「コーヒー産地紀行・中国雲南プーアル」2019年3月

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雲南省のコーヒー産地は、昆明市の西、ミャンマーよりにある「保山」地区が有名ですが、その北の大理方面にもコーヒー伝播の足跡があります。保山から西南の国境に「徳宏」地区。南下し計画生産の歴史が古い「孟連」地区、観光地として有名な「西双版納」地区に広がります。それらの中心にお茶所としても著名な「プーアル」地区があり、お茶だけでなく、コーヒー生産の中心地に発展しています。
雲南は、多様な少数民族が暮らす自然の恵み豊かな土地です。コーヒー生産も、少数民族が働き手として関わり、その文化伝統の中ではぐくまれています。

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1日目
YCE雲南コーヒーエクスチェンジは、雲南コーヒーのグレードを決めています。SCAの規準にのっとったものです。
YCEスペシャルティグレード1(SCAカッピングスコア85点以上)、グレード2(82点~84.99点)、グレード3(80点~81.99点)です。
78点以上をプレミアム、77.99点以下をコマーシャルとしています。

今回は第4回の雲南コーヒー品質審査会です。
ヘッドジャッジはアメリカからCQIのテッド・リングル氏。計24名のジャッジは、アジア各地からの参加者が多いものの、オーストラリア、ヨーロッパからも参加あり。日本からは、熱海でジャパンコーヒーエクスチェンジ(JCE)を主催するCQIインストラクター松澤氏と、UCCの中村氏が神戸から参加しました。
まずはじめに、2サンプルを使ってカリブレーションを行いました。
およそ80点の水洗コーヒーと、84〜85点のナチュラルコーヒー。
国内選定後、128のエントリーサンプルから、今日の審査会用に36サンプル選ばれました。
今回はカテゴリー別でなく、サンプルが並びます。水洗とナチュラル、またはパルプドナチュラルをジャッジそれぞれが区別しながら採点を進めます。
YCE建物内のCQI認定ラボで、4テーブル、各6ジャッジが作業します。ジャッジは自分たちのテーブルの焙煎豆をミルでひきタイマーをかけ、注湯し、進めます。
6サンプルずつ計6セッション行いました。後半第5、第6セッション目でそれぞれ1~2サンプルずつ、目立ってクリーンな中米、東アフリカの水洗アラビカ様のタイプが出品されました。
過去は、質のばらつきが大きかった様子ですが、YCEの改善努力を経て極端なばらつきはなく感じました。
余談ながら、参集ジャッジの多くが、各地の展示会でSCAJ元会長の弊社田口護と出会っており、また中国語訳された田口の著作を精読した読者として表敬のご挨拶を受けました。

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2日目
まずファイナルの2セッション、12サンプル。その結果選出されたトップ6サンプルを再々度カッピングし、公表点や評価を確定します。
9時から14時まで、計3セッション18サンプルが終了。17日の昼に展示会場にて結果発表、表彰があります。
15時から展示会場見学しました。30分あればひとまわりできる小規模会場でした。建物も古く、やや暗い会場でしたが、これから前向きに発展させようという熱意にあふれていました。
会場ではサイフォン中国大会の表彰中。ハリオ倉永氏が参加協力。来年2020年にプーアルでサイフォン世界大会が開催されます。
YCE情報では、プーアル郊外にコーヒーテーマパークを建設中とのこと。来年オープンを目指しているそうです。
審査会の結果は、今回は雲南省保山地区の佐圓農園産ティピカが1位。高地産の特徴をよく出した孟連地区の米古農園のカチモールが2位という結果でした。わたしは1位2位を逆転して採点しました。ティピカは、サンプル焙煎が万全ではないと感じました。この2品が前掲の規準でいう「YCEスペシャルティグレード1」となります。
余談ながら、今回1位の佐圓農園ティピカは、故邱永漢氏ゆかりの農園であり、わたしどもが15年前に出会ったものでした。その農園には10年前に訪問した際撮影された弊社田口の写真が飾ってあるそうです。