどそういう変な人の話を脇に置くと、大体の人が「瞳」を見ると思います。

ポートレートにおいてはこの「瞳」が鍵になります。
「瞳」にピントがあってさえいれば、多少バランスが悪くても良く見えます。
人間の瞳は2つあるじゃねえか、という声が聞こえてきそうですが、一般的には自分から見て近い方に合わせます。とはいえ、あくまで一般論なので好きな方に合わせりゃいいと思います。頭使え、頭をよ。

ボケ量

そしてこのボケ、これこそがレンズを選ぶ1つの基準となりうるものです。ピントから外れた箇所においてそのピントの外れ方の多寡を「ボケ量」とよく呼称されています。
ここで少し話を逸してピントの話をします。ピントとは即ち被写界深度のことを指します。ここにおいてマクロを除いた近似にはなりますが、

被写界深度= 前方被写界深度+後方被写界深度

であり、

前方被写界深度
=許容錯乱円径 (mm) × 絞り値 × {被写体距離(mm)}^2/{焦点距離(mm)}^2+許容錯乱円径(mm)×絞り値×被写体距離(mm)

後方被写界深度
=許容錯乱円径 (mm) × 絞り値 × {被写体距離(mm)}^2/{焦点距離(mm)}^2−許容錯乱円径(mm)×絞り値×被写体距離(mm)

となります。ここで許容錯乱円形を0.03mm、被写体距離を1000mmとしてポートレートで一般的な85mm f1.8のレンズを使うと仮定しましょう。
全て代入すると

被写界深度=1503.21(mm)≒150.3cm(たぶん)

となります。では次に同じ条件で50mm f1.8のレンズを使うとするとしましょう。
全て代入すると

被写界深度=4531.42(mm)≒453.4cm

となります。だからなに?と思うかもしれませんがここからが大事なのです。被写界深度が大きいということはピントの合う範囲が大きくなるということです。つまり「瞳」にピントが合わせやすくなるのです。ただ瞳以外にもピントが合ってしまうとのっぺりとした写真になってしまいます。つまり何が言いたいのか。

「瞳」だけにピントが合う焦点距離とf値を導出してそこから逆算してレンズを買えばいいじゃん!

革命ですよこりゃあ。10mの距離から瞳にだけバチコリピントを合わせたいなら大体5000mm f1.8のレンズを買えばいいんですよ(天体望遠鏡?)
ちなみにボケ量はボケ量をDとすると

D=焦点距離(mm)/f値

で出せます。Dは現行のレンズだと200mm f2が最大になるかと思います(知らんけど)。
このレンズの場合、

被写界深度=300.06(mm)

となります。まあつまるところ、10mまで離れてしまうと瞳にだけピントが合うレンズというものは現人類が持ちうる技術では無理ということですね。
お疲れさまでした。

ではここで問題です。ここで諦めず、バチコリ瞳にだけピントが合ったポートレートたるポートレートを撮りたければどうすればいいでしょうか?

答えは簡単です。さっきの被写界深度の式を見てください。最も式の値に影響を与える変数はどれでしょうか。そう「被写体距離」です。

被写体に近ければ近いほど被写界深度は薄くなりますし、被写体から遠ければ遠いほど被写界深度は無限に近付きます。

ではここで仮定しましょう。
焦点距離
=35mm、50mm、85mm、135mm、150mm、200mm及び300mm
 f値
=1、1.2、1.4、1.8、2、2.8、4
として、
被写界深度を20mmとします。
被写体距離を逆算してなんかいい感じにしようという算段ですね。

先にボケ量を計算しましょう。したものがこちらになります(キューピー3分クッキング)

ボケ量:D=焦点距離/f


 これを見るとサンニッパと50/1.8のボケ量がほぼおんなじってことが読み取れますね。あと200mmf2が意外とボケないということもわかります。(まあそこを目的として作られていないですからね。)
f値が4となるともはやボケ量ではお話にならないということもわかります。

では次に被写体距離を見てみましょう。


被写界深度2mmのときの被写体距離(mm)(近似)

今回使った計算式だとマクロ域はカバーしていないので被写界深度2mmと言うのは不可能ということがわかります。
これではこのクソ大変なシートづくり(10分)が無駄になってしまうのでもう少し範囲を広げてみましょう。

被写界深度を20mmにします。
それがこちらです。


被写界深度20mmのときの被写体距離

やっとまともな値が出ました。計算が合っていたらいいなと思います。
この表を見ると、85mmがポートレートを撮る上で被写体とコミュニケーションを取りやすく、初心者におすすめの焦点距離ということが良くわかります。

(2023/10/31 現在 続編構想中)